全国のドクター9,512人の想いを取材
クリニック・病院 160,460件の情報を掲載(2022年10月07日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市東成区
  4. 今里駅
  5. 目黒クリニック
  6. 医療と福祉が密接に連携して患者と家族を支える在宅医療

医療と福祉が密接に連携して
患者と家族を支える在宅医療

目黒クリニック

(大阪市東成区/今里駅)

最終更新日:2022/05/31

Main Main
  • 保険診療

自宅で最期を迎えることを希望する人は多い。しかし、しっかりとした医療設備がなく、看護師などスタッフもいない自宅に戻ることで、「ちゃんと看られるのだろうか」「家族に迷惑をかけるのではないか」と、不安を感じる人が少なくないのが現状だ。一般的にイメージされるように、在宅医療は患者本人や家族にとって、本当に負担が大きく、難しいものなのだろうか? がん末期は病院で過ごさなければならないのか? およそ8年間にわたって、末期がんを中心とした地域の患者・家族に在宅医療、緩和ケアを提供している「目黒クリニック」の目黒則男院長に、在宅医療、緩和ケアの実際やそのメリット、さらに難しさについて語ってもらった。

(取材日2021年9月16日)

心身両面のケアや地域連携を通してQOLを高め、自宅で過ごす貴重な時間をより有意義なものにする

Q緩和ケアの対象はどのような方ですか。
A
1

▲在宅医療・緩和ケアについて話す目黒院長

緩和ケアを受けられる患者さんは、多くは病院からの紹介患者さんです。通院で抗がん剤などの治療を受けながら、痛みがある、眠りにくいといった症状の緩和を希望する患者さんもいれば、病院での治療が完了して自宅での緩和ケアを希望する方もいます。この1、2年に限れば、新型コロナウイルス感染症の影響で病院や医療施設の面会が制限・禁止されているため、通常ならホスピスや病院に入院されるケースでも、自宅で過ごすことを希望する方が増えています。在宅医療では、医師は患者さんにとって必要なサポートを提供します。症状に対する緩和ケアを受けられる方もいれば、症状が落ち着いていてもメンタルのケアが必要な方もいます。

Qこちらで在宅医療を受けられている方の特徴を教えてください。
A
2

▲在宅医療で使用する道具

大阪府成人病センター(現:大阪国際がんセンター)で、幅広い種類のがんを診た経験があるため、当院ではがん患者さん、特に末期がんの患者さんが多いことが特徴です。食道がん、胃がんといった消化器がんの方が最も多く、これに泌尿器のがん、呼吸器のがんが続きます。最近は脳腫瘍の患者さんもおられます。また、私は泌尿器科の医師なので、泌尿器がんの方の割合が高く、患者さん全体の25%が前立腺がん、膀胱がんなどの患者さんです。終末期をどこで過ごすかは、患者さんやご家族と相談して決めます。在宅医療を受けていても、最終的に病院に戻ることは可能ですが、現在のところ多くの方が自宅で最期を迎えることを希望されます。

Q在宅医療に不安を感じているご家族も多いと思います。
A
3

▲家族が相談しやすい雰囲気もつくってくれる

自宅で看るようになると、緊急時の対応を含めてすべて自分でやらなければならないのではと、誰もが不安を持たれて当然だと思います。在宅医療の基本は、自宅に戻った患者さんが人間としてどう有意義な時間を過ごせるかというところにあります。訪問時は、QOLを上げて有意義な時間を過ごすために必要な治療やケアを提供します。病院での処置が必要な場合は対応を依頼します。それ以外の部分でも、ケアマネジャーや訪問看護ステーションの看護師などさまざまな職種が連携して迅速に対応していますので、ご家族の方が想像されているより不自由な部分は少ないと思います。とりわけ東成区は医療と福祉の連携がとれており、しっかりサポートします。

Q地域の連携が大切なのですね。
A
4

▲さまざまな状況にも対応できるよう設備も整える

週に1回程度訪問する医師よりも、週3回訪問する看護師さんのほうが、患者さんやご家族のことをより深く理解できます。患者さんの悩みや訪問診療の時間だけではわからない生活背景を聞き出してくださる看護師さんは、在宅医療ではかけがえのない存在です。私たち医師にとっても、患者さんとの信頼関係を築くためには、困っておられることにきちんと対応することはもちろん、時間の積み重ねが必要です。それも、症状の説明をしている時間よりも、むしろ世間話などをしている「無駄な時間」が大切。部屋にあるもの、例えば写真などをもとに少しでも患者さんが興味を持ってくださるお話をして、信頼関係を深めていきたいと考えています。

Q在宅医療についてご家族に知っておいてほしいことはありますか。
A
5

▲ぜひ医師や専門のスタッフに早めに相談してほしいとのこと

在宅医療を始めても、病院とのつながりがなくなるわけではありません。私たちのような訪問診療の医師と病院とは役割が違い、連携を取りながら患者さんやご家族をサポートしています。また、在宅医療に確固としたセオリーはなく、患者さんごとに適した対応は違います。対応が難しいケースも非常に多く、私自身も的外れな声がけをしてしまうことがあり、失敗をしながら患者さんから多くのことを学ばせてもらっています。最近は感染症流行の影響で、これまでなら「状態が悪いから家には帰れません」と言われていたような患者さんであっても、ご自宅に戻す選択になることが増えています。そういう意味でも、今は在宅医療を選択しやすい時です。

ドクターからのメッセージ

目黒 則男院長

訪問診療に携わる医師として、ネガティブなことは一切言わないことを心がけています。ネガティブな状況にあっても、その中でできることを考え、限られた時間をより有意義にするために診療やケアの提供をめざします。在宅医療は決して敷居が高いものではありません。ご家族がすべてする必要はないので、家で最期を過ごしたい、過ごさせてあげたいという気持ちがあるなら、どうかその思いを大切にしてください。わからないことも多いと思いますので、私たち医師を困り事の相談窓口としてご活用していただければと思います。ご相談を受ければ、医療、福祉のさまざまな職種と連携して、患者さん・ご家族に適した対応を考えさせていただきます。

Access