本橋 一彦 理事長の独自取材記事
コルテスデンティスタ表参道
(港区/表参道駅)
最終更新日:2025/02/21

表参道交差点から徒歩2分。世界的なブランドショップが点在する通りの一角にある「コルテスデンティスタ表参道」は、「多様な人が集まる都心部で必要とされる歯科医療をトータルに提供したい」という本橋一彦理事長の思いから2015年にオープンした。スペイン語で「丁寧な、礼儀正しい」を意味する院名のとおり、患者とのコミュニケーションを大切にしながら、一般歯科、小児歯科、口腔外科、矯正歯科、審美面に配慮した歯科療、インプラント治療、スポーツをしている人に特化した歯科治療など、どの分野でもより良い歯科医療をめざしている。初診時のコンサルティングを重視し、5年後、10年後と先を見据え、広い視野に立って治療方針を決めているという本橋理事長に、クリニックの特徴について話を聞いた。
(取材日2024年8月8日)
コミュニケーションを大切にする歯科医院をめざして
とてもすてきな内装で、コルテスデンティスタという院名も印象に残ります。

スペイン語で「丁寧な、礼儀正しい」を意味するコルテスに、「歯科医師、歯科医院」のデンティスタを組み合わせたものです。表参道の歯科医院と聞くと、少しハードルが高く感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし当院は名前のとおり、一人ひとりの患者さんとのコミュニケーションを大切に、丁寧に優しく接することをめざしていますからご安心ください。内装は親友のデザイナーにお願いしました。深みのある雰囲気にしたかったので、南仏やスペインをイメージして、テラコッタの床やしっくいの白壁をしつらえました。清潔感がありながら、親しみやすい仕上がりになったと思っています。ユニットごとにブースを設けていますが、本来なら4~5つのブースを置けるところを3つに抑え、一つ一つのスペースをゆったり取りました。ただ、完全個室として密室にすると圧迫感があるかと思い、壁の上部を少しだけ開けた半個室にしています。
表参道で開業されたのはどんな経緯があったのでしょうか。
当院は町田市にある本橋歯科医院の分院として、2015年に開業しました。それまでは15年ほど本院で院長として診療してきましたが、多くの患者さんが都心をはじめ遠方から来られていたのです。私の治療を求めてお越しいただいている方々に恩返しの意味も込めて、自分がもう少し都心に出て、そうした患者さんを中心に診ていけたらと考えて当院を開設しました。患者さんは考え方や人柄も一人ひとり異なりますから、なるべく早い段階で把握して、その方に合うような接し方を心がけています。症状や治療方法の説明には検査画像もお見せしますが、画像だけに頼るのではなく、言葉による説明を大事にしています。治療して差し上げたい、良い状態にしたいという私自身の熱意は、やはり言葉でしか伝わらないと思うからです。こちらの本気を言葉で伝えていけば、患者さんもその気になって前向きに治療に向き合ってくれるのではないでしょうか。
新しい設備や治療法も積極的に取り入れていらっしゃいますね。

歯科医療は日進月歩で、技術や医療機器なども進化していますから、当院で必要な機器は適切と思える時期に導入しています。例えば、患者さんの口の中を3Dデータ化する口腔内スキャナーも新たな機種に更新し、以前より精密なデータを診断・治療に役立て、かぶせ物や詰め物など補綴物の製作にも生かしています。ただ、当院の補綴物は必ず熟練の歯科技工士が仕上がりをチェックし、必要な場合は色合いや形などの仕上げ調整も手がけるのが特徴です。患者さんごとに異なる口の中に補綴物をうまくフィットさせるには、どうしても職人的な技工が必要と感じるからです。また、インプラント治療では一般的には骨の厚みや高さが足りないとされる方は、当院で骨造成を行うことで治療につなげられる場合があります。
将来の変化を予測しながら口腔内をトータルに診査診断
治療の際にはどんなことに留意されていますか?

痛みなど症状がある部分だけでなく一口腔単位、口の中全体を意識して治療しています。「この患者さんにとっては何が適切な治療なのか」を口腔内全体で考え、一般歯科、審美面に配慮した歯科診療、矯正歯科、インプラント治療など、広い分野から必要な治療を組み合わせた診療をめざしています。一般歯科を基礎に、機能的な審美面に対する施術を加えたり、噛み合わせの矯正を行ったりと、これまで培ってきた技術と経験をうまくミックスして対応していくのが私の得意分野です。もちろんこちらの考えを押しつけるのではなく、その方により良く、しかもできるだけ早く治療を終わらせたいと思っています。治療期間やかかる費用は、早い段階で「この治療にはこのくらいかかります」とゴールラインを明確にお示しするようにしています。
初診時のコンサルティングを重視されるのはなぜでしょうか?
当院には20代から50代の方も多く、全体的に美意識も高い傾向です。しかし今は問題がなくても、5年後、10年後にトラブルが起きそうな要因が予想されるケースも考えられます。そのため初回の診療では、今後はこんなふうに変化するだろう、こんなトラブルの可能性があるなど、将来起こり得る問題を予測しつつ診査診断をし、患者さんに丁寧に説明することを大切にしています。将来のリスクも含めて患者さんと一緒に検討するため、初診時のコンサルティングが重要です。経年変化や将来のリスクを予測する診断力には自信を持っていますが、それはさまざまな症例を診てきた経験に加え、症例を診るたびに、なぜこんなことになったのか、根本的な原因は何だろう、と常に深く考えながら口腔全体を診る経験を重ねてきたからではないかと思います。
これから力を入れたい診療分野などをお聞かせください。

どの分野も満遍なくと考えていますが、その中でもお困りの方が多いと感じるインプラント治療は重視したいですね。インプラント体を埋入する顎の骨が足りなくても、骨造成を行うことで治療が望める患者さんもいらっしゃいますし、口腔内全体のバランスを踏まえたインプラント治療は必要な治療をミックスして行う当院の得意な部分といえます。インプラント治療後の歯茎は細菌の繁殖に弱いため、事前に歯周病治療を行う必要があり、矯正で適切な噛み合わせに導いてからインプラント治療をしたほうが長期的には良いとも考えられます。こうしたトータルな視点で治療計画を立て、実行できることがインプラント治療では大切なのです。
都心部でも必要な高齢者への訪問診療にも対応
2023年からは訪問診療も始められていますね。

表参道は若い方が多い街というイメージがありますが、実際には当院の周囲にもシニア向けの施設やレジデンスは多く、この先はさらに増えていくことでしょう。訪問診療を必要とする方は多いのです。当院がそのニーズを担うことで社会貢献できたらと考え、2023年の3月から訪問診療をスタートさせました。現在は当院に在籍する訪問専任の歯科衛生士が高齢者施設に伺って、利用者さんの口腔ケアを定期的に行い、私ともう一人の歯科医師が交代で2週間に1回のペースで診療にあたっています。高齢の方への適切な口腔ケアで、誤嚥性肺炎など感染症のリスクを軽減できることがわかっているので、今後さらに歯科の訪問診療は重要になると感じています。
ところで先生はなぜ歯科医師をめざされたのですか。
実は小さい頃から料理が得意だったので、シェフになりたかったんですよ。ですが、父が外科の医師だったこともあり、シェフは諦めて医療の道に進むことにしました。もともと手先が器用で細かい作業も得意だったので、最終的に歯科医師をめざしたのです。歯科医師になって数多くの患者さんを担当する中で、天職と感じることも多かったですね。父の姿を見て医療の仕事は人を助けるための仕事だと感じていましたし、一人でも多くの方の口腔内を健康にできるよう、自分の技術でどれだけ手助けできるか、それがやりがいにもつながっていくと思っています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

「自分の歯を一緒に守ってくれる」と感じられる歯科医師や歯科医院が、なかなか見つからない方もいらっしゃるでしょう。提案された治療が自分に向いているのか疑問だったり、自分の希望が伝わりにくいと思われる患者さんは、コミュニケーションを大切にする当院にご相談ください。もちろん、当院ですべてが解決するとは限りませんが、丁寧な説明を聞く中でご自身の歯と体の健康をトータルに考えていただくきっかけになったらと思います。どうぞお気軽に来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング:3万3000円~、インプラント治療:49万5000円~、インプラント治療に用いる骨造成:5万5000円~、矯正:全顎矯正 99万円~、部分矯正 33万円~77万円(使用する装置の範囲により異なります)、マウスピース型装置を用いた矯正 99万円~、セラミック治療:クラウン14万8500円~、インレー6万6000円~、審美歯科:ジルコニア/クラウン16万5000円、インレー8万8000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。