河合 研一郎 院長の独自取材記事
カワイ歯科クリニック
(豊橋市／柳生橋駅)
最終更新日：2021/10/12
豊橋鉄道「柳生橋」駅から徒歩7分ほど、JR・名鉄「豊橋」駅からも車で5分ほど、田原街道経由にて車でのアクセスも良い住宅街の一角にある「カワイ歯科クリニック」は2008年12月開業。周辺に住む人たちを中心に、子どもから高齢者まで幅広い患者層に受け入れられている。院長の河合研一郎先生は、何を聞いても我を通すような強い主張をしないという。しかし相手の様子や希望に配慮し、あるがままを受け入れるがごとく見せながら、実は必要なことをしっかりと施し導いてくれる。ロッジ風の吹き抜けに大きな窓がある診察室はとても明るく、そこに座って河合院長と話せば、リラックスして診療を受けることができるだろう。そんな河合院長の自然体な魅力を探ってきた。
（取材日2017年9月14日）
患者のリラックスを第一に考えられたスペース
とても明るく素敵なクリニックですね。
ありがとうございます。実はここ、土地がとても狭いんですが、患者さんにできるだけリラックスして診療を受けてもらえるよう、診察室や待合室など、患者さんが来られるスペースはできるだけ広く取りたいと考えていました。バリアフリーにももちろん対応しており、その分カウンセリングルームや技工室などバックヤードは狭くなってしまいましたが、患者さんのスペースをゆったり取ったことで、私たちスタッフも動きやすく、とても仕事がしやすい空間になっていますね。患者さんも当院に対して「狭い」という感覚は持たれていません。また、ここを設計した工務店の方は木材の使い方が上手で、見た目のナチュラル感や、温度・湿度の快適さにもすごくこだわってくれました。窓の位置は日当たりが良く、珪藻土の壁は湿度を調整してくれています。夏は涼しく、冬は暖かい空間になっていますよ。
先生はなぜ歯科医師になり、こちらに開業されたのですか？
父も歯科医師でしたが、特に勧められたわけでも、後を継ぐように促されたわけでもありません。でも自然とこの道に進むことを選択していたことからも、身近な職業だったのだと思います。北海道の大学へ進み、卒業後は愛知県に戻って卒業研修、浜松の病院や名古屋市内のクリニックで研鑽を積んだ後、ここに開業しました。生まれも育ちも豊橋ですので、縁のある場所で開業したいと思っていました。父の医院を継承する話もありましたが、この場所で新しくスタートすることにしました。
ご経験について教えてください。
私が大学を卒業した年に、1年間の卒後臨床研修が必須ではないのですが、努力義務として制度化され、愛知県で研修できる大学病院を希望しました。たまたま名古屋市立大学の歯科口腔外科に勤務していた知人がいて、安心して学べそうだと聞いたので試験を受けました。名市大では、歯学部ではなく医学部の中の口腔外科。歯学部だと、一般の歯科治療は行わないで、いわゆる「口腔外科」として重度の炎症や口腔がんなどを専門的に扱うのですが、医学部における「歯科口腔外科」は歯に関することは全部こちらへ、という感じで、保存・補綴や小児など歯科に関することを一通り経験できたことが非常に有益でした。末期の腫瘍や精神疾患なども含めて、さまざまな病気を持った患者さんの歯科治療に携わるという点でも、とても勉強になりましたね。
一人ひとりの患者に合わせて必要な治療を
診療において大事にしていることはどんなことですか？
当たり前のことを一つ一つきちんと行って、きちんと仕上げることですね。でも、モットーみたいなことを語るのは得意ではないので、とにかく目の前の患者さんが今困っていることを解決できるように、そしてその効果が長く続くような治療をめざしています。ですから患者さんの痛みや悩みをよくお聞きして、その人その人に合った治療方針を一緒に考えることを一番大切にしています。治療や費用についても私自身がお話することが多く、患者さんとの距離はとても近いと思います。
費用や時間のコストのことをとても気にしてくれる先生だと伺いました。
やはり歯科医師から見て理想の治療というのもありますけれども、自費になってすごくお金がかかったり、時間がかかって通うのが大変になったりしては元も子もありません。治療の選択肢をいくつか挙げて、費用・期間、メリット・デメリットをよくお話した上で、納得して選んでいただけるようにしています。そのとき堅苦しい説明をしたら余計に迷われてしまうと思うので、お料理のメニューをお話しするように、「これはこんな感じ、こっちだったら保険がききますよ」と、できるだけわかりやすく説明することを心がけています。時間についても、重症の方は一気に治療すると体に負担がかかってしまうので、何回かに分けて通っていただきますが、できるだけ通院回数が少なくて済むように治療計画を立てていきます。
予防には力を入れているのですか？
当院にいらっしゃる方は、やはり虫歯とか歯茎の腫れといった症状で来られる方が多い。治療が終わると、もちろん定期的なメンテナンスをしていただくことを勧めさせていただきますが、必ず次回の予約を取るとか、積極的には行っていません。皆さん、いろいろ忙しくて歯だけには構っていられないでしょう。ご自宅でのセルフケアに関しても、お伝えすべきことは患者さんによって違うので、人によって「これだけは押さえておいてほしい」と思うことを的確に簡潔にお伝えできるよう心がけています。押しつけたり束縛したくないんです。歯磨きが下手な人って結構少ないものです。あまり重箱の隅をつつくような指導はしないようにしています。お子さんに関しては、虫歯がある子とそうでない子と差が激しいので、多い子にはまずは歯科医院に慣れてもらって、楽しんで歯磨きできるようにと考えています。
通りすがりの患者が満足して帰れる「町の歯医者さん」
ところで、先生がご自身のために気をつけていることはありますか？
きちんと休息をとって、元気でいることが一番大事だと思っています。私があまりに疲れていたら患者さんへのパフォーマンスが落ちてしまいますし、嫌になってしまったりするでしょう。もちろん疲れていても、きちんと対応しますが、疲れすぎないようにしないと。そのために心がけていることと言えば、あまり考えすぎないことですね。あと、体を動かすことが好きなので、休みの日にはウォーキングをしたりジムに行ったりして、気持ちよく汗をかいています。
どんな患者さんが来られるのですか？
この近くに住んでいる方が一番多いですね。インターネットで情報を得るというよりも、通りすがりに「歯医者さんがある！」と見つけて来られる方がほとんどです。渥美半島のほうからもここは車の抜け道になっているので、ちょっと立ち寄ってくださる方が多いですね。当院はそうやって来てくださった患者さんが、ホッとくつろいで安心して受診でき、満足して帰っていただける、そんな歯科診療をめざしています。矯正歯科もやっていなくて、保険診療が中心の普通の「町の歯医者さん」。そんな身近さを気に入った方が通ってくださっていると思います。口腔外科を専門としていたので、ある程度のことは当院で対応できますし、必要に応じて近くの成田記念病院や豊橋市民病院と連携しています。ちょっと困ったとき、気になることがあったときなど、気軽に来ていただけたらと思います。
これから力を入れていきたいことなどはありますか？
一人の歯科医師として、自己研鑽を怠らず続けていきたいですね。やはりどれだけ経験を積んでも、毎日診療していると次々と課題が浮き上がってきます。歯科医療もどんどん進化していますから、そうした情報もキャッチアップして、新しい技術や知識も身につけていきたいと思います。また、子どもの虫歯などは減っていますが、高齢者の歯科治療のニーズはこれからもますます高まっていくと思います。いろいろと全身の病気を持った方も多いので、そうした患者さんへの対応もしっかり行っていきたいですね。
