荒木 正 院長の独自取材記事
亀戸内科クリニック
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2025/04/07

亀戸駅北口から徒歩2分の「亀戸内科クリニック」。院内はブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気で、バリアフリーになっている。院長を務める荒木正先生は、大学病院で心臓カテーテル治療や、ペースメーカー治療を数多く経験してきた循環器内科のエキスパート。内科全般はもちろんのこと、高血圧や不整脈、狭心症といった心臓病、糖尿病などの診察を行っている。医学博士のほか、日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医としての知識とスキルを生かし、「患者さんのお話を丁寧に聞きながら、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療を提供したい」と話す。そんな荒木院長に、同院の診療の特徴や、心がけていることなどを聞いた。
(取材日2025年2月21日)
循環器内科の専門家とかかりつけ医、二役を担う
こちらの医院の特徴をお聞かせください。

専門である循環器内科を中心に、風邪や胃腸の不調、睡眠時無呼吸症候群、生活習慣病といわれる糖尿病、高血圧症などの診察をしています。同じ病気でも、患者さんによって生活環境や性格、嗜好はそれぞれです。お一人お一人と丁寧にコミュニケーションを取りながら、オーダーメイドの治療を提供することを心がけています。患者さんの急な発熱や、体調に不安を抱えたときに、少しでも早く安心していただけるように、診察の予約制は取り入れていません。順番制なら、患者さんが思い立ったときに受診できます。そんな状況を保ち続けることが大切だと思っています。また、当院は大通りに面したビルの1階にあります。バリアフリーですので、車いすやつえをお使いの方もスムーズに移動できるようになっています。
どのような患者さんが多いのでしょうか?
20代から80代まで、幅広い年齢層の方が受診なさっています。風邪や胃腸の不調、花粉症など内科の方が半数ぐらいですね。急に発熱した方には、待機場所をわけるといった感染対策をしながら対応しています。生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧症の方も多いです。何となく調子が悪い、だるさが取れないといった症状で来院されて、糖尿病だったとわかる場合もあります。また、私は循環器内科が専門ですので、不整脈や狭心症、健康診断で心臓の異常値を指摘されて受診なさる方もいらっしゃいます。どんな病気でも、早期発見と治療がとても大切です。地域のかかりつけ医として、何となく調子が悪いなと思ったら、気軽にご相談いただければと思っています。
院内の設備にはどんなものがありますか?

電子決済システムを導入して、患者さんの待ち時間を少しでも減らすよう努めています。受付での会計も選択できるようになっていますが、一度電子決済システムを使ってみようと思う方が多いですね。操作方法がわからない方には、スタッフが笑顔で丁寧にお伝えしていますので、2回目からは患者さんご自身で使えるようになっていらっしゃいます。また、空気清浄機などを設置し、院内の感染症防止対策も行っています。診察面では、心電図超音波検査や自動体外式除細動器などを備えています。不整脈が起きているかを調べるホルター心電図という検査があるのですが、通常は24時間装着、脱着、検査結果の通知と3回の通院が必要となります。当院では、私が解析して結果をお伝えしますので、2回の通院で済みます。
患者の話を丁寧に聞き、オーダーメイドの治療を提供
大学病院の循環器内科では、どんな経験を積まれましたか?

東邦大学医学部を卒業後、大学病院や総合病院などで、心臓カテーテル手術やペースメーカー治療の分野で研鑚を重ねました。日々全力で患者さんと向き合う中、検査のために何度も大学病院に足を運び、検査結果が出るまでさらに1週間近く待つ方が多数いることが気になっていました。患者さんの通院回数を減らせないだろうか。少しでも早く検査結果をお伝えして、不安を抱える時間を短くできないだろうか、と思っていました。また、糖尿病が悪化すると、心臓病に罹患する確率が上がります。そうなってしまった方を治療しているうちに、「このままだと将来、心臓病になるリスクが高くなります」とお話しさせていただく予防のサポートが大切だと考えるようになりました。
その経験から、糖尿病の治療にも注力していらっしゃるのですね。
糖尿病といっても、患者さんの環境はさまざまです。家族で暮らしているのか、一人暮らしなのか。年齢も、生活リズムも違いますので、ライフスタイルに合わせた治療法を考えています。糖尿病は食事管理を行うのですが、食事は子どもの頃からの習慣ですから、変えるのは難しいんです。そのため、私が今まで関わってきた症例で、心臓病にまで至ったケースがあるから、このぐらいの数値を目標に頑張ってみましょうとお話しすることもあります。当院では、糖尿病の診断に必要な検査が院内で実施可能となっており、5分ほどで結果を出せます。検査結果をお知らせするまでのタイムラグがありませんので、その日に食べたものが体にどんな影響があるかを説明して、無理なく食生活を振り返ることができるようになっています。
患者さんと接するときに心がけていることはありますか?

患者さんは、それぞれ悩みを持っていらっしゃるので、診察時に打ち明けてもらえるような雰囲気をつくるよう努めています。何に困っていて、この後どんなふうにしたいのか。思っていることや、抱えている不安などを話してもらうには、患者さんが話す時間を多く取って、私が話をさえぎらないことが大切です。患者さんが言いたいことは全部話せたと思えるぐらい、丁寧にお聞きすることを心がけています。また、目標がある方とは、達成できる方法を一緒に考えるようにしています。以前、糖尿病の患者さんで、体に良くないのはわかっているけれど、食べ慣れたコンビニ弁当をやめたくないという方がいらっしゃいました。それならコンビニ弁当を食べるのはお昼にして、夜は白米を抜いてみましょうかと提案。今の数値と1ヵ月後の数値を見て、また一緒に作戦を立てることにしました。制限するだけでなく、一緒に考える姿勢を大切にしています。
話しやすい雰囲気で、患者の心身ともにサポート
医師を志したきっかけを教えてください。

両親が薬剤師、親族の多くが医師という環境で育ちました。医療が身近だったので、兄は歯科医師に、姉は薬剤師になっています。私自身は、保育園時代に小児喘息になり、かかりつけの病院に通うのが日常でした。その影響もあり、小学校卒業時には医師になると決めていました。
休日はどのように過ごされていますか?
食事と運動の探求をしています。患者さんに対して説得力を持たせるためには、私が健康とスリムな体型を維持することが大切ですよね。運動はマラソンをしていて、半年に1回ハーフマラソンに出場しています。登山も趣味の一つで、夏の富士山に登るのが恒例ですね。食事ではファスティングを試したり、糖質制限をしてみたりして、それを経験談として患者さんにお話しすることもあります。食事は人生の楽しみの一つですから、糖尿病の患者さんの食事の選択肢を増やせたらいいなと思い、おいしいチーズやナッツを探したりもしています。先日は、患者さんから「先生は普段何を食べているのですか?」と質問されて、当院から近いコンビニで売っていたサラダチキンがおいしかったですよ、とお勧めしました。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

いつもと違う体調だったり、健康診断で数値が引っかかったりすると、不安になる方が多いと思います。どこに不調の原因があるのかわからない状態でも受診してみようと思っていただけるように、気軽に相談できるクリニックでありたいと考えています。私の専門の心臓病や糖尿病は、何となくだるい、疲れやすいといった症状から始まることもあります。内科はもちろん、生活習慣病の予防として、禁煙治療や睡眠時無呼吸症候群にも対応しています。どんな病気も早期発見と治療が大切ですので、いつでもご相談ください。