中野 信行 院長の独自取材記事
宇都宮腎内科皮膚科クリニック
(宇都宮市/東武宇都宮駅)
最終更新日:2025/06/27

「宇都宮腎内科皮膚科クリニック」は2015年に開院した複数の科を診療するクリニック。院長の中野信行先生は、大学病院で腎臓疾患、心臓疾患を専門に臨床経験を重ねてきた日本内科学会総合内科専門医。地域の人々の「最初の相談窓口」であり、「ずっと寄り添える場所」をつくりたいと開院を決めたという。総合内科専門医の中野院長が、一般内科と併せて透析治療にも対応。「血液透析センター」を併設し、継続的な医療を提供している。また、幅広い年代からニーズの高い皮膚科を診療していることも大きな特徴。日本皮膚科学会皮膚科専門医によるこまやかな診療を求め、近隣のファミリー層を中心に多くの患者が訪れる。「病気だけを診るのではなく、その人自身を知ることを大切にしている」という中野院長に、開業の経緯、診療方針などを聞いた。
(取材日2025年5月15日)
生活習慣病から腎臓・心臓疾患までトータルケアを提供
開院の経緯を教えてください。

私はもともと、栃木県内でも中核を担う基幹病院である獨協医科大学病院で勤務していました。そこから独立し、2015年4月に内科・皮膚科・透析治療を中心としたクリニックとして開院し、10周年を迎えました。大学病院で患者さんと向き合う中で「もっと早い段階から関わっていたら、違う選択肢もあったかもしれない」と感じることがあり、予防段階から継続的に支える医療を実現したいと強く思うようになりました。患者さんにとっての「最初の相談窓口」であり、「ずっと寄り添える場所」をつくりたい。そう考え、当院を開院しました。以前、この地域の医療機関から多くの患者さんをご紹介いただいた経験があり、その頃からの地域の先生方との連携が今の財産になっています。
大学病院では何をご専門にされていたのですか。
大学病院での臨床研修を終えた後、循環器内科の医局に入局しました。循環器内科というと心臓の疾患を診る印象があると思いますが、私が所属した獨協医科大学病院の循環器内科は、心臓と腎臓を体全体の循環器として専門的に診療する、全国的にもまれな診療科でした。心臓および腎臓の病気を患う患者さんは、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を抱えていることが多く、体全体をバランス良くマネジメントすることが必要になります。「全人的に診る」とも言えるその診療に医師としてとても魅力を感じ、必死に研鑽を積んできました。そして、一人の患者さんの治療を総合的にマネジメントしたいと考えたことが開業を決めた大きな理由です。腎臓病や心臓病は全身の健康に大きく影響し、その場限りの治療で完結できるものではありません。そのため、他職種のスタッフにも協力してもらいながら、こまやかな医療が提供できる場が必要だと思ったのです。
先生のご専門を生かした血液透析センターがあることがクリニックの大きな特徴ですね。

透析治療一つをとっても、血液透析だけでなく、腹膜透析やオンラインHDF、在宅血液透析、腎移植など、さまざまな選択肢があります。当院の血液透析センターでは、そうした多様な治療に対応できる体制を整え、患者さん一人ひとりの生活スタイルや価値観に合った方法を一緒に考えていくことを大切にしています。私は総合内科専門医として、また日本腎臓学会腎臓専門医・日本透析医学会透析専門医としての立場から、患者さんの経過を丁寧に診ていくとともに、透析に精通した看護師、臨床検査技師、臨床工学技士と連携しながら、チームで質の高い透析医療を提供しています。さらに、当院では管理栄養士による栄養指導や無料送迎といったサポート体制も整えており、患者さんの通院負担軽減にも力を入れています。現在では、たくさんの方が定期的に足を運んでくださっています。
肌の悩みを皮膚疾患の専門家がしっかりサポート
内科は院長先生がご担当されているのでしょうか。

はい。総合内科専門医として、私が内科診療を担当しています。院名に腎内科とありますが、高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病、胃腸炎、風邪、アレルギー、予防接種、健康診断など幅広く対応しています。特に、大学病院で私が専門としていた腎臓と心臓の疾患についても、もちろんご相談ください。
一つのクリニックで内科だけでなく皮膚科も受診できるのは、患者さんにとっては非常に便利ですね。
当院の皮膚科には、皮膚科専門医が2人在籍しており、専門性の高い診療を行っています。小さなお子さんからご高齢の方まで、さまざまな年代の皮膚トラブルに対応しており、内科と併せて皮膚科へのご相談も多くいただいています。また、かゆみなど、さまざまな皮膚のトラブルを抱える方が多く、当院ではそうした症状にも院内で連携して対応できる体制が整っています。在籍している2人の皮膚科医はいずれも女性で、子育て中でもあり、女性ならではの視点や細やかな配慮が診療にも生かされていると感じています。そうした点も、患者さんにとって安心につながっているのではないでしょうか。
美容に関する悩みにも対応されているのですね。

近年では、しみやしわ、肌質の改善といった美肌・エイジングケアに関するご相談が増えています。皆さんが抱えている皮膚のお悩みは、いわゆる病気だけに限らず、「もっと健康に、より快適に過ごしたい」という前向きな目的から生まれることもあると思います。そうした声にお応えするために、保険診療の枠にとらわれない自費診療にも取り組んでいます。いつも受診いただいている方が「ピアスを開けたい」「しみを取りたい」とご相談くださることもあり、日常の延長線上にある“皮膚の相談窓口”のような存在でありたいと考えています。当院で使用する医療機器は、効果と快適性を両立できるよう機器を選定するなど、品質に配慮した設備を整えております。美容皮膚科には20代から80代まで幅広い年齢層の方が来院されており、内科を含めた複数の診療科があることで、気軽に相談しやすいと感じていただけているのかもしれません。
健やかでいるという日常を、支える医療でありたい
日々の診療で大切にされているのは、どのようなことでしょうか。

一番大切にしているのは、「目の前の患者さんにとって、本当に意味のある医療とは何か」を考え続けることです。医学的に正しいとされることが、必ずしも患者さんにとって最善とは限りません。特に継続的な治療が必要な病では、たとえ治療が医学的に正しかったとしても、生活背景や価値観に合わなければ、治療を続けることが難しくなります。心が置き去りになってしまうと、前に進めなくなることがあるのです。ですから、私たちは病気だけを診るのではなく、「どんなふうに暮らしたいか」「何を大事にしているか」といった、その人自身を知ることを大切にしています。その上で、治療法の提示だけでなく、患者さん一人ひとりにとって納得できる選択肢を一緒に見つけていくことが大切だと考えています。
素晴らしい考え方ですね。その方針を進めるにあたり、患者さんと接する際に意識していることはありますか。
この10年、医療現場での多様な経験を積み重ねてきました。成功だけでなく反省や改善を繰り返し、その積み重ねが現在の診療の基盤となっています。当院では医師をはじめ、看護師や技師など多職種の専門家が連携し、患者さんの状態を多角的に評価しながらより良い医療を提供しています。医療においては、単独の判断ではなくチームでの協議を重視しています。時には患者さんにとって耳の痛い内容や負担を伴う説明が必要な場合もありますが、それは健康を守るために不可欠な情報であり、事実に基づいた適切な説明を心がけています。患者さん一人ひとりに最善の医療を提供できるよう、チーム全体で考え続ける体制を今後も維持していきます。
最後に、今後の展望をお聞かせください。

私たちはこれからも、地域の皆さまにとって気軽に相談できる医療機関であり続けたいと考えています。一方で、医療の専門性と質の高さも重視し、常に最新の知見と技術を取り入れながら、質の高い医療を提供していきます。単に目の前の症状だけでなく、患者さんの生活背景や将来まで見据えた診療を心がけ、地域の健康を支える「入り口」としての役割を果たしていきます。正直で誠実な対応を通じて、信頼される医療機関であり続けることをめざしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはピアスの穴開け/両耳:7040円
AGA治療/5000円~