山田 豊 院長の独自取材記事
みなみ歯科クリニック
(横浜市都筑区/センター南駅)
最終更新日:2023/06/07
大型のショッピングセンターがあり、常に多くの人でにぎわいを見せるブルーライン・センター南駅。駅から徒歩4分の場所に、2016年4月に歯周病専門クリニックとして開業したのが「みなみ歯科クリニック」だ。「いくら歯を治療しても、その土台である歯肉が歯周病などにかかっていては意味がありません。口腔内の環境を整えることで健康寿命を増進させ、そのことで地域に貢献することをめざして、大好きなこの街に開業しました」と、山田豊院長は開業の動機を語る。インテリアや治療環境、そしてロゴのデザインまで自ら積極的に関わってつくり上げたというクリニックの詳細や、地域医療にかける思いについて話を聞いた。
(取材日2016年5月10日/情報更新日2022年5月2日)
自分の好きな街に医療という形で貢献していきたい
先生のご経歴を教えてください。
開業する前は大学の附属病院に籍を置きながら、非常勤としてさまざまなタイプの歯科医院でも診療経験を積んでいました。その中で16年ほど前に、沖縄の離島の無医村に1ヵ月間赴任した経験があるんです。その経験を通じて地域医療の大切さを痛感し、いつかは自分も歯科医師として地域医療に貢献したいという思いが強く芽生えました。その時から時間はかかりましたが、日本歯周病学会歯周病専門医の資格を得て、ちょうど大学の助教という立場も満期を迎えたこともあり、独立するにはいいタイミングだと思い、2016年に開業を決断しました。
この場所に開業された理由をお聞かせいただけますか。
当院がある都筑区というのは、実は整備された緑道が多い街なんです。私の趣味はマラソンで、東京マラソンなどにも参加しているほどなのですが、家から近いということもあり、日頃からその緑道をよく走っていました。地域医療を実践するなら自分の好きな街でという思いもあり開業に適した場所を探していたのですが、場所的にも入居できる時期的にも運良く希望の物件を見つけられたことが大きな理由ですね。
待合室も診療室も非常に明るくてとても居心地の良い空間ですね。
患者さんの10年、20年先を見越した歯科医療を提供したいと考えているので、全体の雰囲気として、カフェや海辺のリゾートのように気軽に立ち寄れて快適に過ごせるクリニックをめざしました。実は当院のロゴも、私自身がさまざまな思いを込めてデザインしたものなんです。このクリニックが入居しているビルはフランス語で太陽やヒマワリという意味を持つソレイユという名称なので、ロゴにはクリニックの頭文字を合わせつつ、サーフボードの形にも、ヒマワリの種の形にも、あるいは歯にも見える形にし、その周囲には波を模したデザインを配し、その中に歯の本数である32個の点をつけました。よく見ると真南にあたる場所にある点だけ大きくするなど、小さな工夫もしているんですよ(笑)。その他にもクリニック内に置かれた鏡も、サーフボードにもヒマワリの種にも見える形の物にしたり、BGMをハワイアンにしたりするなど、随所に遊び心を取り入れました。
歯周形成など専門性の高い治療も提供
現在の診療内容を教えていただけますか。
一般歯科、口腔外科、予防歯科、審美歯科、インプラント治療などにも対応していますが、一番力を入れているのは、私の専門でもある歯周病治療です。歯周病治療と一口にいっても、いわゆる歯周病を治療するだけではなく、審美性にも配慮しながら歯茎の不ぞろいを整えて歯周病予防につなげる歯周形成、進行した歯周病などが原因で失われてしまった歯槽骨の再生を行う歯周組織再生療法といった高度な歯周外科も手がけています。また、インプラント治療を行う際にも、まずは歯周病治療を行います。歯周病の治療をせずにインプラントを入れてしまうと、インプラント周囲炎になってしまうこともありますので、まずは専門の知識と技術を持って、歯周病をしっかりと治療することを大切にしています。さらに、専門知識に基づき歯周病の早期発見と予防の重要性の啓発にも力を入れています。
診療室の様子や院内の医療設備についてご説明いただけますか。
半個室型のユニットが2台と、主にインプラント治療や口腔外科的処置を行う際に利用する、完全個室タイプのユニットが1台あります。医療設備の面で一番こだわっているのは、やはり衛生環境です。口腔外バキュームはコロナ禍以前より導入しているほか、治療器具を徹底洗浄・除菌できる洗浄機、クラスBの滅菌装置も採用しました。ユニットには給水管そのものを洗浄するシステムを導入し、常に清潔な水を供給。そのほか、高性能の空気清浄機を受付と各ユニットごと、合計4台設置しています。こうした衛生環境の徹底は、院内感染を防ぐという視点はもちろんですが、医療従事者自身を感染から守るという観点からも非常に重要なことだと考えています。また、インプラント治療を中心とした口腔外科的処置も行うため、低被ばくで顎全体の撮影が可能な歯科用CTも設置しています。
患者さんへの治療内容の説明にも工夫をされているようですね。
ユニットの前のモニターには、エックス線撮影写真を映し出すだけではなく、具体的な治療内容について説明する動画を流して活用しています。いくら患者さんにわかりやすい言葉で十分に治療内容について説明していますといっても、やはり言葉だけではわかりにくい部分もあると思うんですね。そこで動画を使って説明することでわかりやすいだけではなく、時間の短縮にもつなげています。
10年、20年先を見越した歯科治療の実践を
患者さんと向き合う際に、大切にされているのはどのような点でしょうか。
患者さんの話に耳を傾けるという点ですね。大学病院で若手を指導する立場にあったので彼らにもよくアドバイスしていたのですが、患者さんがどんな症状を抱えていて、治療のどこに不安を感じているのかといった点を十分に引き出さなければ、いくら説明を重ねても患者さんが本当に知りたいことにたどりつけないんです。また、スタッフに対する言葉遣いにも十分に注意しています。周囲のスタッフに対する歯科医師の態度は患者さんにも伝わるもの。場合によっては「怖い歯科医師」という印象を与えてしまいかねませんので、当院ではそうした点にも配慮していきたいと考えています。
歯科医師になられたきっかけを教えていただけますか。
私自身、実は3代目の歯科医師なんです。ただ、祖父と父の専門は矯正歯科でした。私も補綴についての勉強なども重ねてきたのですが、結局どんな治療を行っても、歯の土台となる歯周組織が健康でなければ結局いつかは自分の歯を失う結果となってしまいます。そこで歯周病治療についての研究、臨床経験を深めました。
今後の抱負をお聞かせください。
先程10年、20年先を見越した歯科治療の実践というお話をしましたが、一人の患者さんの口腔内の環境を末永く見守っていくということは、治療した箇所が再発していないか、治療後の不具合は起きていないかなど、結果として自分自身の治療の評価を目の当たりにすることにつながりますから、結果として一つ一つの治療により真摯に向き合う動機づけにもなります。しっかりと治療をし、その後継続した予防治療を徹底することで、治療に通うためのクリニックというよりは、予防のために通うクリニックになることが理想ですね。また、最近は口腔内の環境が健康寿命に直結することが知られてきましたが、患者さんの口腔環境を守ることで、ひいては地域の健康寿命の増進に貢献していきたいと考えています。
読者の方にアドバイスがあればお願いします。
歯周病予防には日々のケアが大切です。ですからブラッシングの方法についても、一度しっかりと専門家の指導を受けることで、正しいプラークコントロールの方法を身につけるようにしてください。また、生涯にわたって自分の歯で食事を楽しむためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。コロナ禍の影響で受診を控える方もいらっしゃいましが、継続して受診してこそ発見できることもあります。当院では治療をして終わりではなく、その後のフォローも含めて末長いお付き合いができればと考えています。衛生環境への配慮も徹底しておりますので、将来を見据えて今からきっちりと口腔内の環境を整えておく意味でも、気になることがあれば気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは審美歯科/セラミッククラウン:9万7200円~、ジルコニアクラウン:12万9600円~、インプラント治療/43万2000円~