山村 將夫 院長の独自取材記事
野庭やまむら歯科
(横浜市港南区/上永谷駅)
最終更新日:2023/02/06

歴史ある野庭団地内の歯科医院を継いで8年。「自分の専門であるインプラントをやりたいという思いはありますが、それを押しつけるようなことはしたくないですね」と穏やかな笑顔で語る「野庭やまむら歯科」の院長、山村將夫(まさお)先生。地域に根差した口腔内のかかりつけ医として患者の声にじっくり耳を傾けながら、わかりやすい説明と患者の思いをくむ歯科医療を心がける、心優しき歯科医師だ。取材時も午前の診療が長引き、早くから午後の患者が訪れる中、一人ひとりの患者に気さくに声をかけるなど、日頃からのコミュニケーションを大切にする姿勢が伝わってきた。そんな山村先生に、かかりつけ医としての思いや今後の展望などについて、話を聞いた。
(取材日2016年10月17日/情報更新日2022年10月31日)
患者の思いをくみ取る、地域に根差すかかりつけ医
8年前に開業されたそうですが、開業のいきさつについて教えてください。

大学院を修了後、都内の企業の診療所に20年近く勤務していたのですが、その企業が長野県に移転することになったのを機にこちらで開業することになりました。開業といっても、野庭団地ができた時から40年間ずっとここで歯科医院をされていた先生の後任としてカルテごと引き継がせていただきました。広い団地内に歯科医院はうちともう1軒だけで、ここは団地の中心部にあたるので、団地にお住まいの方を中心に近隣住民の方に来ていただいています。歴史のある団地なので高齢の方が多い反面、お子さんのいるファミリー層もいらっしゃいますので、あらためて歯科医師としてやりがいと、地域に根差した歯科医療を提供するクリニックとしての責任を感じています。
歯科医院としての長年の歴史も引き継ぐにあたって意識されたことなどはありますか?
開院してから40年の間に歯科医療は大きく変わっています。これまでは設備の整った企業のクリニックで診療していたので、すべてを同じように新しくすることは無理がありますが、できることから少しずつ変えていければいいなと思っています。取り急ぎ着手したのは衛生面です。目に見えない部分ではありますが、器具の消毒は専用の滅菌機を使ってかなり気を使っています。ただ、前の先生からずっと診てもらっていたという患者さんも多く、中には昔ながらのやり方でないと嫌だという方もいらっしゃるでしょうから、何が何でも自分のよかれと思うスタイルを押しつけるのではなく、患者さんのお話をしっかり伺いながら、一人ひとりの患者さんに納得していただける治療を心がけています。患者さんに「先生は話しやすいから」と気軽に質問していただけたらうれしいですね。
患者と接する時にどのようなことを心がけているのでしょうか。

治療面ではできるだけ歯を削らず、神経も含めてできるだけ自分の歯を残す治療を心がけていますが、患者さん一人ひとり考え方も感じ方も違うので「こうすればいい」というたった1つの正解はないところが歯科医療の難しいところであると同時に、面白いところでもあると思います。いい意味で緊張感を持ちながら、この患者さんはどんな方で、どんなふうに思っているのだろうかと常に考え、患者さんのニーズに沿う治療を考えるようにしています。時には患者さんと一緒に悩み、ともに考えながら、最善の選択ができるかかりつけ医でありたいですね。それこそ腹を割ってなんでも話せるような関係を築くのが理想です。なので、ズバッということもありますが、遠回りせずお伝えすることが患者さんの悩みに直結すると考えています。そのために焦らずに時間をかけて少しずつ信頼してもらえるよう心がけています。
痛くなる前の受診で、子どもの頃から予防意識を
子連れの患者さんからの信頼も厚い歯科医院だと伺いました。

小さい時から歯科医院に定期的に通ってもらうことで、生涯にわたってお口の健康を守りたいというのがかかりつけ医としての願いです。食べ物をよく噛むことができないと、体だけでなく顎の発育にも悪影響を及ぼすことがあります。まだ乳歯だからといって、虫歯を放置しないためにも、お子さんには歯科医院に苦手意識を持ってもらいたくないですね。楽しいところとまではいかなくても、せめて来てよかったと思ってもらえるよう、その場しのぎ的にご機嫌を取ったり子どもだましのようなことを言ったりはせず、「ここは頑張ろうね」「よくできたね」と、成功体験につながるような声かけを意識しています。
予防歯科にも力を入れているそうですね。
どんなに丁寧に歯を磨いていても、正しい歯磨き方法が身についていないと、虫歯や歯周病を完全に予防することは困難です。当院ではフッ素塗布だけでなく、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれるプロならではの専門器具を用いたケアなど、予防歯科にも力を入れています。できれば痛くなくても、それこそ何でもないうちから歯科へ足を運んでいただけるのが一番だと思いますが、実際は何かしらトラブルが起こってから来院される方がほとんどなので、治療が終わった方には定期的に検診やメンテナンスに来ていただくなどして、少しずつ予防意識を高めていければいいなと思っています。
専門とされる分野などはありますか?

大学院の研究テーマがインプラントだったので、しいていえば専門はインプラントということになるのでしょうか。当時、インプラントは症例も認知度も今ほどではなく、まだまだこれからという分野でした。インプラントは入れ歯やブリッジに比べると周りの歯に負担をかけることなく欠損部を補えるだけでなく、自分の歯で噛むのと同じような感覚が期待でき、刺激が歯周組織に伝わるため顎の骨が痩せるのを防ぎ得るというメリットが望めます。だからといって、すべての患者さんにとってインプラントが最善かというと、決してそうとは言いきれません。メリットだけでなく、費用のこと、顎の骨の状態や今後のことなど、デメリットも含めてしっかり説明した上で、治療後もずっと患者さんに喜んでいただける選択をしていただけるようサポートするのがかかりつけ医としての役割だと思っています。
歯科医療はコミュニケーションが鍵
趣味や休日の過ごし方について教えてください。

最近は手打ちそば作りにはまっています。大きな道具を置くスペースがないので小ぶりの道具を使っているからか、なかなか細くて長いそばにならずに苦戦していますが、やっぱり打ち立てのそばは格別ですね。それ以外ではゴルフをしたり、釣りをしたり、テニスをしたり、付き合いというか仲間と楽しむことが多いですよ。いろいろやるわりにはどれも一流にはなれないのがちょっと残念でもありますが、あくまでも趣味として楽しんでいるから長続きするのかもしれません。
今後の展望についてお聞かせください。
治療した患者さんがその後どうなったのかがずっと気になっています。将来的にはもっといい形で最後まで責任を持って一人ひとりの患者さんを診ることができるようにしたいというのが今の展望でしょうか。とにかく目の前の患者さんを大切にしながら、一人ひとりといい関係を積み重ねていきたいですね。この想いからも、クリニックへ通うのが難しいご高齢の方へのアプローチも考えています。今現在、妻も訪問歯科について勉強中ですので、歯の悩みを抱えているのに通うことができない方もこれから診ていきたいと考えています。
最後に読者にメッセージをお願いします。

理屈でいえば、受診は早ければ早いほどいいと思います。でも、頭ではそうわかっていても、なかなか実行できないのが現実ですよね。そういう意味では、かかりつけ医との相性というのが重要になってくるのではないでしょうか。今、受診で迷っていらっしゃる方は、まずは歯科医師に話を聞いてみることをお勧めします。その上で自分とは合わないなと思えば別のところに行けばいいし、相性の合う医師だと感じれば、治療のことだけでなく、費用のことや日頃のケアのことまでいろいろと相談しやすく、定期的に通いやすくなるのではないでしょうか。要はコミュニケーションですね。例えば入れ歯の調節なども、患者さんの噛み心地などを伺いながら綿密な調整が仕上がりを左右するといっても過言ではありません。コミュニケーションを大切にする歯科医院を選んで、歯科医療をもっと身近に感じていただけたらいいなと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円~