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東宮 範周 院長の独自取材記事

仁慈礼クリニック

(春日部市/春日部駅)

最終更新日:2019/08/28

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春日部駅東口の駅前にある「仁慈礼クリニック」はクリニック名に表現されているように、人を思い、慈しみ、礼儀を表すことを基本理念として、2015年5月に開院した。待合室は落ち着いた雰囲気で広々としており、プライバシーにも配慮して仕切りのあるブースも用意されている。院長の東宮範周(とうみやのりちか)先生は18年間メンタルヘルスの臨床で研鑽を積んだベテラン医師だ。その人の悩みや困っている出来事の本質を正確に、できるだけ早く見極め、治療につなげることを心がけている。また、西洋医学でカバーしきれない部分にも目を向け、工夫しながら診療を行う。幅広く心の問題に取り組む東宮院長に診療への思いを語ってもらった。
(取材日2016年7月21日)

心の健康に関することは全て診療の対象

こちらは、どんなときに訪れるクリニックでしょうか?

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精神科、メンタルヘルスというと訪問しづらい印象があるかもしれませんね。精神科では、例えば統合失調症やうつ病、パーソナリティー障害などといった病状を診ていきますが、メンタルヘルスは心の健康に関することであれば、すべて診療の対象になります。仕事で頑張りすぎて疲れてしまい、それでも働かなくてはならず、限界を感じて来院される方が多いですね。自律神経失調の症状、例えば頭痛、動悸、おなかが痛いなどの理由で内科を受診して、検査にも異常がなく症状も治まらないということで、精神科や心療内科を勧められるケースも多いです。本当はそこまで行く前に、頑張りすぎたな、限界だな、と感じたところで来院できるといいですよね。

初診で訪れたときはどんなことをしてくれるのでしょうか? また、検査などはあるのですか?

まずは問診票に記入していただきます。そして自由に話をしてもらいながら問診票に書かれた内容をもとに質問などをして、スクリーニング的に診断していきますね。生活全般を聞いて診察することと、診断ツールを使い、心理テストのような検査を受けてもらい、どうしたら解決の方向に前進できるか、一緒に考えていきます。レントゲンや脳波を調べる、などの検査は診断の基準にはありませんので行いません。じっくりと話を伺うことが大切だと考えています。通われている方の印象では、まじめでこちらの治療を理解したうえで規則的に通院してくれる患者さんが多いような気がします。

医師を志し、精神科医になられたきっかけは何でしょうか。

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高校時代の担任である倫理の先生が、学校での授業のかたわら、カウンセラーの勉強をするために大学に通っていました。何でも受け入れ、否定しない、先生の人柄が好きでした。こういう態度で患者と接する医者がいたら面白いだろうなと思い、医学部に進学したいと相談したら、成績が届いてないのに賛成してくれたのです。一年頑張れば行けるかもしれないよと。今あるのは先生のおかげです。実際に医師になってから勤務した北辰病院は、救急からケア会議、症例検討などが活発に行われ、それがうまくリンクしており、非常に勉強になりました。5年間勤務しましたが、こちらで学んだことは開業してからも生かせていて、患者さんの役に立つと確信しています。

精神療法と薬物療法の二本柱で治療

診療において心がけていることはありますか。

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診療の際には患者さんの話の要点をなるべく早くつかみ、治療へ直結する精神療法ができるように心がけています。カウンセリングという分野では、時間をかけて話を聞き、原因を追究しながら共に歩んでいくことが治療の方向性ですが、精神療法では多くの情報からその人のポイントになる物事を探し出し、できるだけ早く本質を見極め、それに対して短い言葉で後押しをするということが理想とされています。本質であればあるほど短い言葉で大丈夫なことが多いのです。できるだけ正確に見て、必要があれば薬の処方をする。精神療法と薬物療法の二本柱で治療をしていく。あまり集約しすぎてはいけませんが、診療時間内で少しでも原因、結論に近づき、治療につなげることが理想です。

患者層を教えてください。

基本的には成人を対象としていますが、ときどきお子さんや学生も来院します。主訴としては不登校や学校への不適応で来院されることが多いでしょうか。ただ、小学校低学年までは集中力がなく落ち着きがない、かっとなって手が出るなんて、子どもなら当たり前のことですから。ですが、10歳前後は子どもの適応が一番良い年齢です。小学3年生くらいの頃はみんなと仲良く、学校での適応がうまくいく場合が多いんですね。この時期に周囲に適応できないなどの症状があるかどうかは一つのポイントになります。また、これらの症状は大人にもあり、職場や家庭でも困ってしまっている方がいらっしゃいます。

大人にもあることなんですね。どんな治療をしていくのでしょうか。

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学生の間は何とかなってしまい、そう困ることが起きずに気づかなかったことが、社会に出てから仕事に支障をきたし、本人も自信を失って受診されるケースがあります。凡ミスや忘れてしまうことが多い、何かがあると意識がそちらにいってしまい集中できないなどの症状で、日常的に困ってしまう。これらのことは生活上の工夫で症状が治まることも多いので、診療の際にアドバイスとしてプリントをお渡ししています。例えばADHDといった発達障害がある場合、耳で聞いて行動を起こすのが難しいんですね。聴覚だけに頼らず視覚も入れるように、メモを取る、スマートフォンを活用する、仕事をパターン化するなどで、日々の暮らしがずいぶんと違ってきます。また薬物治療も有効で、集中力や仕事の成果が上がる、という効果が出ています。

共に悩み、解決法を考える

薬での治療で気を付けていること何でしょうか?

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薬物療法では、なるべく治療を続けられるように、弱めの薬で最大限の効果が得られるように処方しています。症状に合わせ、効き目があるものを患者さんが望む形で出せるように心がけています。西洋薬に抵抗がある方には漢方薬も処方しています。私自身が重度の皮膚疾患にかかった時に、西洋医学では治療の効果が少ないことがわかり、漢方治療や日常生活の徹底的な見直しで数年間かけて徐々に症状が改善された経験があります。そのときに西洋医学で9割の人に効果があることでも、残りの1割の人には何の意味もないことを感じました。西洋医学以外の診療も取り入れているのは、残りの1割の患者さんに対してもなるべくカバーできないものかと思っているからです。

日々の診療でとても忙しいと思われますが、リフレッシュ法などはありますか。

休日は映画を観たり温泉に出かけたりと、何も考えないように過ごしています。健康のために気功もしているんですよ。開業してからが医師として一番充実しているように思います。年齢層も職業もさまざまな患者さんが来院され、責任を持つという意識が高まりましたね。勤務医のときは他にもドクターがおり、頼ったり相談したりすることができたのですが、今は一人ですし、緊張感が違います。せっかく来てくださった患者さんですから、少しでも良くなってもらいたい、役に立ちたい。そうでなければ存在意義がありません。責任者としてクリニック全体のこと、働いてくれるスタッフのことも考え、責任を持って医師をやっているという実感が大きいです。

診療における思いと将来の展望をお聞かせください。

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今後は西洋医学だけでは解決につながらない人のためにも、代替医療や予防医学などを含めたさまざまな分野を学び、健康を維持する方法を取り入れていきたいと思っています。今は多くの患者さんが来てくださっていて、長い時間お待たせしてしまうことがあります。待ち時間を短くできるようにも努力しておりますので、どんな悩みでも気軽にお越しください。来院することで患者さんの不利になることは起きません。安っぽい言葉に聞こえるかもしれませんが、完全な人間などいないと思います。働き過ぎで限界を迎えてしまう多くの人は、自分も周りも頑張っている中で勝ち抜いてきた人たちです。気持ちは痛いほどわかりますので、限界ですよ、などと気軽には言えません。共に悩み、解決法を考え、少しづつでも改善するように、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思います。

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