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田口 彩 院長の独自取材記事

竹村クリニック

(相模原市南区/相模大野駅)

最終更新日:2026/07/15

田口彩院長 竹村クリニック main

相模大野駅の喧騒から離れた住宅地にある「竹村クリニック」は、竹村克二理事長が1992年に開院して以来、地域密着の診療を行ってきた。2019年10月に娘である田口彩先生が院長となり、変わらず地域住民の健康を支えている。神経内科が専門でパーキンソン病や認知症など、加齢とともに発症率が上がる疾患を多く診てきた田口院長と、消化器外科の中でも大腸を専門とする竹村理事長。それぞれの専門性を生かしつつ、一般的な症状から往診、家族の悩みまで幅広く相談に乗る。昔ながらの診療所の良さが残る同院には、世代を超えて家族でかかる患者も多いという。話しやすくて何でも相談できる町のクリニックをめざして、日々診療に邁進する田口院長にクリニックでの取り組みなどを聞いた。

(取材日2026年6月22日)

認知症から心エコーまで、異なる専門性を生かして診療

現在の診療体制を教えてください。

田口彩院長 竹村クリニック1

父と私を中心に、小児科医である私の夫も加わって、家族で診療しています。小児循環器を専門とする夫は心臓のエコー検査に対応できるので、小児・成人どちらの心臓エコー検査にも対応可能となりました。いずれ、精神科医師である妹の夫にも協力をあおぎ、月に1度程度から精神科の外来も開設できればと考えています。それぞれの専門性が異なるので、より幅広い疾患に対して専門性を生かした診療ができるのがメリットですね。患者さんも都合に合わせて使い分けてくださっているようで、ちょっと話を聞いてほしいなと思うときは私のところへ、気になることだけを聞きたいときは父へというように活用されています。いつどの患者さんが来られてもいいように情報共有し、うまく連携をとってやっています。手の空いた医師が往診に出ることができるので、要望の多かった往診も徐々に拡大しています。

院長のご専門は神経内科と伺いました。

はい。手足の震えや動きづらさ、歩きづらさなどの他、めまいやしびれの症状などに対し、専門性をもって対応できます。こうした症状を引き起こす病気は実は複数あり、複数回継続して受診していただいてようやく診断がつくというケースもありますので、早めにご相談ください。認知症については、診断に必要な脳の検査は相模原病院に、画像検査は近隣のクリニックにお願いし、当院では心理検査による診断とその後の治療に対応しています。直近では、相模原市内でも対応できる施設がまだ少ない新しい認知症治療薬のフォローアップ施設として登録しました。2週間あるいは1ヵ月に1回、約1時間の点滴を続ける治療ですが、できる範囲でやれる限りやっていきたいと思っていますので、まずはお気軽にご相談ください。エリア内の導入施設へのご紹介も対応しています。

認知症が気になる場合、どんなタイミングで受診すべきですか。

田口彩院長 竹村クリニック2

早いほうが良いので、物忘れが気になる場合や、家族が何か様子がおかしいと感じた場合は、気兼ねなく受診してください。例えば「電話番号を言い間違えたけれど、大丈夫かしら?」というような気がかりでも相談していただいて構いません。物忘れが病気によるものなのかそうでないかはご自身では判断がつかないと思いますし、大丈夫だとわかれば安心できるでしょうから、悩んでストレスをためてしまうようであれば、すぐにご相談ください。認知症にもさまざまな種類があり、その鑑別とタイプに合わせた対応が非常に重要です。診断がついた後は当院で治療を行いながら、患者さんの不安軽減を図り精神を安定させるための環境づくりなどのアドバイスをします。「最期まで診てください」という患者さんにも対応できるよう、できる範囲で往診も行っています。市の介護サービスの仕事も担っているのでその辺りのパイプも太く、お役に立つことができるかと思います。

あえて予約制を取らず、顔を合わせて診ることを大切に

専門に限らず、広く一般内科も診療していらっしゃるのですね。

田口彩院長 竹村クリニック3

お子さんから高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんに来ていただいていて、かかりつけ医として世代を超えて長く通ってくださるご家族も多いです。当院は予約制を取らず、その日に来ていただければ診察できるスタイルを続けています。急な体調不良でも、必要なときにきちんと診られることが大事だと思っているからです。近隣の病院がどんどん予約制になる中、「電話もつながらない」「その日に診てもらえない」とおっしゃる患者さんも増えています。そんな中でも、少し古風なスタイルとはなりますが、温かい医療を大切にしながら、これからも地域の皆さんに寄り添っていきたいと思っています。

診療で大切にしていらっしゃることを教えてください。

お顔を合わせてしっかりと訴えを伺うことでしょうか。お一人お一人の顔色や歩き方を見て診察したいので、オンライン診療や長期の処方には基本的に対応していません。対面で毎月お会いして血圧を測ることで、急な異変に気づけることもありますから。ただ、90代の元気な患者さんなどが、猛暑や雨の日にも薬が切れたからと無理して来院されるようなことは避けたいので、そこはケースバイケースで少し長めにお薬を出すなど柔軟に対応しています。

健診や検査にも力を入れて取り組んでいると聞きました。

田口彩院長 竹村クリニック4

開設以来、内視鏡を活用しての疾病の早期発見・治療に力を入れていて、負担の少ない経鼻内視鏡など新しい医療技術や機器も積極的に導入しています。健診の際に胃や大腸などにポリープやがんが見つかれば、そのまま内視鏡的切除術も行っています。他にも、一般的な胸部腹部用のエックス線撮影装置、消化器の検査に用いる透視エックス線撮影装置があり、デジタルエックス線を使用することで、少ない被ばく線量で精密な検査が可能です。また、めまいの診断のための眼振を診られる眼鏡型の検査機器や、血管の状態を数値化できる機器も導入しています。胃がん・大腸がん・子宮がん・乳がん・肺がんの検診を行っており、乳がん検診は30歳から毎年、その他の検査も40歳から毎年受けることをお勧めしています。

親しみやすさを武器に、何でも相談できるクリニックに

時間外の急患対応や往診にも対応されていると聞きました。

田口彩院長 竹村クリニック5

高齢で通院が難しい方や、脳梗塞を患われた方、末期がんの患者さんなどへ往診を行っています。“最期を看取る”場合のために、ご家族が悔やむことなく、納得して見送ることができるよう心がけています。入院の要不要や急変時の対処法など、しっかりとご相談し、看取った後にご家族に「ありがとうございました」とおっしゃっていただけるような在宅医療をめざしています。その他、夜間などの時間外診療も可能な限りではありますが受けつけています。昔ながらのご自宅でのお看取りをご希望される場合は、診療方針や対応内容が他の訪問診療クリニックとは異なる場合があります。そのため、ご希望に応じて、よりご希望に沿った医療をご提供できる医療機関をご案内することもあります。

医師を志されたのは、やはりお父さまの影響でしょうか。

幼い頃から、自宅でオペの動画を見て、医学書をめくっている父の姿を見ていたので、影響は大きかったと思います。病院に同行させてもらう機会も多かったですし、自宅併設のクリニックですから、自然と診療中の背中が目に入りました。元気に診療を続けるために、父は毎日歩いているんです。その姿を見て患者さんも歩き始めてくれたりして。私自身は3人の男の子を育てながらの診療で、自分の時間はほとんどありませんが、最近末っ子が野球をはじめて、キャッチボールをするようになりました。三姉妹育ちで経験がありませんでしたが、意外と楽しいものですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

田口彩院長 竹村クリニック6

まずはスタートしたばかりの新しい認知症の点滴治療をしっかりと軌道に乗せ、多くの方にお届けすることが最優先。その上で、もう少しクリニックに余裕が出てきたら、将来的には検査の幅も広げていきたいなと考えています。今入ってくださっている臨床検査技師さんが生理検査に興味を持っている方なので、例えば脳波検査などのツールを取り入れるのも良いかもしれません 。てんかんの患者さんが来られた際、その検査のためだけにわざわざ大きな総合病院にご紹介して、お時間を取らせてしまうのも心苦しいですから。地域の温かい皆さんに支えられながら、毎日充実した日々を送っています。私の強みの一つである「親しみやすさ」を生かして、何でも言いやすい、相談しやすいクリニックにしていきたいと思いますので、気になることがあれば気軽にお越しください。お力になれることがきっとあると思います。