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松森 保彦 院長の独自取材記事

仙台頭痛脳神経クリニック

(仙台市太白区/富沢駅)

最終更新日:2022/03/07

松森保彦院長 仙台頭痛脳神経クリニック main

多くの人が悩んでいるが他人には理解してもらえない頭痛、片頭痛。人によっては10年20年以上繰り返すこの痛みを専門的に扱っているのが「仙台頭痛脳神経クリニック」の院長、松森保彦先生。時には命に関わる疾患の症状として現れる一方、さまざまな検査を行っても異常がなくつらい痛みで生活に支障を来す患者もいる頭痛を疾患として正面から向き合っている松森院長。脳神経外科医としての経験と知見、念入りな検査と丁寧な問診で頭痛の診断を行い、一人ひとり症状が異なる患者に対して最適な治療の提供に努めている。仙台市営地下鉄南北線・富沢駅東口から徒歩3分、新幹線を利用して仙台駅から乗り継ぎ、遠方から通院する患者も少なくないという。頼りになるドクターのいるクリニックだ。

(取材日2022年1月20日)

頭痛の原因や刺激に配慮した院内設計

頭痛を専門的に扱うクリニックは珍しいですね。

松森保彦院長 仙台頭痛脳神経クリニック1

仙台にも頭痛の診療を行っている医療機関はいくつかありますが、頭痛をメインとしているドクターは少ないと思います。一方で日本国内で頭痛の患者は4000万人もいるといわれ、その中で生活に支障を来すこともある片頭痛の方は1000万人と推定されています。頭痛で困っている人は検査で異常が見つからない人が圧倒的に多いため、詳しい問診を行いながら、正しい診断をつけて治療しないといけません。頭痛は今のところ367種類あるとされていますが、的確な診断をつけ、適切な治療を進めていくのが当院の役割です。また当院ではMRI検査が行えるので、頭痛に限らず脳の病気の診断を行うことができます。めまいを検査するための重心動揺計や、心電図、エックス線撮影装置など一般のクリニックにある検査機器はそろっていますので認知症や物忘れ、めまい、頭部外傷、脳神経一般についても診療しています。

病院らしくないインテリアでホテルのような雰囲気です。

黒い外観や内装を褒めてくださる方も多いのですが、これには理由があります。片頭痛の患者さんの中には、光過敏の方、まぶしいものを見ると頭痛が起こる、もしくは頭痛がひどくなる方がいます。白や明るい色の壁、LEDの光で頭が痛くなる方もいらっしゃいます。そのため院内は全体的に暗めに、照明も間接照明で窓も小さく数も少なくするなど、光に配慮した設計にしています。

患者さんはどのような方が多いですか?

松森保彦院長 仙台頭痛脳神経クリニック2

片頭痛の方が多いですね。訴えとしてはこめかみがズキズキするという方が多いものの、頭痛は痛む部位が決まっている病気ではありませんし、原因となっている病気で痛い場所も変わり、気圧や気温、生活環境でも変わります。こうした背景も含めて問診で丁寧に伺い、正しく診断していきます。患者さんは30代から40代の女性がとても多いのですが、中には子どもの頃から頭痛に悩まされている方もいますから、過去にさかのぼってお話を聞くこともあります。仙台は新幹線が便利な場所なので、北は青森、南は北関東など遠方から通われている患者さんも少なくありません。

頭痛を単なる症状ではなく、一つの疾患と捉えて

クリニック名には、先生の強い思いが込められているそうですね。

松森保彦院長 仙台頭痛脳神経クリニック3

院名に「頭痛」を入れたのはこれが私が勤務医時代から専門的に取り組んできたテーマであり、病気としてなかなか認識されない頭痛を主に扱っていることを伝えたかったからなんです。頭が痛いくらいで病院に行ってもいいのかわからないと受診をためらっている患者さんも、頭痛の患者さんで対応に困り紹介先を探している医師も、道に迷っている状態なんですね。頭痛のことで困ったら、当院に相談すればいいとわかってもらえるようにと、クリニック名を考えました。開業地については、最後に勤務していた広南病院と近かったこと、あと太白区には脳神経外科の開業医がなかったので、気軽に通えるクリニックがこのエリアにもあったほうがいいと考え、この場所で開業を決めました。

脳神経外科を専門にされたのはどうしてですか?

私が中学生の頃父が頭部外傷で緊急手術を受けたことがありました。また私自身も10代の時に頭蓋骨に腫瘍ができ手術を受けたことがあり、これらのことがきっかけで脳神経外科の分野に関心を持ちました。医師になって専門的に学んだ今から考えると、私の腫瘍は経過観察で良かったかなと、不思議な気持ちになります。また、脳はその人そのものであり、人にとって一番大事なかけがえのない臓器ですから、そこを直接治療できる唯一の診療科である点にも興味がありました。大学卒業後、脳神経外科医になったものの、長時間の手術が多い上に、山形は脳神経外科の医師が少なかったんですね、勤務医時代は週に3日くらいしか寝る時間が取れないとか、今日が何曜日かわからないという生活を送っていました。おかげで自分自身の体力の限界がわかるようになりました。

スタッフは何人いますか?

松森保彦院長 仙台頭痛脳神経クリニック4

看護師5人、診療放射線技師1人、受付事務4人です。当院は2022年4月で開業から7年になりますが、スッタフ全員がそれぞれの職種の特色を生かしながら頭痛のチーム医療の実践に取り組んでいます。スタッフに対しては患者さんの訴えに寄り添って困り事を解決していくという点において、患者さんに近い存在であってほしいし、優しく接してほしいと伝えています。また頭痛は目に見える病気ではなく他人からはわかりにくいものだからこそ、病気に対する理解を持ってほしいとも思っています。現在は学会などでも頭痛に詳しい看護師さんの育成に取り組んでいますし、当院にも頭痛について専門的に学んだ看護師が在籍しています。頭痛を単に症状ではなく疾患として扱ってもらえるように、頭が痛いというだけの理由で通院しても良いのだということを広く理解してもらえるようにと願って、私自身も活動しています。

根気良く治療に取り組んで、頭痛から解放されてほしい

頭痛に悩んでいても市販薬でやり過ごしている人も多いのでは?

松森保彦院長 仙台頭痛脳神経クリニック5

以前来られた患者さんもそうでした。その方は30年以上も片頭痛に悩んでおられました。頭痛が始まったのは20代の頃で、当時はどこの医療機関に行っても診断がつかず、市販の痛み止めを飲んでいたのですが、その薬では次第に対処しきれなくなっていったそうです。おそらく、薬によって体が痛みに敏感になっていたんでしょう。そして痛みを感じるとまた薬を飲むという悪循環に陥っていたのです。頭痛薬には市販の薬もたくさんありますが、月に10日以上使ったら使い過ぎで、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)を新たに発症することもあります。市販の痛み止めを頻繁に服用している方にはぜひ頭痛を専門とする医師の診断を受けて治療を開始してほしいです。

休日はどのように過ごされていますか?

休診日も最新の論文を読んだり、研究会活動や講演会の準備をしていることが多いので休みはないような状態です。生活時間と診療以外の時間にしていることが趣味というなら、勉強が趣味なのかもしれません(笑)。最近は依頼原稿や論文を書いて過ごすことが多く、2021年に頭痛の新薬が登場し頭痛診療が注目されるようになってからはほぼ毎日、ウェブで講演や講義を行ってます。医学は日進月歩で、特ここ最近はさまざまな頭痛の新薬が出ており、来年以降も有力な薬の登場が予想されています。日々勉強しないと追いつきませんが、患者さんにとっては治療の選択肢が増える良いことなので、私も頑張らないといけません。それ以外は週に2〜3日くらいは体を動かすようにしています。患者さんにも運動はいいですよと勧めている以上、自分も実践しないといけないですからね(笑)。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

松森保彦院長 仙台頭痛脳神経クリニック6

今後の展望は、頭痛を病気としてしっかり扱ってくれる医師が増えるような活動をしていきたいと思っています。そして地域差のないレベルの高い頭痛診療ができるよう、当院自身がモデルケースとなり頭痛の診療を頑張っていこうという医療従事者を増やしていきたいです。読者の方や頭痛でお困りの方には、頭痛は丁寧に問診と診察を行いきちんと診断をすれば、適切な治療ができる病気であると知ってほしいです。解決に時間がかかることもよくありますが根気よく続けることが大事。諦めずに治療を継続していただきたいです。また頭痛は痛みを感じる部位によって、これは危ない頭痛これは大丈夫な頭痛、という線引きはできませんし、軽い頭痛でも急を要する病気が原因になっていることもあります。いつもと違う頭痛、なかなか治らない頭痛でお困りの方は、市販薬に頼りすぎず、専門的な診断と治療を受けていただくことをお勧めします。

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