本当に抜かなければダメ?
親知らずの抜歯前に知っておきたいこと
横浜駅西口歯科
(横浜市神奈川区/横浜駅)
最終更新日:2024/01/30
- 保険診療
第三大臼歯、智歯(ちし)と呼ばれる親知らず。一番奥に生えてくる永久歯で、生えてこない人がいる一方、横向きに生えてしまい歯茎の炎症を起こしたり、磨きにくいために虫歯になりやすかったりと、口腔内トラブルの原因の一つとして知られる。そうした中、親知らずの抜歯を専門的に行う「横浜駅西口歯科」では、患者のライフスタイルに応じた抜歯治療を心がけているという。大橋豪院長は「親知らずの抜歯は、本当に抜かなければならないのか、痛いのではないかなど不安を感じる患者さんがほとんど。だからこそ患者さんの治療タイミングを待つことも重要」と話している。そんな大橋院長に親知らずを抜歯する理由など、治療を受ける前に知っておきたいことを詳しく聞いた。
(取材日2024年1月5日)
目次
親知らずの抜歯は、症状がなければライフスタイルに合わせた処置が可能
- Q親知らずを抜歯する理由について教えてください。
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A
日本の現代人は食事の欧米化などによって顎が小さくなり、親知らずがしっかりと生えきらず埋まったままでいるケースも増えてきました。上下が噛み合っていれば抜かなくても大丈夫ですが、少し歯が出ている状態や横向きに生えていると歯茎が腫れやすく、歯ブラシが届きにくいために虫歯になるリスクも。適切に生えていなければ治療も難しくなり、何度も炎症を繰り返し、抜歯という選択を取ることになってしまいます。抜歯時期としては20代がお勧めです。理由としては、骨がやわらかく、難抜歯になりにくいということが挙げられ、神経麻痺などの併発症リスクも低いというデータもあります。
- Q抜かない方法はあるのでしょうか?
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A
先ほどお話ししたように、しっかり生えて上下が噛み合っている状態であれば抜かずに過ごして問題ないのですが、患者さん自身が痛みを感じていたり、歯茎の腫れが続いていたりすれば抜歯を意識することになります。変な方向に生えてくれば、食事のたびに頬を噛むことも、舌を傷つけることもありますからね。また定期的にメンテナンスを受けていると、エックス線検査で親知らずの存在に気づき抜歯を勧められるケースもあります。矯正のタイミングで勧められることもあるでしょう。とはいえ、ほとんどの方は抜歯に怖い、痛いというイメージがありますから、治療には患者さんのタイミングも重要。お気持ちが固まるまでは様子を見ることも可能ですよ。
- Q抜歯の際、全身麻酔は必須なのでしょうか?
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A
当院では基本的に局所麻酔を施してから抜歯を行います。全身麻酔による治療を希望される方もいますが、安全面などの観点から日帰りの治療では対応が難しく、当院では実施していません。どうしても恐怖心が強い、嘔吐反射があるという方には、点滴による静脈内鎮静法や笑気麻酔という方法もあります。患者さんは痛みに対して恐怖を持つ場合が多いので、局所麻酔の注射を打つ前には歯茎に表面麻酔を塗るなど、なるべく痛みの少ない麻酔を心がけています。当院に在籍している歯科医師の多くは口腔外科出身ですから、麻酔に関する経験も豊富。安心して治療を受けていただけると思います。
- Q難症例にも対応しているそうですね。
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A
親知らずの抜歯については、特に下の歯の場合は神経と近い、あるいは神経とくっついているケースが難症例と見られがちですが、丁寧に処置すれば基本的に問題ないことのほうが多いんです。実はそれよりも親知らずの埋まり方、生え方によって抜歯が難しいことはあります。隣の歯とくっついていたり、根の形が複雑であったり。とはいえ口腔外科でキャリアを重ねた経験豊富な歯科医師が治療を行いますから、ほとんどの症例には対応できます。ただ、嘔吐反射が強すぎる場合、あるいは親知らずの周りに別の病気がある場合については、当院での抜歯が難しいこともあります。
- Q相談だけでも受診して良いのでしょうか?
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A
もちろん大丈夫です。抜歯の決心がついていない状態で「ほかのクリニックで抜歯と言われたけど、本当に抜歯しなければならないのか」と相談にいらっしゃる方もたくさんいます。受診したからといって必ずしも抜歯をしないといけないわけではありませんし、診断結果や抜歯のメリット・デメリットなどの説明を聞いてから検討していただいて構いません。すでに親知らずが虫歯になっていたり、何度も歯茎が腫れていたりする場合は、早めに抜歯が必要なケースもありますが、中にはチェックした上で抜歯しなくても問題ないという結果になる方もいらっしゃいますので、まずはお気軽にご相談ください。