勝股 奈津子 理事長の独自取材記事
なつこデンタルクリニック
(瑞浪市/瑞浪駅)
最終更新日:2025/04/04

瑞浪駅から車で10分、小里川に近い緑豊かな立地に立つ、洗練された外観が印象的な「なつこデンタルクリニック」。同院は、大学病院や総合病院の口腔外科で研鑽を積み、親知らずの抜歯や外傷の治療なども得意とする勝股奈津子理事長が2015年に開業したクリニックだ。明るい笑顔とハキハキ話す気さくな雰囲気の勝股理事長の治療を求めて、地元はもとより恵那市、豊田市など近隣市町からも幅広い年代の患者が訪れる。院内には優しい光が入り、勝股理事長のセンスを生かした花や緑を使ったディスプレーが居心地の良い空間を演出。「既存の患者さんをこれからも大切にしていきたい」と熱く語る勝股理事長に、これまでの歩みや診療への思い、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2025年2月28日)
患者が心地良い時間を過ごせる雰囲気と環境づくりを
外観も内装もすてきですね。

きれいで居心地の良い空間にして患者さんのストレスをなくし、スタッフも私も気分良く働ける場所にしたいと考えました。外観や内装の造りはすべて私の趣味ですね。院内には私の祖父が描いた絵や私自身が好きな絵を定期的に交換して飾っています。ゆったりと心地良い時間を過ごしていただきたいので、待合室にはテレビも時計も置かず、診察室もスペースを広めに取っています。待合室に置いた木のベンチは、近隣にお住まいの家具職人の方にオーダーし、2年ほどかけて製作していただいたお気に入りです。職人さんのアトリエを訪れた際、この方なら私の望むものを作ってくれると思いお願いしました。BGMにもこだわり、患者さんの年齢層なども考えながら私やスタッフが毎朝選んだ音楽を流しています。
診療室がとても広々としていて快適です。
2020年にリニューアルした際、個室の診察室を1部屋増設しています。以前からある3つの診察室は、半個室でプライバシーを守りつつ私がクリニック全体を把握できるような造りになっていますが、個室では周囲を気にせず話をすることができるスペースで、治療に時間を要する方や小さなお子さんを連れた患者さんを優先的にご案内しています。また、「もっとこうしたらスタッフの動線がスムーズになる」など、開業当時は気づかなかった改善点がクリアになり、スタッフの作業台もリフォームしました。常に、院内のより良い環境づくりに努めています。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか。

男性の患者さんが多いのが特徴だと思います。一般的には30~50代の男性というのは、仕事が忙しく最も歯科医院に行かない層だと言われています。私がはっきりものを言う性格なので気軽に来ていただけるのかもしれません(笑)。患者さんの中には虫歯や歯周病を放置して、深刻な状態で来院される方もいますし、最近は小児の患者さんも増えています。予防歯科、虫歯治療に加えて小児矯正も対応しており、より専門性を要する症例に関しては、近隣の矯正歯科をご紹介することもあります。また、メンテナンスで通院されている方も多く、歯科衛生士は患者さん一人ひとりに合う歯ブラシをご紹介しています。受付にあるいろいろな歯ブラシを並べた棚は、実はスタッフの手作りです。開業当初から勤務してくれているスタッフは、私が時間に追われる中で患者さんへの説明も的確にやってくれて、信頼関係の構築に力を貸してくれています。
口腔外科の経験を生かし、全身疾患の発見にも貢献
ご専門である口腔外科は、こちらの特徴の一つでもありますね。

全身疾患を見ながら治療を進めていける点は、口腔外科を専門に研鑽を積んだ経験が大きいかもしれません。万が一、何かあった時も点滴や注射などの処置が可能ですしね。糖尿病と高血圧を患っている高齢者の方は多いので、糖尿病のコントロール状況や血圧の状態を確認したり、歯周病と全身疾患の関連の説明などもしています。具体的には、親知らずの抜歯が多く、顎の骨の中などにできる袋状の病変である嚢胞の摘出、粘膜が変色したり水ぶくれを起こす口腔粘膜疾患などにも対応することができます。稀ですが口腔内のがんが見つかることもありますね。
診療で心がけていることを教えてください。
どんなに忙しくても、決して治療の質を下げないことを常に意識しています。加えて、丁寧な説明を怠らないことも重要だと考えます。必ず口の中の様子をお見せして確認していただいています。どんな治療をしているのかご理解いただいていれば患者さんの安心につながります。また、私はどんな治療をするときも機能面だけでなく審美面にも配慮しています。ちょっとした前歯の色のくすみなども気にしながら自然な仕上がりになるよう心がけているので、お心あたりの方は気軽に相談してください。
小児の患者さんに対してはいかがでしょう。

0歳の頃から通っているお子さんは慣れたもので、2~3歳になると1人で診察室に入ってきます。「お母さんと一緒が良い」という場合も、小学生くらいのお子さんであれば母子同伴は初回の治療のみ。2回目以降はお母さんには待合室でお待ちいただくんです。お母さんが横にいるとどうしても甘えが出てしまって、本来できることも「できない」となってしまうことがあるので、そこは甘やかしすぎないようにしています。ただ、お母さん側から要望があった場合には、その限りではありません。
変わらずに続けていきたい、地域に密着した医療の提供
歯科医師を志されたのはなぜですか。

祖父と父が医師で、2人の姿を見ながら育ち医療を身近に感じていました。大学受験を目前にした時期に、歯科医師の道へ進むことを決意し、愛知学院大学歯学部に進学。卒業後は研修医期間を経て、6年間、口腔外科の医局に残りました。手術も好きでしたし、口腔だけでなく全身の疾患について学び、技術を身につけ、自分の目標とするところに達したら独立しようと考えていました。合計で7年半、大学病院と関連の総合病院、歯科クリニックで勤務をした後、2015年に開業しました。親の後を継ぐという同級生もいましたが、私は自分がやってきたことを地元の人のために役立てたい、自分の腕1本でどれだけやれるか試してみたいという思いが強かったからこそ、あえて開業という道を選びました。
開業10周年を迎えられましたが、どのような思いをお持ちですか。
昨年、開業10周年を記念して、患者さんにノベルティーのコーヒー豆をお配りしました。そこで、10年の区切りの気持ちを持つことができましたね。この10年間でひしひしと感じているには、さらに地域の高齢化が進んでいるということです。地域の人口全体が減っていますから、働く若いスタッフの確保も大変ではありますが、これまで続けてきた「地域に密着した医療の提供」という目標は何も変わっていないですね。当院にはご家族で来られる方も多いですし、地元の方々との距離が近いクリニックという立ち位置で、これからも診療を続けていきたいと思います。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

これからも当院に来られている患者さんを大切にしたいと思っています。時代が変われば歯科治療も変わりますので、新しい歯科の知識・技術を学ぶために勉強会に行ったり新しいものを取り入れたりしていくことが必要です。そのためにスタッフ全員で勉強会を実施し、情報共有をするよう心がけています。また、以前から、顎関節症・食いしばり・歯ぎしりに対する治療にも取り組んでいますので、気になる方はご相談ください。地域の方々に伝えたいのは、検診に足を運んでいただきたいということですね。検診に行けば、歯科だけでなくほかの病気の早期発見につながることもありますし、何も異常がなくても時間がたてば歯石がたまります。できれば半年に1回、少なくとも年に1回は歯科検診に行かれることをお勧めします。これからも、地域医療に貢献できる体制を維持し、治療に至らないためのアドバイスにも尽力していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/33万円~(税込)、セラミックインレー/4万9000円~、セラミッククラウン/11万円~