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伊藤 理恵 院長の独自取材記事

上社眼科

(名古屋市名東区/上社駅)

最終更新日:2019/08/28

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名古屋市名東区の住宅地に立つ、白くすっきりした外観の「上社眼科」。小児眼科を標榜することから、患者の半分以上が子どもたちだ。とはいえ院長の伊藤理恵先生は勤務医時代、白内障や緑内障、糖尿病網膜症などの診療、手術に従事してきたスペシャリストでアレルギー治療にも対応。家族そろって受診する患者も多い。眼科の医師をめざすきっかけとなった地元の「てきぱき治療を進める憧れの女性医師」のように、現在は自身がてきぱき、笑顔で患者に接している。自宅に帰れば元気な男の子2人のママでもある伊藤院長に、子どもの目の病気について、同院の特徴や心がけなどについて話を聞いた。
(取材日2016年11月21日)

東海圏では医師が少ない斜視の治療にも注力

どんな患者が来られるのか、また医院の特徴について教えてください。

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2016年2月の開院当初は患者さんのほとんどがお子さんでしたが、次第に親御さん、おじいちゃんおばあちゃんとご家族で来ていただけるようになって頂いています。ドライアイや白内障、加齢黄斑変性、アレルギーなどさまざまな症状の方が来られますね。私は網膜硝子体疾患や糖尿病網膜症の勉強をした上で、斜視の勉強もしてきましたので、斜視の方も多いです。東海圏には斜視を診る医師があまりいなく、他院で「斜視は個性だから」と言われた方や「気になっていたが近くに病院がなかった」という方、セカンドオピニオンを求めて来られる方もあります。お母さんが気づいていないケースもあって、こちらが「斜視がありますよ」と指摘することもあります。

斜視だとどんな問題がありますか? また治療法は?

子どもの運動能力の発達には大きな影響がありますね。動体視力が良くなく、両目で見る力がないので、プロのスポーツ選手をめざすとしたら、運動能力の獲得に大事な時期である6~9歳頃までには治さないといけません。当院は寄り目をするなど自宅でできる訓練を指導させていただいており、訓練を繰り返すことで、また成長によって治る子もいます。症状によっては手術が必要になることもありますが、斜視は手術前の治療プランが非常に重要なんです。手術では目の周りの筋肉をずらすので、その筋肉の量をしっかり決める必要がありますが、子どもは日によって筋肉のずれの幅が変動するので、約1年半の間、毎月1回検査を行い、数値を見極めてから手術を行うのです。現在プランを立てている患者さんは2~3歳から大人の方です。

お子さんを診察するときに気を付けていらっしゃることは?

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小児科の先生と一緒で、怖がらせないということですね。例えば白衣を脱いで診察をするとか、私が待合室に出てきて、診察室でなく、お母さんに抱っこしてもらってお子さんを診察するなどです。待合室のモニターには、無声でも楽しめるアニメを流しています。スタッフは視能訓練士が4人で、パートも入れて11人。小学生の子どもがいる私も含めて子育て経験者が多いので、みんな優しいですし、子どもの扱いに慣れていますね(笑)。プロとしての技術はもちろん、患者さんへの説明も上手だと思います。

子どもの目の病気は早期受診、発見が重要

子どもの目について、親が注意しなければいけないことは何でしょうか?

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赤ちゃんの頃は、目が白くないか、つまり白内障でないか、ということに注意してください。先天白内障の場合、6ヵ月で手術をしないと一生視力が出ないのです。斜視については目が内側に寄っていないかどうかを見てください。1歳で斜視があると、立体的に物を見る力が弱くなり、細かい物を見ることが難しくなる場合もあります。お母さんが目が何か変だなと思っても周りの人が「小学校になってからでいいんじゃないか」とか「小さい子にはよくあるのでは」と言ったりして受診が遅くなってしまうこともあるので、気になったら早めに受診していただきたいですね。

なるべく小さいうちの受診が大事なんですね。

視力は2歳で視力は0.4~0.6ぐらい、3歳で0.6~0.8ぐらい、4歳になって大体1.0~1.2ぐらいです。運転時が0.7の視力でできるように、それぐらいあれば普通の生活はできるので、視力の異常に気づくのはなかなか難しいかもしれません。ですから3歳児健診をきちんと受けることは非常に大事ですね。人は成長の段階で、その時期に適した能力が発達する感受性期がありますが、視覚の機能の場合は4~5歳で非常に発達します。その頃までに立体的に物を見る力や二つの目を使って見る力を獲得しないと、それ以後は脳が反応せず、能力として身に付かなくなってしまいます。

検査機器も先進のものをそろえられており、小手術もこちらで可能なのですね。

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まず、1台で眼底写真・OCT・蛍光眼底造影検査、眼底自発蛍光検査を行う機器があります。眼底写真やOCTでは網膜の状態を診て、加齢黄斑変性や緑内障、糖尿病黄斑浮腫などを発見できます。蛍光眼底造影検査は網膜の血液の循環を見る検査です。最近増加している加齢黄班変性も眼底自発蛍光検査もOCTと合わせて経過を診ることが出来ます。またお子さんに多い円錐角膜という病気や乱視の強いお子さんを診るための角膜形状解析ができる機械もあります。斜視を調べるには私や視能訓練士がライトを当てて眼位の検査を行いますが、これは他院ではあまりやらないと思います。手術については、目の中の皮膚(結膜)のたるみやしわを取る結膜弛緩症手術や黒目に侵入する結膜を取る翼状片手術、涙管閉塞の場合に行う涙管拡張術などは当院で日帰りで行っています。難しい症状は適宜、専門の病院をご紹介し、その手術には私が参加することもあります。

「自分が受けたい治療」を地域のために今後も実践

「患者さんには自分が受けたい治療を」と心がけておられるそうですね。

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お世辞にも、私は学生時代いわゆる優等生ではありませんでした。勉強をする目的意識が見出せなかったんです。そんな時、自分の為の目的で、目的が見出せないなら、人の為に自分を役立てるという目的を持とうと考えの逆転をしてみたんですね。それで人のためになる医師になろうと思ったんです。だから今、自分が受けたい治療を患者さんにしなければ医師になった意味がありません。そこは妥協したくないと思っています。研修医時代に、本当にこの治療でいいのか常に妥協せず考え抜く先生がいらして、その影響を受けたことも大きいですね。また、「~の病気の気(け)がありますね」という曖昧な言い方はせず、「将来こういう病気が出てくる可能性があるから検査しましょう」など確かな情報を患者さんにお伝えするよう心がけています。

素晴らしい先生方に出会われたのですね。

そうですね。医学生を終えて、最初に出会った、今も尊敬している先生からは患者さんへの接し方を学びました。いつも穏やかで、まずは「キャッチ」、患者さんの話を受け止めることを大事にされていました。ですから私も、問題点が病気にあるのか生活背景にあるのか、そこまで含めて聞く姿勢を実践しています。例えば「目が疲れる」と来院されても、歯ぎしりや肩こりなど体の状態が原因のこともあるので、目自体に問題がない場合でもいろいろ伺っています。ただ、そうすると時間がかかり、他の方をお待たせしてしまうのが悩みなんです。

先生の生まれ育ったこの地域で、今後どのような医院にしていきたいとお考えですか?

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当院は「目と体全体を両方ケアする」ことをモットーとしています。目は体のさまざまな病気や「未病」といわれる状態を反映することも少なくありません。ですから近隣の内科のクリニックや病院とも連携しています。個人的に電話してすぐ聞ける先生もいるのでありがたいです。またいずれは、勉強を続けている漢方を取り入れた治療もしていきたいですね。私は小中学生の頃、近くの眼科医院で女医さんに診ていただいており、てきぱきと治療を進める姿が子ども心に格好よく、その方に憧れて眼科を選んだんです。当院も、その先生の医院のように地域の皆さんに安心、信頼していただける存在になれたらと思っています。

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