循環器内科に行くのはどんなとき?
受診すべき疾患や症状を知ろう
永井循環器内科医院
(坂出市/坂出駅)
最終更新日:2024/10/21


- 保険診療
「循環器内科」とは、どのような病気を診る診療科なのか。どんな症状があるときに、受診すべきなのか? 一般的な内科と比べると、なかなかイメージが湧かない人も多いかもしれない。「胸がドキドキする、痛くなる、息が苦しくなるなど、胸の異変を覚えたら循環器内科を受診しましょう。不整脈や心臓弁膜症、狭心症、心筋梗塞など、循環器内科における疾患の多くは生活習慣病に伴う動脈硬化が原因ですので、血圧やコレステロール値や血糖値の異常を指摘された方も、相談に来ていただければと思います」と、「永井循環器内科医院」の永井正浩院長は話す。日本循環器学会循環器専門医として、幅広く豊富な診療を経験してきた永井院長に、循環器内科で診られる疾患や症状、また同院で行われる検査や心臓リハビリテーションなどについて、詳しく聞いた。
(取材日2024年9月3日)
目次
充実した検査体制で疾患の早期発見に貢献。さらに先進のリハビリで再発予防を促す
- Qそもそも循環器内科とは、どのような病気を診るところですか?
-
A
▲循環器内科クリニックの役割について語る永井院長
全身に血液を循環させる器官、つまり心臓と血管の病気を診るのが、循環器内科と呼ばれる診療科です。病名で言えば、年齢とともに発症率が上昇する不整脈や心臓弁膜症、それから狭心症や心筋梗塞に代表される虚血性心疾患、動脈硬化によって足の血流が悪化する下肢閉塞性動脈硬化症などが挙げられます。当院ではこれらの疾患を幅広く診療するとともに、生活習慣病である高血圧症・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病の3疾患を内服薬によって管理します。そうすることで、動脈硬化が進みにくい体づくりをサポートしながら、地域における心疾患の罹患者減少に努めること。それが、地域に根差した循環器内科クリニックの大きな役割だと考えています。
- Q受診が必要な症状やタイミングを教えてください。
-
A
▲気になる症状があれば早めにクリニックで相談を
動悸がする、胸が痛い、息が苦しい、脈が速くなりやすいなど、普段とは違う胸の症状があれば受診を検討してください。よく「狭心症や心筋梗塞は胸が痛くなる」といわれますが、糖尿病のような基礎疾患の有無や、性別によっても痛みの出方は変わる恐れがあります。「大したことはない」と思わずに、気になることがあればまず、相談していただければと思います。例えば就寝時に息が苦しくなる、座っているほうが呼吸が楽になる場合は心不全の疑いが強く、入院が迫られるラインに達していますので、速やかに循環器内科を受診しましょう。足が腫れていて、呼吸をするとゼーゼーするという方も、深部静脈血栓症や心不全が疑われるため注意が必要です。
- Qこちらでは、どのような検査を行うのでしょう?
-
A
▲心電図検査と心臓超音波検査は、欠かすことのできない検査
初診の方に必ず行うのは、心電図検査と心臓超音波検査です。心電図検査は狭心症や心筋梗塞、不整脈、心臓超音波検査は心筋梗塞や心臓弁脈症、心不全などの診断に役立ちます。不整脈が疑われる場合は発作の瞬間を捉えるため、心電図を24時間記録するホルター心電図検査を実施。発作の頻度が少ない方には、2週間分の記録が可能な小型の心電計をお貸しします。運動中の心電図を観察する運動負荷心電図検査や、胸部エックス線検査、血圧と脈波の検査にも対応可能です。総合病院のような、大がかりな治療設備のないクリニックの最も重要な役割は、適切な検査で疾患の早期発見につなげること。そう考えて、検査装置は十分な数と種類を確保しました。
- Qこちらでは、心臓リハビリにも力を入れていますね。
-
A
▲心臓リハビリでは、スリングセラピーなど先駆的な取り組みを導入
当院は香川県内では数少ない、心臓リハビリの実施施設です。開始から約10年が経過し、長期的なデータも蓄積されています。自転車型器具8台分の負荷を端末1台で管理するシステムなど、全国的にも早い段階から取り入れた設備が多く、つり下げ式のロープを用いた運動療法に関しては、現在でも、循環器内科での導入事例がほとんどありません。さらに全身に振動刺激を与えるプレート状のマシンや、近年、心臓リハビリとの関係性が注目されている呼吸器リハビリのトレーニング器具もそろえています。今後も継続的な心臓リハビリを通じて、心疾患の長期再発予防を図り、心疾患患者さんの日常生活・社会生活復帰を支援していきたいです。
- Qスタッフさんによるサポート体制について教えてください。
-
A
▲多職種で連携し、サポート。その先に患者の笑顔があると信じて
患者さんやそのご家族の相談相手となる看護師、心臓超音波検査を行う臨床検査技師、リハビリを指導する理学療法士、栄養指導を担う管理栄養士など、多職種のスタッフがそれぞれの気づきを生かした治療方針を提案しています。入院患者さんに対しては、退院前支援として理学療法士が患者さんの家を訪れ、階段の段差が高いようなら、リハビリに昇降運動を取り入れるといった具合です。また最近では、重度認知症のデイケアを担当する公認心理師が、心疾患患者さんと関わるようになりました。心疾患の患者さんは、うつ病を発症することが多いともいわれています。スタッフ全員が力を合わせて、多角的なアプローチで患者さんに笑顔を届けたいですね。