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谷口 愛子 院長の独自取材記事

たにぐち耳鼻咽喉科クリニック

(京都市山科区/御陵駅)

最終更新日:2020/07/02

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御陵駅から徒歩12分、山科駅からも車で5分の渋谷街道沿いにある「たにぐち耳鼻咽喉科クリニック」。待合室の中央には小さな赤い机と椅子、塗り絵用紙と色鉛筆がセットされている。その周りには大人用の椅子が配置され、子どもを後ろから見守るレイアウトがほほ笑ましい。アットホームな親身に寄り添う診療で、科の垣根なく体の悩みに耳を傾ける谷口愛子院長は、「気軽に相談できる身近な存在でありたい」と話す。コミュニケーションを大切に考える谷口院長の思いはスタッフにも行き届き、心地良いクリニックであることがうかがえる。開業から12年、地域に親しまれる同院の取り組みや、こだわりについて谷口院長に話を聞いた。
(取材日2020年6月19日)

体の悩みを相談できる最初の総合相談窓口として

開業にあたりこの地を選ばれたのはなぜですか?

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大学の同級生だった夫は地元が山科で、数年早く歯科を開業しておりました。そのためクリニックを開くなら隣に、と思ったんです。駅から離れている地域ということもあり、いろいろな方が「ちょっと診て」と来られるようになりました。アレルギー性鼻炎をお持ちの方でアトピーを抱えている合併症のケースも多く、わからないところは皮膚科の先生に教えていただきながら、首から上に関しては診られるよう皮膚の勉強も始めました。そうした積み重ねで、受診する科に迷ったらとりあえず当院に足を運ぶという方が少なくないのです。

診療方針やクリニックの特色を教えてください。

「親切で丁寧な診療」をモットーにしていますので、他科の症状であっても最初の総合相談窓口としての役割を担えるように努めています。そういう意味では、耳鼻科なのですがホームドクターの位置づけにあるのかもしれません。開業当初は小さいお子さんを連れて通われていたお母さん方が更年期世代に入り、今はめまいで来られます。更年期の症状は産婦人科を受診されると良いのですが、体の変調に際して、まずは心配事を口に出せるところでという思いから当院にお越しになるようです。その場合、生理や出血の多い方であれば産婦人科をお勧めしますし、採血検査の結果によっては内科をご紹介することもあります。患者層は地域にお住まいのあらゆる世代ですが、割合として多数を占めるのは小学校低学年くらいまでの子どもとお母さん、次いでご高齢の方になります。

シーズンにより注意が必要な疾患にはどのようなものがありますか?

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アレルギー疾患はもはや現代病で、今は昔よりも花粉の量が多い分、花粉症デビューが早くなり3~5歳で目がかゆい、鼻水が止まらないといった症状が表れてくるお子さんが増えています。それぞれの患者さんに合ったお薬を見つけていくのが私の仕事だと思っているので、目薬や点鼻薬、また重症度に合わせた内服薬を処方して、都度ケアに努めていただいています。家族にも広がりやすい感染症では溶連菌があります。通常の風邪による喉の痛みとは違って、突発的に強烈な痛みが起こるので咽頭が真っ赤に腫れて熱が出る方が多いです。まず検査で陽性反応を確認し、抗生剤を服用していただきますが、中には年中かかりやすい方もおられますので、1年に4回以上扁桃腺が腫れる場合は、扁桃腺の摘出手術をお勧めすることもあります。免疫と関わっていますので、試験前の緊張や仕事続きで疲れると腫れやすい体質の方は検討の余地があると思います。

専門的な手術分野から夢だった「町のお医者さん」へ

患者さんに知ってほしいケアなどはありますか?

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ご高齢の方の耳垢取りです。長年取り残された耳垢は石のように硬くて、耳栓をしているのと変わらないので、それが聞こえづらさの原因になっていることが多々あります。石状態の耳垢は無理に剥がすと耳を傷つけますので、薬で溶かして取り除きます。ご年配の方にはぜひ一度耳垢を取りにお越しいただきたいです。耳垢取りは自転車で10分ほどの範囲であれば往診でも対応していますのでお声かけいただければと思います。あと、扁桃に刺さった魚の骨の除去は当院で対応させていただくのですが、その奥の喉頭に刺さっている場合は相応の専門処置を施せるクリニックの先生へご紹介させていただきます。右や左と異物感を感じる箇所を答えられる場合は扁桃、どこかわからない場合は喉頭までいっているケースもあります。刺さる箇所によっては呼吸しづらく、炎症を起こす可能性もありますから、迅速に対応させていただいています。

医師を志されたのはどんなきっかけだったのですか?

私が生まれ育った地元にある内科クリニックは、いわゆる「町のお医者さん」で、おなかの痛みや水疱瘡、耳鼻科的な症状にも何でも対応してくれていました。そのすてきな女医さんに憧れて私もそうなりたいと思ったのが3歳の時です(笑)。以来、一途に医師の道をめざしましたので、幼少期に注射や病院が怖いと感じたことは一度もありませんでした。東京医科歯科大学を卒業後、専門は耳鼻科と決めて同大学で研修医を務めたのですが、結婚を機に京都大学の医局に入り京都大学医学部附属病院でも研修医から始めました。各大学で強い分野が異なる分、大学を2つ知っていると、それだけ関われる特殊分野が増えますので貴重な経験だったと思います。

当時のことを教えていただけますか?

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東京では聴神経腫瘍や、上顎洞がんなど専門的な手術を行われる先生のもとで学ばせていただき、京都では、ほとんど聞こえない状態で生まれた先天性重度難聴のお子さんに対する人工内耳埋入手術の分野も経験することができました。声帯が広がり声が出にくくなっているケースで、声帯を適性幅に整え声を出しやすくする手術はそれまで知らなかったのでとても興味深かったですね。次に勤めた大津赤十字病院ではエコーの外来で甲状腺の状態を調べ、良性の場合は様子を見ますが3センチ以上になると手術適応と判断し甲状腺の手術をしていました。症例数の多い病院で京大出身の先生方に教わりつつ手術を数多く経験することができたのは外来をしていく上でとても役に立っています。また勤務した3つの病院はドクターが点滴をする病院だったので点滴技術には自信があり、当院でも扁桃炎で重症で食べられなくなっている方などには点滴を行っています。

女性医師ならではのサポートで地域の女性を元気に

休日はどのようにお過ごしですか?

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子どもも中学生と大学生になり、自分の時間も持てるようになりました。半分は医学の勉強に、半分は医学以外の幅広い知識にと、読書の時間にあてています。他科の先生とも交流しアップデートして、より患者さんに正確な情報をお伝えできたらと思っています。

このクリニックでは漢方も処方しているそうですね。

そうですね。クリニックにいらっしゃるお母さんたちからお子さんが試験前におなかが痛くならないための予防策、大学入試前の体調管理など、通りで顔を合わせた時に尋ねられることも。そうしたメンタルからくる身体反応や、足がつるとかニキビ・肌荒れ時には、自分の経験から漢方薬をお勧めしています。

今後の展望を聞かせてください。

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仕事と家事、育児、更年期、介護と、女性はどのステージにあっても大変だとつくづく感じます。お母さんたちは、どうしても自分のことを後回しにしがちなので、診療時にいろんな角度からお話を伺って、その人自身を気をつけて見ていくようにしています。それが他科へのご紹介になることも珍しくない当院ですが、そうしていくことで深刻な病気に至る前の発見、予防につながればと考えています。心身両面から女性のサポートができる存在としても、地域のお役に立てることを願っています。

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