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多賀 一郎 院長の独自取材記事

多賀整形クリニック

(豊中市/曽根駅)

最終更新日:2019/08/28

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阪急宝塚線曽根駅から西へ徒歩3分ほど、住宅街の中に立つのが「多賀整形クリニック」。待合室や診察室の横には、ベッドが並ぶ物理療法室やリハビリテーション室が広がる。多賀一郎院長は、関西各地の総合病院で勤務したのち2008年に開業。以来、地域の中で整形外科疾患と向き合い続けてきた。「検査し診断をつけても、結局は消炎鎮痛薬に頼らざるを得ないのが残念だった」という院長がクリニックで力を入れているのが、漢方薬による痛みの治療や、トリガーポイントと呼ばれる筋肉の硬結点を意識したマッサージ。同時に、ゆとりある雰囲気を大事にしながら、それぞれの患者と丁寧に向き合う。誠実な口調で話を紡ぐ院長に、診療内容や筋肉の重要性について聞いた。
(取材日2019年2月14日)

痛みの治療には漢方薬も積極的に利用

駅から近く、ゆったりとした住宅街の中という通いやすい立地ですね。

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この建物では以前、内科の先生がクリニックを開業されていましたが引退されることになり、開業を考えていた私が引き継ぎました。大学生の頃は大阪大学の石橋キャンパスへ通っていましたし、沿線の総合病院で勤務していた時期もありますので、話が決まった際には「良い巡り合わせだな」と感じたものです。現在の患者さんはやはりご近所の方、特に高齢者が中心ですね。また、大阪大学アメリカンフットボール部のチームドクターをしていたという私の経歴をホームページなどで見て、スポーツ外傷で受診される方もいらっしゃいます。

診療内容を教えてください。

ご高齢の方は、加齢に伴う膝や腰、肩などの痛みや、肩こりで受診されることが多いですね。しかし、これらの症状を、完全に取ることは難しい。このため、薬で痛みを取りながら、マッサージなどの理学療法で症状を和らげていきます。そして今、一番関心を持って取り組んでいるのが、漢方薬による薬物治療です。勤務医時代には、時間をかけて検査や診断をつけても、結局は消炎鎮痛薬を中心とした治療になることを、非常に残念に感じていました。また、消炎鎮痛薬の影響で胃の調子を悪くされる方もいます。実は、開業前に漢方薬のセミナーに参加してから関心をもつようになり、現在は、それぞれの症状に合わせて漢方薬を積極的に使っています。調剤薬局で処方してもらう医療用医薬品の漢方薬ですので、費用的に大きな負担にもならないのではないかと思います。

漢方薬は、変化が出るまでに時間がかかるという印象があります。

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漢方薬は大きく、体質を改善を目的とする薬と症状にアプローチする薬という2つのタイプに分けられます。体質改善を目的とした薬は長期間飲み続けるものが多いのですが、症状にアプローチする漢方薬は、患者さんの体質や症状に合えば、早ければ数時間、通常でも2~3日目頃から、変化が表れるといわれています。逆に数日たっても変化が出なければ合っていないと判断しますので、あまり長引かせず他の漢方薬や消炎鎮痛薬に切り替えることができます。漢方は自然由来のものなので体に過剰な負担をかけずに服用できる薬だと思いますので、ご高齢の方にこそ使いやすいと思いますよ。ただ、漢方が苦手だという患者さんもいますので、当クリニックで漢方薬を積極的に使っていることは最初にお話しして、処方しても大丈夫か確認しています。

新しい情報にも関心をもち、吟味して取り入れる

トリガーポイントに注目した治療も行っているそうですが、どのような治療なのか教えてください。

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トリガーポイントとは、筋肉の繊維の一部が繰り返す弱い刺激や突発性の強い刺激のために縮んで硬くなり、もともとの柔らかな状態に戻れなくなっている部分のことを言います。しこりみたいになっていて、押すと痛みがあります。そしてトリガーポイントは、そこから離れた部分で起きている痛みやしびれの原因であることが多いのです。痛みを訴える患者さんの半数以上ではトリガーポイントを見つけてほぐすことで、痛みが和らぐと感じています。私はトリガーポイントのことを、開業後に加茂淳先生の著書から知ったのですが、理にかなったメカニズムに感銘を受けました。トリガーポイントを見つけて揉みほぐすことは患者さんご自身でもできます、また、1日に何回も行うことが大事なので、診察時に説明しています。ただ、ご高齢の方では難しいことも多いので、クリニックではスタッフがマッサージをしています。

先生が新しい治療法にも積極的に取り組む理由を教えてください。

漢方薬やトリガーポイントのほか、外傷に対しては湿潤療法も取り入れています。外傷を消毒するのではなく、傷口を乾燥させないようにして行う方法です。これも比較的新しい手法で、最初に聞いたときには非常に驚いたものですが、今では患者さんにお伝えしています。現在、医学や科学の領域では、非常に多くのことが明らかになっています。でも、実際にはわかっていないことのほうがまだまだ多いのです。私たちがすべてを知り尽くすことはできない。だからこそ、新しい情報には常に関心をもっていますし、その内容を吟味し、良いと判断できればぜひ取り入れていきたいと考えています。

患者さんとはどのような雰囲気でお話をされていますか。

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総合病院で勤務していた時代は、待合室にいる患者さんの多さがとても気になっていました。今診ている患者さんの話が長くなると「まだ待っている方がいるからね」と遮ることも多く、落ち着いて話を聞けなかったことも。今はそんなこともほぼなく、「何でも言いたいことを言って、聞きたいことがあったら聞いてくださいね」と思いつつ診療しています。

強く柔らかい筋肉を保つことが重要

今、患者さんを診ていて気になることはありますか。

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ご高齢の方では、足腰を弱らせないことがとても大事です。筋肉は、いったん弱くなるとなかなか元に戻せません。高齢者なら、なおさらです。あんまり言うと患者さんを怖がらせてしまいますが、それでもやはり、「足腰が多少痛くても、じっとしていないで動いてくださいね」と。筋力の差は大きく、60歳を過ぎたぐらいで動きがおぼつかない方もいますし、逆にかなり筋肉がしっかりとしていたら、90歳を過ぎでもしっかりと歩いて通院されています。

筋肉の差は、どのようなところから生じるのでしょうか。

もちろん、それまでの運動習慣や生活習慣が大きいのですが、その背景にある性格や気質も重要だと思います。前向きに生きようとしている人は、外に出る機会が多く運動量も自然に増えることが多いですが、何かあるとひっこみがちになる人は、やはり足腰も弱くなりやすい印象です。ただ、「どうしても動きたくない」という患者さんも中にはいますので、散歩でもいいから習慣的に歩くよう、お勧めしています。私も散歩は続けていますよ。

ところで、先生はなぜ医師になられたのですか。

実は、私の実家は薬局を営んでいました。だから風邪や腹痛など日常的な病気は、ほぼ店で扱っていた薬を使用していましたが、「もっと悪くなったときには、お医者さんに診てもらえる」と思っていて、子どもながらに安心感があったんですね。難しい病気を治せて、困った人を助けられる素晴らしい仕事だと思っていたので、自然と医師に憧れるようになりました。整形外科に進んだのは、高校で柔道、大学でアメリカンフットボールと、スポーツをしていたことの影響が大きいでしょうね。捻挫や打ち身はしょっちゅうで、改善するまでの過程も身をもって経験していましたね。

では最後に、読者へのメッセージがありましたらお願いします。

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年を取ると、足腰だけでなく、次から次へと起こる新たな体調不良に対処しなければなりませんので、やはり日頃から筋肉を鍛えておくことは大事です。強くて柔らかい筋肉を維持するために、ぜひ軽い運動を続けてください。最近では若い方でもパソコンやスマートフォンにばかり触れていて、まったく運動習慣がなく、筋肉はガチガチ。年を取ったら困るだろうなと心配しています。当クリニックでは筋肉の重要性を意識した診療をしていますので、気になることがあれば相談してほしいですね。

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