西岡 直子 院長の独自取材記事
くぬぎ台クリニック
(相模原市南区/東林間駅)
最終更新日:2023/07/21
東林間駅より徒歩2分という立地にある「くぬぎ台クリニック」は、20年以上にわたって地域に根差した診療を行ってきたクリニックだ。明るく清潔な診察室で出迎えてくれたのは、院長の西岡直子先生。相手の言葉に何度も丁寧にうなずきながら、「東林間は私にとって大切な地元。町のかかりつけ医として、なんでも気軽に話せるような雰囲気を大事にしています」と朗らかに話す言葉の端々から誠実で温かい人柄がにじみ出ている。患者の声に真摯に耳を傾け、気持ちに寄り添う医療で多くの患者を笑顔にしてきた西岡先生に、町のかかりつけ医としての思いから今後の展望までじっくり聞いた。
(取材日2018年2月14日/情報更新日2022年12月1日)
的確な診察と診療をめざす、患者のためのクリニック
まずはクリニックの成り立ちについて教えてください。
当院は地域密着型のクリニックとして1999年に開院しました。それまで私は都内の大学病院に勤務していたのですが、幼い子どもを抱えながら育児と仕事を両立するためにいろいろと悩んだ結果、思い切って自宅の近くの東林間で開院することにしました。開院当時、この辺りはまだ大型マンションもなく、ひょっこりタヌキが出てくるようなのんびりした町でした。その頃からずっと通ってくださっている患者さんも多く、今では親子で通ってくださっているご家庭も少なくありません。患者さんにとって、どんなことでも気軽に話せるかかりつけ医として身近な存在に感じていただけたらうれしいですね。
町のかかりつけ医として、どのような取り組みをされているのでしょう。
具合が悪くなったときや何となく調子が悪い、何科を受診すればいいのかわからないというようなときに最初の窓口となることが多いので、患者さんのいろいろなお悩みやご相談に対応しています。町のかかりつけ医として大切にしているのは正確な診断力。まずは患者さんの話をよく聞いて、どのような症状の特徴があるか問診し、検査へと進みます。さらに近隣の病院と連携しながら、必要に応じて専門の医療機関を紹介するなど、常に患者さんが最善の選択をできるようなクリニックでありたいですね。場合によっては家庭環境や日頃の生活の様子などもお聞きするので、そういう意味では女性医師であるということで患者さんにも話しやすいというメリットがあるのかもしれませんね。患者さん一人ひとりで症状やお悩みが違うので、とにかく患者さんのお話に真摯に耳を傾けるようにしています。
先生が得意とする診療について教えてください。
私は日本内科学会総合内科専門医として風邪から腹痛、頭痛など幅広く対応すると同時に、日本循環器学会循環器専門医として心臓病や血管の病気の診療を得意としています。糖尿病、高血圧症、高脂血症、肥満、高尿酸血症などは循環器系疾患を合併することが多く、循環器疾患、とくに狭心症や心筋梗塞の注意が必要といわれています。実際、当院にも高血圧症や高脂血症などの生活習慣病で通われる方は年々増えてきています。食生活や運動について、少しずつでも改善していけるよう丁寧にサポートしておりますので、高血圧症や糖尿病、喫煙習慣、高脂血症などの循環器疾患のリスクの高い方はもちろん、不安のある方はぜひ気軽にご相談くださいね。
校医や訪問診療などを通じて地域医療に貢献
そもそも先生が医師をめざそうと思ったきっかけについて教えてください。
父が自宅で開業医をしていたので、物心ついた時から自分も父のように医者になるんだと思っていました。昔は夜中に急患が来たり、町医者としてあらゆることに対応しなくてはならない時代でしたが、どんなに大変そうな父の姿を見てもその思いが変わることはありませんでしたね。といっても、特別父から何か言われたわけでもありませんが、医者の家に生まれて、父の背中を見て育ち、自分も医者になるのがごく自然な流れだったという感じでしょうか。結果的に父と同じような開業医となったというのは、自分でもなんだか不思議な気持ちがしますね。
地域医療にも貢献されていると伺いました。
くぬぎ台小学校と上鶴間小学校の校医をしています。就学時検診と入学してからの健診程度なのでお子さんたちが覚えていてくれるかはわかりませんが、クリニック内の診療だけでなく、これからも医師会の仕事を通じて地域医療に貢献していきたいですね。その他にも、ケアマネジャーさんや訪問看護の方と連携するケースが増えてきています。当院でも長年通ってくださっている患者さんで通院が困難になってきた高齢の方の訪問診療に対応していますが、これからますます介護関係者との連携と在宅医療が重要となってくると感じています。
印象に残っている患者とのエピソードを教えてください。
患者さんとのエピソードは数え切れないほどありますが、治療がうまくいって「ありがとう」と言っていただけたときは本当にうれしいですね。診察室に飾ってあるこの絵は患者さんからのプレゼントなんです。他にも、入り口の段差のところでつまづいてしまう患者さんがいるのを知ったこのビルの大家さんの建設会社さんが、手すりをつけて段差を緩やかにしてくださるなど、多くの方に見守られてここまでこれたことをうれしく思うと同時に、本当にありがたいなと思っています。
町のかかりつけ医として地域住民に寄り添い続ける
お忙しい毎日だと思いますが、先生の健康法について教えてください。
ここ2、3年はお芝居を観に行くことにはまっています。特にこだわりがあるわけではなく、出演者や脚本家を見て面白そうだなと思ったものに足を運ぶことが多いですね。お芝居を観ている間は完全にその世界に入り込めるので、気分転換になるだけでなく、いろいろと考えさせられる台詞が多いので人生勉強にもなっています。あとは体を動かすのが好きなので、健康のためにもジムに行ったりジョギングをしたり、日常的に運動するようにしています。といっても、こんなふうにできるようになったのは子どもの手が離れた7、8年ほど前くらいからです。仕事や育児をしながらではそんな時間をつくるだけでも難しいですからね。患者さんの健康を支えるためには自分が健康であることも重要だと思っています。
今後の展望をお聞かせください。
これまでは生活習慣に関する相談や指導でケアをしてきましたが、近年は通院が困難になり在宅診療に切り替える患者さんも増えてきています。高齢になってくると理解力が低下したり、認知症になったり、今まで普通にできていたことができなくなってきます。この先どうなるのか、どのような形で人生を終えたいかということも患者さんとともに考えなくてはならない時期にきていると感じています。当院は、主人が神経内科専門の医師なので、月に2回ほど神経内科の診療日を設けて認知症や脳卒中、頭痛、パーキンソン病、てんかんなどの相談にも乗っています。ご本人はもちろん、不安を抱えたご家族の方からのご相談に応じておりますのでお気軽にご相談ください。また発熱および風邪症状のある方は、現在時間帯を分けて診察を行っております。お時間をご確認の上お越しください。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
当院は町のかかりつけ医として地域の皆さんの医療の入り口となるべく、的確な診断を心がけています。患者さんの気持ちに寄り添いながらお悩みや症状を把握し、治療や診療方針について納得いただけるまで丁寧にわかりやすくご説明しますので、ご自分の健康状態や管理方法について何か不安や疑問があれば、些細なことでもまずはご相談ください。また、会社の健康診断で問題があると言われた方や、親御さんの介護のご相談など幅広く対応しております。もし当院で解決できないことがあれば、信頼できる医療機関に紹介状を書きますので、何科を受診すればいいのかわからないという方も最初の窓口として安心してお越しください。どのような場合でも、患者さんの話をお聞きしながら最善の解決策が見つかるようお手伝いしておりますので、世間話をするような気持ちで気軽にお立ち寄りくださいね。