藤田 興一 院長の独自取材記事
駅前ふじたクリニック
(あま市/甚目寺駅)
最終更新日:2026/08/05
甚目寺駅から徒歩5分の場所にある「駅前ふじたクリニック」は、外科医として長年地域医療を支えてきた藤田興一院長が、2015年に開院したクリニックだ。藤田院長は心疾患や肺がんなど、命に関わる病気の手術を幅広く手がけてきた胸部外科・呼吸器外科のスペシャリスト。名古屋第一病院やあま市民病院では呼吸器外科部長も務め上げた。さらに救命医療や整形外科の経験も持ち、幅広い視点から患者を診ることができる。「術後ケアを中心に、かかりつけ医として患者さんを長く支えたい」という思いから開院を決意したという。受付時間の終了間際まで患者が訪れる様子からは、地域住民に頼られていることが感じられる。穏やかな語り口の中にも、医療に人生を捧げてきた医師としての強い責任感と地域医療への熱い思いが伝わる取材となった。
(取材日2026年6月16日)
患者の負担を減らすために幅広い診療科目に対応
長年、多くの病院で研鑽を積まれたそうですが、開業した理由は?

勤務医時代は、胸部外科や呼吸器外科で肺がん手術をはじめとした呼吸器疾患の診療に長く携わってきました。開院を考えた理由の一つは、勤務医には65歳という定年があることです。これまで診てきた患者さんと、定年後も継続して関わりたいという思いがありました。また、一人ひとりの患者さんとより近い距離でお付き合いし、術後の経過や日々の健康管理まで含めて支えていきたいという気持ちも強くなっていました。術後の継続的なケアは再発の早期発見にもつながるため、とても重要です。名古屋第一病院勤務時代から、術後フォローのためにあま市の医療機関をご紹介する機会も多く、最後に勤務していたのもあま市民病院でした。そうしたご縁もあり、あま市民病院のすぐ近くのこの場所で開院しました。
御院の診療方針を教えてください。
私が大切にしているのは、患者さんの負担をできるだけ少なくすることです。費用面や通院の手間を抑えながら、より良い治療を提供したいという思いがあります。そのため当院では幅広い診療科目に対応し、地域のかかりつけ医として一人でも多くの患者さんのお役に立てるよう体制を整えています。救急医療や整形外科で培った経験に加え、外科医として内科診療にも対応できることは当院の強みの一つだと考えています。また、足腰の痛みに悩まれる患者さんも少なくないことから、リハビリテーション科も設けています。中には「医療機関に行くのはハードルが高い」と感じる方もいらっしゃいますが、女性の理学療法士も在籍しておりますので、安心して通っていただけると思います。当院の雰囲気を知っていただき、医療をより身近に感じてもらえればと思っています。
どのような患者さんが多いですか?

心血管疾患などの術後ケアで来院される方はもちろん、膝や腰の痛みなど整形外科的なお悩みを抱えた方も多くいらっしゃいます。高齢の患者さんが多い地域ですので、さまざまな不調のご相談を受ける機会が多いですね。私自身、若い頃に整形外科や消化器外科も経験しており、その時の知識や経験が今の診療にも生きています。また、風邪や咳など内科・呼吸器内科の症状で受診される方も多いですね。患者さんは地元の方が中心ですが、名古屋市など市外からお越しになる方や、韓国・中国・ブラジル・ベトナムなど外国籍の方も少なくありません。こうして多くの患者さんに来ていただけるのは、親切丁寧に寄り添い、自ら考えて行動してくれるスタッフのおかげ。本当に感謝しています。
地域のかかりつけ医として病気の早期発見・治療に注力
CTや超音波検査機器など、検査機器が充実していますね。

初期のがんや再発の発見にはCT検査が欠かせません。CTは肺だけでなく頭部など体の奥深くまで詳しく観察できる一方、超音波検査は気になる箇所を迅速に確認できます。この2つを備えることで、定期検査から日常的な体調不良まで幅広く対応できる体制を整えています。さらに先日、新たにAI活用技術搭載のCTを導入しました。従来よりも被ばく量が少なく、患者さんの体への負担を抑えながら高精度な画像診断をすることが可能です。また、近年は生活習慣病の患者さんも増えているため、HbA1cを約5分で測定できる機器や、血管年齢をその場で確認できる機器も導入しています。かかりつけ医として、がんや生活習慣病の早期発見につなげていきたいと考えています。
医師を志したきっかけを教えてください。
中学生の頃、シュヴァイツァーという医師にまつわる話を教科書で目にしたことがきっかけですね。当時から「自分は、何のために生きているのか?」と考えることが多く、その答えとして「人のために尽くしたい」という強い思いがありました。そこでシュヴァイツァーの生き方にふれたことで、医師を志すようになったのです。呼吸器外科や胸部外科を専門とするようになったのは、名古屋大学医学部附属病院に入った頃から。当時より「外科のことなら何でもできる医師になりたい」と考え、お世話になっていた先輩から「呼吸器外科や胸部外科は人手が足りない」と助言をいただいたこともあって、経験を積むことを決めました。現在も胸部外科や呼吸器外科を専門とする医師は多いとはいえない状態です。そう考えると、あの時決断して担い手になれたことは良かったのではないかと思います。
患者さんと接する際、心がけていることは?

患者さんにわかりやすく丁寧に説明することです。患者さんにとってクリニックを受診することは、少なからず勇気のいることですので、その気持ちに寄り添いながら安心して相談していただける環境づくりを心がけています。また、当院ではお薬を院内で処方しているため、患者さんが薬局へ足を運ぶ手間がなく、負担軽減につながっています。国としては院外処方が推進されていますが、患者さんの利便性を考え、続けられる限り院内処方を続けていきたいですね。お薬をお渡しする際には服用方法だけでなく、生活習慣や日頃のお悩みにも耳を傾けています。私はこれまで救急医療にも携わってきましたので、その経験を生かし、現在も診療時間外であっても可能な限り救急対応ができるよう努めています。一つ一つを丁寧に行うことが何より大切だと思っています。
病気の早期発見の大切さを広く知ってもらいたい
かかりつけ医を持つことの大切さとは?

体調を崩して不安が大きくなると「まずは大きな病院へ行ったほうがいいのでは」と考える方も少なくありません。しかし実際には、かかりつけ医にご相談いただくほうが、より効率的に専門的な治療へつなげられることが多いのです。大きな病院は専門性が高い反面、どの診療科を受診すべきか迷うこともあります。その点、かかりつけ医は医療の窓口として幅広い症状を診ており、必要に応じて適切な医療機関への橋渡しができます。私自身も、勤務医時代から関わりのある病院や先生方との連携を大切にしてきました。精密な検査で病気の早期発見に努め、その方に適した医療機関や専門の先生をご紹介できるのは、約50年にわたり医療に携わってきた経験が生きているからだと思います。
今後の展望についてお聞かせください。
今後も、検診に力を入れていきたいと考えています。定期的に検診を受けることで、病気を早い段階で見つけ、早期治療へつなげることができます。当院でも肺がん、胃がん、大腸がん、前立腺がんなどの検診に対応していますが、まだ検診の大切さが十分に伝わっていないと感じることもあります。だからこそ、皆さんに検診のメリットを知っていただき、気軽に受診してもらえるよう、これからも啓発していきたいですね。また、私は現在76歳ですが、できる限り長く診療を続けたいと思っています。そして、できれば生涯現役をめざしたいと思っています。医療の道は私の人生そのものですので、地域に貢献しながら最後まで全うしたいと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。

皆さん、ぜひ検診を積極的に受けてください。近年は行政の働きかけもあって、手軽に検診が受けられるようになりましたが、受診率がまだまだ低いのが現状です。いつまでも若々しく健康的な生活を送るためには、検診を受けることはメリットそのもの。「まだ大丈夫」と思っている時こそ、一度検診を受けていただきたいですね。定期検診だけでなく、がん検診をはじめとした各種検診を受けてみてください。もちろん、日々のちょっとした悩みや不安など、気になることがあれば何でもご相談ください。

