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徳武 巌 院長の独自取材記事

徳武クリニック

(厚木市/本厚木駅)

最終更新日:2025/05/15

徳武巌院長 徳武クリニック main

かわいらしいフクロウのロゴマークが目を引く「徳武クリニック」は、徳武巌院長が10年にわたって外来診療、訪問診療を行う地域密着型クリニックだ。徳武院長は認知症サポート医であり、厚木市介護認定審査会の委員も務めるなど、介護に関しても精通しており、医療と介護の両面から地域を支える。「医療や介護に関する情報は複雑で、どうしたらいいのかわからないことも多いでしょう。そんな時に少しでも道しるべになれたら」と優しい笑顔を見せる徳武院長。地域医療のために心身を捧げ続ける、その想いを聞いた。

(取材日2025年1月20日)

医療と介護の両輪で地域を支えるクリニック

こちらはどのようなクリニックですか?

徳武巌院長 徳武クリニック1

当院は、私も住んでいる森の里の地域医療を担うクリニックをめざして開業しました。午前中は外来診療、午後を訪問診療の時間にあてています。外来診療には、中学生から高齢者まで、地域の方を中心に幅広い患者さんに来ていただいています。私は救命救急センターの経験もあるので、ケガや、やけどの処置などもしています。患者さんは、風邪やアレルギー、ちょっとした体の不調、生活習慣病の管理などで来院される方も多いですね。外科や皮膚科は標榜していないのですが、総合的な診療をモットーとしているので、まずはなんでもご相談いただいて、私のできる限りを尽くしています。より専門的な対処が必要な場合であれば、適した医療機関を紹介するというスタンスです。

フクロウのロゴや院内の雰囲気もすてきですね。

クリニックのシンボルマークは、森の里の町のテーマであるフクロウに合わせて、私の妻が描いてくれたものなんです。なかなかかわいらしくて、私も気に入っています。内装は、開業時に妻と一緒に考えたんです。といっても、私は芸術的なセンスがまったくないので(笑)、色合いやアイデアはほとんど妻が考えてくれました。洗面台に使っている鉢も、陶芸をしている妻が作ったものなんですよ。待合室や診察室には、患者さんから頂いた絵を飾っています。

力を入れている診療は何ですか?

徳武巌院長 徳武クリニック2

訪問診療に力を入れています。訪問診療とは、さまざまな事情で通院が困難な方のご自宅に定期的に伺い、診察・処置・処方、簡単な検査などを行う医療です。当院の場合は、もともとかかりつけとして外来に通ってくれていた患者さんがそのまま訪問診療に移行するケースと、新たに訪問診療の依頼があって伺うケースの両方があります。介護をする方も含めて、寝たきりの方が医療機関を受診するのは、時間的・経済的・体力的な面で非常に負担が大きいもの。そこで、私たちが訪問診療をすることで、患者さんやご家族の負担を少しでも軽減できればと考えています。場所が病院でなくとも、必要最低限の医療は自宅で受けることができるのです。

先生は介護の分野にも造詣が深いと伺いました。

私は認知症サポート医でもあり、厚木市の介護認定審査会の委員も務めています。医療だけでなく介護のご相談に対応できるのも、当院の特徴の一つかもしれません。例えば、認知症の専門的な病院を紹介して診断を受けていただいた後、フォローアップを当院で担うことも可能ですし、介護度がこのくらいの状況の方であればどのような介護サービスを受けられるのか、そのためにはどのように申請をすればいいのか、といったこともお伝えできます。服薬も含めた認知症という病気との付き合い方、ご家族の対応の仕方など、精神科や脳神経外科に行かずとも、当院で気軽にご相談いただくことで、患者さんやご家族の安心感につながればうれしいですね。医療や介護に関する情報は複雑で、どうしたらいいのかわからないことも多いでしょう。そんなときに少しでも道しるべになれたらと考えています。

言葉にならない患者の思いをくみ取る

先生が訪問診療で意識していることは何でしょう?

徳武巌院長 徳武クリニック3

訪問診療は患者さんの症状やご家族の関わり方、訪問診療に何を望んでいるのかなど、ご家族ごとにそれぞれ違うので、事前の面談では患者さんとご家族のお話や訴えにきちんと耳を傾けることを心がけながら、どういうケアをしていくのかをメインにお話ししています。また、自宅で受ける医療の形がまだ世間的に浸透していないためか、診療や療養、もっと言えば最期を自宅で迎えるのは難しいと思っている方も多くいらっしゃるように感じます。その一方で、かなうかわからないけれど……と自宅で過ごすことを希望される声も多くお聞きしますから、私が診療に伺うことで少しでも力になりたいと思っています。訪問診療はいろいろな形があり、「こうでなければいけない」といった決まりもありません。あくまで患者さんとご家族の選択に沿って関わりながら進めていくものだということを念頭に置いて、日々の診療を行っています。

長く訪問診療に携わってきた徳武院長。「最期まで自宅で過ごすこと」について、どのようにお考えですか?

例えば、ケアマネジャーさんには在宅でのお看取りは難しいのではと言われていた方が、無事に最期までご自宅で過ごすことができたケースもあれば、最初はご自宅で過ごすことを希望されていたけれど、在宅療養を続ける中で、やはり病院で過ごすほうが、と方針を変えていくご家族もいらっしゃいます。一度訪問診療を始めたら、最期までご自宅で過ごさなければいけないなどということは決してありませんし、その時々で状況やご希望が変わることもあり、それは自然なことだと思っています。ですから、あまり重く考えすぎずに、まずは「最期まで自宅で過ごすという選択肢もあること」を知っていただけたらうれしいですね。どのような選択であっても、患者さんやご家族にとって理想の形を一緒に考えていきたいと私は思っています。

診療におけるモットーを教えてください。

徳武巌院長 徳武クリニック4

外来診療でも訪問診療でも、基本的には変わらずありのままの自分で丁寧な診療をすること、一人ひとりと真剣に向き合うことです。私もスタッフも、特に患者さんやご家族との会話を大切にするよう心がけていますね。例えば患者さんとの世間話の中で、お仕事やご家庭のことに話が及んだとき、「病気の家族が他の病院にかかっているのだけれど、説明を聞いてもよくわからなくて……」とお悩みを打ち明けてくださることもあります。そんなときに、私がお答えできる範囲でお話しすると、「安心しました」とほっとした表情でお帰りになられることもあります。患者さんのお話にきちんと耳を傾けるのはもちろん、言葉にはしないけれど心に抱えている悩みや想いをもくみ取れるように、コミュニケーションを大切にしています。

一対一の「顔が見える診療」を大切に

ところで、先生はなぜ医師を志したのですか?

徳武巌院長 徳武クリニック5

子どもの頃の私はとても体が弱くて、入院したり、往診で先生に自宅に来てもらったりすることが日常だったんですね。そんな経験から、いつかは自分が医師になって人の役に立つんだという思いが漠然とありました。医学部に入って、大学を卒業する時には救急医療をやりたいと思ったのですが、当時はまだ救急医療講座が少なく、将来、救急医療に役立つだろうということで麻酔科を選びました。その後、さまざまな病院で麻酔科の担当として経験を積んでから、厚木の病院で地域医療を学び、当院を開業しました。

先生は対面でのコミュニケーションを大切にされているそうですね。

開業当時と比べて、訪問診療を行う医療機関も増えてきました。たくさんのスタッフがチームとなって取り組んだり、リモート診療を取り入れたりするクリニックもある中、当院は私1人で診療を続けています。毎回同じ医師が一人ひとりの患者さんにきちんと向き合い、丁寧に診ていくことが大切だと思っているんです。それに、医師と患者さん、ご家族との関係というのは、1回お会いしただけだとぎこちないですよね。対面でコミュニケーションを積み重ねていけばお互いを知ることができますし、関係性ができることで話しやすくなります。引き続き、対面での関わりを大切にしていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

徳武巌院長 徳武クリニック6

当院の外来に来てくださっている患者さんで「自分が動けなくなったら先生が訪問診療で来てくださいね」と言ってくださる方がいます。私はそれがとてもうれしいですし、そこまで信頼をしていただいていることにやりがいを感じていますね。私は、地域の皆さまどなたでも遠慮なく相談に来てほしいと思っています。健康について悩んでいるけど、どこで診てもらえれば良いのかわからないという方から、訪問診療を検討しているという方まで、ぜひお気軽にご相談ください。

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