全国のドクター9,182人の想いを取材
クリニック・病院 158,625件の情報を掲載(2024年4月25日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 名古屋市西区
  4. 庄内通駅
  5. はせ整形外科せぼねクリニック
  6. 長谷川 伸一 院長

長谷川 伸一 院長の独自取材記事

はせ整形外科せぼねクリニック

(名古屋市西区/庄内通駅)

最終更新日:2024/02/15

長谷川伸一院長 はせ整形外科せぼねクリニック main

散歩道として親しまれる庄内用水緑道近くにある、「はせ整形外科せぼねクリニック」。その名からもわかるとおり、勤務医時代は脊椎を専門にしていた長谷川伸一院長が9月に開院したばかりの真新しい医院だ。かつて留学していたフロリダ大学のスクールカラー「オレンジ」と「青」を取り入れた院内は、いるだけで元気になりそうな明るい空間。受け身でなく、患者自ら積極的にリハビリテーションや運動に取り組める環境を整えたいという思いがそこにある。広々としたリハビリテーション室は充実した設備を整え、さらには車いすの人が見やすいよう自動扉の表示の位置を工夫するなど、至る所に温かい心遣いが感じられる。保存的治療を大切にする長谷川院長に、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2016年10月28日)

かしこまらずに本音で話せる気さくなドクター

クリニックとは思えないおしゃれな空間ですが、こだわった部分を教えてください。

長谷川伸一院長 はせ整形外科せぼねクリニック1

いかにも病院という感じは避けて雰囲気を明るくすることを考えました。これから「リハビリテーションや運動をやろう」というのに、気が滅入るような場所でやっても元気にならないじゃないですか。ですので、院内の色も白はやめて、オレンジや青を使いました。フロリダ大学へ留学した経験があるのですが、そこのスクールカラーなんですよ。実は父が接骨院をしていて、それを見て昔から感じていたのは、電気治療やマッサージなど患者さんが受け身となる治療ばかりではなかなか良くならないということ。患者さん自ら積極的にリハビリや運動をすることが大切なので、その環境を整えたかったんです。リハビリ室を広くとってトレーニングツールを充実させたのはそのためです。使う人の動きに合わせてさまざまなリハビリやトレーニングができる、スリング(ロープ)エクササイズの機械も設置しています。

来院される患者さんはどのような層が多いのでしょうか?

子どもからお年寄りまで幅広い世代が来ます。当院のリハビリの先生で女子ラグビーチームのトレーナーをやっていた人がいるので、そのチームメンバーやリトルリーグに所属している小学校高学年から中学生の子どもたち、あとはやはり病院名に「せぼね」とつけていますから、脊椎が悪い人とか手足のしびれがあったり筋力が落ちたりした方、首が悪い「頸椎症」、腰の痛みや足のしびれがあって長く歩けない「腰部脊柱管狭窄症」の中高年の方が多いです。僕が勤務医時代に診ていた方で、やはり僕に診てほしいということで、わざわざ来てくださる患者さんもいます。

患者さんとの距離がとても近いのですね。

長谷川伸一院長 はせ整形外科せぼねクリニック2

ありがたいことになぜだかわかりませんが、時々僕のことをすごく気に入ってくださる患者さんがいるんです。以前も留学から帰ってほんの半年だけいた病院の患者さんで、手術をする予定だった方がいたのですが、僕の転勤が決まったら、「やっぱり先生にオペしてもらいたいから」と、転勤先の病院まで来てくれて。開業のためその病院を辞めた後も、ここまで通って来てくれるようになりました。その方の住んでいるところからはどんどん遠くなっているのですが。ある程度僕の治療に満足してくれているのだなと思うと、とてもうれしいですね。多分皆さん気軽に感じてくれてるなのかな。性格的なこともありますが、僕あまり敬語を使わないので。かっちりとしたスーツを着て、この人偉いんだろうなという方には最初だけ敬語を使うのですが、どうもぎこちなくて。話しているうちにどんどんいつもの感じに戻っちゃってます(笑)。

漫画の主人公に憧れて整形外科の道を選ぶ

患者さんを診断する上で、気をつけていらっしゃることはありますか?

長谷川伸一院長 はせ整形外科せぼねクリニック3

きちんと患者さんの訴えを聞くようにしています。正確な診断をするために、全身型骨密度測定器や以前在籍していた名鉄病院に依頼されることもあるくらい解像度の高い1.5テスラのMRIを導入しています。それでもやはり大切なのは、「身体所見」。足を動かしてもらったり感覚を調べたり、腱の反射を調べたり。昔でいう「触診」とかそういうことが一番大事だと思っています。

先生はなぜ医師になろうと思われたのですか? また、その中でも整形外科を選ばれた理由も教えてください。

実家が接骨院を営んでおり、昔はクリニックで理学療法士をしていました。そこの院長のお宅にあった外科の医師が主人公の漫画を読んで憧れたのがきっかけです。最初は漫画のように無免許でできると思っていたのですが(笑)。とにかくオペをしたかったので、外科か整形外科の選択しか考えられませんでした。今はそうではないかもしれないですが、外科はがんを見つけたら切って取りますよね。一方、整形外科は悪いところを切って取るのではなく患者さんをもとに戻すのが基本的な考え。そこに魅力を感じ、最終的に整形外科に決めました。

すると、治療の中心はやはり「手術」なのでしょうか?

長谷川伸一院長 はせ整形外科せぼねクリニック4

手術というのは経験を重ねないと上手にならないので、最初の頃はとにかく手術をやりたい、手術をしない患者さんは来なくていいとまで思っていた時期がありました。しかしさまざまな経験を積むうち、手術以外にもできることが増えてきたんです。また患者さんの多くが「良くなりたい。けれど手術は嫌」と思っていることもわかってきました。それならそうするのがいいかなと思うようになったんです。「絶対手術はしないで治す」とは言うつもりはありませんが。例えば他の病院に行って検査し、即手術と言われ相談に来られた方がいるとします。今までの治療内容を聞いて、残りのやれることをいくつか当院でやってみることをご提案します。保存的治療で何とかなる部分は何とかして、最終的にどうしても手術が必要ならしかるべきところを紹介します。やはり体に負担のかからないことから順番にしていって、それで改善に向かえばそれが一番だと今は思っています。

クリニックを中心に、「元気」の輪が広がるように

患者さん目線だからこその方向転換ですね。具体的にはどのような治療を受けられますか。

長谷川伸一院長 はせ整形外科せぼねクリニック5

筋膜(筋肉と筋肉の間の膜)が硬くなっているのが原因で、腰や首の痛み、肩こりなどに悩まされている人がいます。その状態による痛みを緩和するために、よく「トリガーポイント注射」をやっています。昔からある治療法ですが、例えば以前は「ここを押したら痛いね」といってブスッと打っても、それって要は表面的にここがという大まかな場所を言っているだけで深さまではわからない。それを今は超音波で深さまで確認しながら、まさにピンポイントで打つことができるようになりました。

今後の目標をお聞かせください。

健康寿命を延ばすために利用してもらえるようなクリニックにしたいです。患者さんもスタッフも、近所に住んでいる人も、「このクリニックの周りの人は、なぜかみんな元気だ」と言ってもらえるような場所にしたい。もしかしてあのクリニックに行ってるから元気なのかなと、そこから自然と輪が広がっていくようになるのが理想です。余談ですが、休日も僕はここにいるんです。ランニングをしてそのまま当院でトレーニング。患者さんに動け動けと言って、自分は動かないわけにはいかないですから。健康寿命を延ばすためにも、頑張っていますよ(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

長谷川伸一院長 はせ整形外科せぼねクリニック6

実は日本は、骨粗しょう症の治療が遅れているといわれています。予防的な治療をしないで、どこかが骨折してから治療を始める。みんなワンランクもツーランクも日常生活のレベルが落ちてしまってからの治療のスタートになる。男女とも寿命と健康寿命が10歳くらい違うのですが、理由はそういったところにあると思います。生きてる間は、できる限り元気でいるのが一番。骨粗しょう症に限らず、とにかくちょっとでも気になることがあれば早めに来てほしいと思います。ここで必要な検査があれば対応しますし、検査が必要ない場合でも「こういうことを気をつけたらいいよ」といったアドバイスはできます。悪くなってからでは当然時間もお金もかかりますので、早めに治療をするなり生活指導を受けるなりするのがいいと思います。年だからとか、若い方でも疲れているからかなと放置したりせずに、まずは気軽に足を運んでください。

Access