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藤林 保 院長の独自取材記事

藤林クリニック

(大東市/野崎駅)

最終更新日:2023/09/07

藤林保院長 藤林クリニック main

学研都市線・野崎駅の西口階段を下りて徒歩1分、のどかな雰囲気が漂う住宅地にある「藤林クリニック」。院長を務める藤林保先生は、75歳のベテランドクターだ。医師1人の体制でありながら、これまで365日年中無休で診療を行ってきた。休むことなくひたすら患者に尽くすことは、先生にとって生きがいであり幸せなのだという。決して患者に怒らない姿勢から、私利私欲や煩悩を取り払った、悟りの境地のようなものが感じ取れた。「医師は私の天職」と生き生きと笑顔で話す藤林院長に、医師としての信念や診療のこだわりを聞いた。

(取材日2023年7月4日)

治療後も、元の生活ができているかを確認しフォロー

先生のこれまでの経歴を教えてください。

藤林保院長 藤林クリニック1

大学卒業後、どんな医師になろうかなと考えた時に、「医師は身も心も治せないと不十分なのではないか」と思いました。特定の分野のみを診るのではなく幅広く診療する医師も必要だと考え、地域の健康を守る医師として、全般的に診られる存在になりたいと思ったんです。その分いろんな勉強をしなくてはと決意し、まずは救命救急医療、その後麻酔科を経験した後とある船医の航海記に感銘を受け、コンゴやガーナに行きました。帰国後は外科を経験し、その後に徳洲会病院を造った徳田虎雄先生と出会い、徳洲会設立に携わり、野崎徳洲会病院で30年ほど働きました。幅広く患者さんを診療する中で、「その地域独自の経済や文化に合う医療を提供したい」と考え、愛着のある野崎の地で開業したという流れです。

休診日がなく、365日年中無休で診療しているのだとか。

「患者さんの役に立ちたい」という思いで、これまで365日診療してきました。当院は精神科も対応していますが、日曜に精神科を診られるところは少ないので喜ばれますね。精神科は大半が予約制ですが、患者さんは今困っていて、今すぐに診てほしいと考えている。そんなときに誰も診てくれないと余計に苦しいですよね。病気には休日がないからこそ、私は365日診療してきたんです。また、地域医療を提供するのであれば、患者さんたちと同じ場所に住むべきだと考えています。同じものを食べて、その地域に住む人たちの背景も感じることが大切です。今のお医者さんは、開業している場所とは違う場所に住む人が多いみたいですが、クリニックのある地域に住むことって、実は子どもの教育にも良いんです。例えば子どもが友達に「君のお父さんのクリニックに行ったよ」と言われると、子どもも父親のことを尊敬しますから。これって、他の職業にはないことですよね。

診療のモットーはありますか?

藤林保院長 藤林クリニック2

自分の治療が本当に患者さんの役に立ったかどうかは、その患者さんが身も心も元どおりの生活ができるようになったかどうかでしかわかりません。極論、病気は治っても、治療にお金がかかってよそからお金を借りて、それが返せなくて生活が困窮し、心を病んでしまう……という状態になれば、本当に治ったとは言えませんよね。また、医療にはガイドラインがありますが、同じ疾患を抱えていても、患者さんによってお仕事もライフスタイルも違います。同じ糖尿病でも、治療方法や食事内容は人それぞれ違う。その対応は当然、ガイドラインには載っていません。お仕事によってはゆっくり食事がとれないとか、高齢者は退院しても一人暮らしで栄養バランスの良いご飯を食べれないとか、抱える問題は多々あります。それを考えずに、病気だけ治療して退院させて放り出すだけでは適切な医療とは言えない。私はそこまでとことん確認して、フォローすることを重視しています。

患者の話をしっかりと聞き、共感することを重視

どういった悩みの患者さんが多くいらっしゃるのでしょうか?

藤林保院長 藤林クリニック3

糖尿病・高血圧などの生活習慣病の方が一番多いですね。また、世代問わず、うつ病の患者さんも多くいらっしゃいます。発達障害や認知症の相談も多いです。紹介を受けて、大阪府内だけでなく東京や北海道からわざわざ来てくださる方もいますね。患者さん一人ひとりの人生を良い方向に変えるためのお手伝いができることが、大きなやりがいです。地域柄もありますが、患者さんは高齢者でお付き合いの長い人ばかり。だから、余計に辞められないんですよね。

患者さんと接する際に意識していることはありますか?

患者さんの話を絶対に遮らずに、すべてを最後まで黙って聞くことです。お話が長い方でも、辛抱強く全部聞きます。そもそも人間は、自分の話を聞いてほしいと思うもの。最近では、パソコンのほうばかり見て、患者さんの顔をほとんど見ない医師も多いと聞きますが、私はしっかり患者さんのほうを向いて聞くようにしています。また、「ここが痛い」と言われたら、そこを触ってあげて話を聞くなど、共感を大切にしています。人間が一番好きな言葉って、自分の発した言葉だと思うんです。例えば「肩が痛いんです」と言われたら「肩が痛いんですね」とおうむ返しして、共感する。そうすると患者さんはこちらに心を開いて、たくさん話してくれます。人の話を聞く上で、これはいいとか悪いとか、いちいち評価しなくていい。そういう価値観をとっぱらって、素直な姿勢で話を聞くことが大事です。

クリニックづくりで心がけていることを教えてください。

藤林保院長 藤林クリニック4

「早くて安くてうまい」がモットーです。どこかの外食チェーンみたいですが、大阪という地では、そうでないと受け入れてもらえませんから。一人ひとりに丁寧に向き合いながらも、できるだけ患者さんを待たせないことは大切にしていますし、お金の負担が少なく良い治療を提供できるように努めています。また、スタッフ教育においては、怒らないことを大事にしています。私も若い頃は人に対して厳しかったのですが、そうすると、お互い嫌な気持ちになるなと気づきました。言いたいときこそ、ぐっと飲み込んで、何かうまくいかないことがあっても、そっと助け合うことが大事です。みんなこの考えをよく理解してくれているので、院内はとても穏やかです。

どんなことも気軽に話せる「よろず相談所」をめざす

訪問診療も行っているのですね。

藤林保院長 藤林クリニック5

はい。患者さんの家に入らせてもらって、生活ぶりまで見ないと本当に困っていることには気づけないので、そういった意味でも訪問診療は重要だと思っています。患者さんも、クリニックに来るときは少しかしこまって、良いところを見せようとしてしまうものなんです。でも、患者さんの本当の姿は、台所や冷蔵庫などの生活ぶりを見ないとわからない。診察室といった緊張する場ではなく、相手の土俵で話を聞くことが大事なんですね。そうじゃないと、診療方針もジャッジできないんです。

専任ドライバーによる無料送迎も行っているのだとか。

無料送迎を行っているクリニックはほかにもありますが、ほとんどはクリニックの入り口から家の前まで。当院では、診察室から患者さんのおうちの居間まで送迎しています。これも患者さんの生活を知るためです。介護タクシーはお金もかかるし、無料送迎があれば、本人だけでなく家族の負担も減らせます。医師はサービス業だから、ホテルと一緒でホスピタリティーが大切なんです。また、薬は院内で出せたほうが患者さんの負担も少ないという考えから、院内処方を行っています。

先生の趣味やプライベートについても教えてください。

藤林保院長 藤林クリニック6

趣味は仕事。天職だと思っています。好きなことを仕事にしたら最高です。仕事を選ぶときに、儲かりそうだとか、今はやってるという理由で選ぶのは良くないと思っています。自分の適正に合うものをやるのが一番良いです。そうしていると、一生で一回は大舞台に出られるチャンスが必ず来ます。また、75歳で毎日診療をしていると言うと驚かれますが、特に体を鍛えたりはしていません。体力に合った動き方がいいと思うので、無理のない範囲で散歩をするくらいですね。食事はバランス良く3食取っています。何事も、鍛錬しすぎは駄目。おいしく食べて、おいしく飲んで、ぐっすり寝ることが元気の秘訣です。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

心や体の悩みがあって、どこの医者にかかったらいいかわからなかったら、ぜひ当院に気軽に来てほしいです。どんな相談でも乗れると思うので、悩んだときには、まず私を頼っていただけたら。私の專門でない分野であれば、専門の医師につなぐこともできます。「よろず相談所」と思っていただき、なんでも遠慮なく話してください。私は、人生は自分のためにではなく他人のために生きることが幸せにつながると思います。これからも地域の方たちのために診療を続けていきます。

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