濱 健太郎 院長の独自取材記事
ゆずる葉歯科
(世田谷区/用賀駅)
最終更新日:2024/06/21
2015年の開業以来、子育て世代を中心に幅広い患者に親しまれている「ゆずる葉歯科」。用賀駅より徒歩2分、大きな窓から差し込む光があふれる院内では、濱健太郎院長が患者一人ひとりに寄り添う診療に力を注いでいる。「永久歯の虫歯ゼロ」を掲げ、子どもと大人の予防歯科にも注力。「将来的には治療ではなくメンテナンスだけで済むような歯科医院でありたいですし、この地域での歯の治療は必要ないと言える存在になりたいです」と語る濱院長に、診療ポリシーや予防歯科の重要性、今後の展望など豊富な話題で語ってもらった。院名の由来であるレプリカのゆずり葉が遊び心たっぷりに置いてある院内の優しい雰囲気のように、診療への想いを語る濱院長からは患者を想う優しさが十分に伝わってきた。
(取材日2021年5月26日/情報修正日2024年6月10日)
患者目線を大切に、居心地の良いクリニックをめざして
内装の雰囲気や設備面も充実されていてこだわりを感じますね。
私自身、幼い頃から歯科医院にお世話になることが多く、ずっと怖いイメージを持っていました。なので、まずは「歯科医院は気持ちいい、楽しい」と先入観を持ってもらえるように、設備面にこだわりました。例えば、マイナスのイメージを払拭したくて、カフェや美容室のようなエントランス、待合室を意識しました。壁に掛かっている「YUZURUHA」の看板は姉の手作りです。院内はベビーカーや車いすがスムーズに入っていけるよう段差をなくしました。キッズスペースは子どもたちに裸足でくつろいでもらいたくて、ふかふかの人工芝を敷いています。各部屋にあるモニターでは、親御さんに安心していただけるよう、キッズスペースにいるお子さんの様子を見られるようにしています。またそちらで好きな動画を流せるので、お子さんに退屈しないで待っててもらったり、治療の怖い気持ちを紛らわせることができるようにしています。
どのような患者さんが多いですか?
お子さんの来院がきっかけとなり、親御さんの予防歯科への理解が深まったり、おじいちゃんやおばあちゃんの治療につながったりと、ご家族の皆さんにお越しいただいています。ご家族全員で予防に取り組んでいただけるようになることが私の理想なので、診療ではご家族で実践していただけるような知識をお伝えするように努めています。また、初診の患者さんにはしっかりとお話を伺い、口腔内の状況を精密に把握した上で、患者さんに説明することを徹底しています。そのため時間がかかってしまい、場合によってはお待たせしてしまうこともあるかもしれません。しかし、患者さんの心にしっかりと寄り添っていくためにもカウンセリングの時間は大切にしていきたいので、今後もご理解いただきながら診療を進めていければと思っています。
診療ではどのようなことを大切にされていますか?
患者さんにもやもやした感情を残したまま帰ってほしくないので、しっかりと納得していただける説明を大切にしています。今後起こる可能性のあることや食事時の注意点、治療内容に関してなど、丁寧に説明するように心がけています。説明の中でも「うやむやにしない」が私の主義であり、患者さんにご説明するツールとして、光学式う蝕検出装置を導入しています。これは虫歯の深さを数値化することにより、目に見えない虫歯の進行度合いを評価することができるものです。数字には説得力があるので、患者さんの納得にもつながると思います。また、患者さん目線で不安なことなども感じ取れるように努めており、スタッフに対しても患者さんの細かな訴えに気づいていけるように日々伝えています。
家族全員で「永久歯の虫歯ゼロ」に取り組める体制を
予防歯科に力を入れているとお聞きしました。
そうなんです。「永久歯の虫歯ゼロ」をめざして、積極的に予防歯科を推奨しています。そのために、唾液検査などリスク検査も取り入れています。例えば、唾液検査では唾液の性質をチェックすることで、虫歯が多い理由など口腔内の状態をより詳細に知ることができます。患者さんには虫歯のリスクなどを知っていただいた上で、どのように治療していくのかをお伝えするようにしています。それと同時に、患者さんの飲食の管理も行っているのが特徴です。間食が多いと口の中が酸性になりやすく、それが虫歯の原因にもなり得るといったように、飲食習慣と口腔環境は切り離すことができません。当院ではチェックシートをもとに「何時に何を食べたか」などを具体的に把握し、食生活の改善も視野に入れた虫歯予防に取り組んでいます。また、現在は「フッ素洗口」にも力を注いでいます。
フッ素洗口について、詳しく教えてください。
歯科医院でフッ素塗布を行うだけでなく、毎日フッ素配合洗口液で口をゆすぐのが「フッ素洗口」です。特に歯の生え替わり時期のお子さんにお勧めしています。永久歯は未熟な状態で生えてくるため、虫歯になりやすいのです。フッ素やカルシウムなどを吸収しながら2、3年かけて成熟していくので、歯科医院での塗布だけではなく、家でもフッ素を取り込んでいくことで、歯の強度が高まることが期待できます。そういった習慣が大人になったときに、虫歯に強い丈夫な歯になることが望めます。また、歯は日々溶けてしまうので、大人の方でもフッ素洗口は効果が期待できます。ぜひフッ素洗口を試していただけたらと思います。
また、小児矯正についても教えていただけますか。
患者さん一人ひとりの状況やご要望に合わせたアプローチ方法を提案していますが、矯正をする場合は痛い思いもしますし、費用もかかります。そのため、歯並びを矯正する前に、小児のうちから正しい歯並びで生えるように、また噛み合わせの成育に重要な顎の発達を促すことに注力しています。そのために使用するのがマウスピース型装置です。これを使うと、舌や唇の筋力トレーニングができます。筋機能療法というんですが、本来あるべき成長を促していくので歯並びの変化にもつながります。こういった装置を使用して予防的なアプローチをしていくことも可能です。また、この方法においては、矯正歯科に比べて経済的な負担も少ないのが特徴だといえます。もちろん、より専門的な矯正治療が必要な場合は、矯正専門の歯科医師が対応しますので、安心してお任せいただけたらと思います。
「人と人とのつながり」を大切にしていく
歯科医師をめざされたきっかけを教えてください。
高校生で進路を決める時期に小学校のときの卒業文集を見たら、「将来は歯医者になりたい」と書いてあったんです。両親に相談したら応援してもらえたのでそのまま歯科医師をめざしました。実は、政治の道を志していた父は私が大学4年生の頃に不慮の事故で他界してしまったため、用賀に引っ越してきたという経緯があります。父のおかげで卒業させてもらったという思いと精神的につらい時期を用賀で過ごした分、歯科医師という職業とこの地には思い入れがあります。母と姉が私を支えてくれたのですが家計を助けたかったのもあり、卒業後はすぐに開業医のところで勤務医として働きました。同世代の歯科医師と比べて早くより実践的な研鑽を積んでいたので、多くの患者さんを診させていただいた経験が今の私の支えになっています。
院名に込めた想いを教えてください。
当院名の「ゆずる葉」の意味そのものが、私の診療ポリシーです。名前の由来はゆずり葉からきています。ゆずり葉とは、若い葉の成長を見届けてから古い葉が落ちて新しい葉と入れ替わる植物で、もともとはゆずる葉と呼ばれていたそうなんです。そして、ゆずるは私の父の名前。だから2つの意味を掛け合わせてこの院名にしました。まるで子どもの成長を親が見届けていくような意味合いを持つゆずる葉のように、お子さんの口の中の成長は親御さんにしっかり見届けていただきたいですね。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
これからも「人と人とのつながり」を大切に、患者さんに「ここにまた来たい」と思っていただけるようなクリニックをめざしていきたいです。また、歯の健康を守る理想論をいえば、「1日3食でお茶かお水しか飲まないでください」と簡単な話かもしれません。しかし、100人いれば100通りの生活があります。患者さんの生活習慣の中で可能な範囲を見つけ、レベルを上げていきながら再発しないよう予防に力を入れていきたいです。将来的には、この地域で歯の治療は必要ないと言えることを目標に日々の診療を続けていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/33万円~、歯列矯正/6万6000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/3万3000円~(別途検査料が必要になります)、ホームホワイトニング/上下16500円~、オフィスホワイトニング/1本2200円~、唾液検査/1100円~
※症例によって費用が異なります。詳細はクリニックにお問い合わせください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。