光安 大輔 院長の独自取材記事
光安歯科
(足立区／五反野駅)
最終更新日：2023/11/20
「私は歯科医師である前に患者さんと同じ『人間』です。その上で歯科医師をしています」。そう語るのは、「光安歯科」の光安大輔（みつやす・だいすけ）院長。人として患者と向き合う大切さを学んだ原点は、同じく歯科医師の父と、研修医時代の恩師である教授からの教えにあるという。光安院長は「教授からは『何もできないなら、とにかく患者さんと話していなさい』と言われ、ずっとおしゃべりしていました」と笑う。そんな学びが、光安院長の話しやすく親しみやすい雰囲気につながっているのだろう。自分の専門性をより高めていきたいと話す光安院長に、歯科医師をめざしたきっかけや患者とのコミュニケーションの秘訣などさまざまな話を聞いた。
（取材日2023年4月3日）
歯科医師である前に人としてのコミュニケーションを
とても明るくて、広々としたクリニックですね。
ありがとうございます。待合室、診察室ともに十分なスペースを取り、日の光がたくさん入る造りにしました。院内全体は黄色とオレンジ色を中心にし、この2色を診察券やクリニックのロゴマークにも使っています。バリアフリーにも対応しており、階段にはスロープを設置。玄関先にも車いすやベビーカーがスムーズに上がれるよう、段差をなくすプレートを用意しています。また玄関には、ご高齢の方が靴の着脱時に体が不安定にならないよう、縦に2本の手すりをつけました。さらにその手すりの下に台を置き、腰かけたまま靴の着脱ができるようにしています。こうした細かい設計や工夫は、患者さんに安心して気持ち良く過ごしていただきたいという思いからです。浄水器も置いて、気軽に水が飲めるようにしています。
明るく快適に過ごせる院内づくりに力を注ぐのには何か理由があるのでしょうか。
歯科医院のイメージを変えたいという思いからです。私の生まれは長崎なのですが、もともと曽祖父が長崎市で歯科医院を開業し、それから祖父、父と代々歯科医師で、私で4代目。私は幼い頃に父の歯科医院に通っていましたが、あの「キュイーン」という音と独特のにおいが好きになれず、いつも泣いていました。皆さんも少なからず歯科医院に対し、「怖い」「痛い」といったネガティブなイメージを持たれたことがあると思います。でもそんな雰囲気とは裏腹に、父は患者さんとよく話をするなどうまくコミュニケーションを取っていました。そんな父の背中を見て育ったせいか、高校生になり進路を決める際、歯科医師を一生の仕事にしようと決断しました。歯科大学を受験すると父に言ったら、うれしそうに「飯でも行くか」と食事に連れ出してくれて、いろいろ話したことを覚えています。そんな父は今も長崎で地域に根差した開業医として活躍していますよ。
大学時代などに学んで記憶に残っていることがありましたら教えてください。
何といってもコミュニケーションの大切さですね。研修医時代、何もわからない私に教授は、「とりあえず患者さんとコミュニケーションを取りなさい」と言うのです。口の中だけを診ることができても駄目で、患者さんの家庭の事情といった背景が聞ける歯科医師になりなさいと。それは食事の時間や食生活、さらには家族の支えの有無などさまざまなことが治療に関係してくるからです。そこで私は、例えば「今日はどちらから来たんですか？」といったたわいもない質問をして話を広げ、次回来院時までに患者さんの地元の特産品や有名な建物などを調べておいて、前回の話の続きをしたりします。また、以前の話を覚えておいて「この前こんなことを言っていましたよね」と会話を楽しむように心がけています。患者さんは信頼関係があれば悩みを相談しやすいと思うので、コミュニケーションを大事にしているんです。
帰るときに不満を残さない歯科医院へ
開業した現在もコミュニケーション重視のお考えは変わりませんか？
そうですね。研修医時代には補綴、つまり入れ歯治療の研鑽を積んできましたし、大学卒業後も、治療の引き出しを増やすべく2つの歯科医院に延べ6年間在籍し、歯周病治療や予防歯科、さらには訪問歯科診療など幅広い治療を学びました。患者さんと向き合うのにはそうした技術はもちろん必要ですが、やはり人間力が重要。そのため当院ではコミュニケーションの延長線上にあるカウンセリングをかなり重視しています。ただ時間をかけるのでなくて、10〜15分くらいの中で的を射た指摘をコンパクトに、わかりやすく伝えるということを心がけています。
スタッフの皆さんについてもご紹介ください。
当院には、歯科衛生士・歯科助手はもちろん、矯正歯科、小児歯科、口腔外科それぞれを専門にする歯科医師、さらには入れ歯を調整する歯科技工士も常駐しています。ホワイトニングの知識に長けた歯科衛生士がいるので、ホワイトニングのメリット・デメリットを伝えたり、色の変化をアドバイスしたりすることもできますよ。また受付の女性スタッフが勉強を積み、「歯科医院の相談係」といった立場も担っています。クリニカルコーディネーターも、われわれには聞きづらいことや不安なことを患者さんが相談できる存在です。思いを遠慮なく話していただくことで、帰る時には不満を残さない歯科医院をめざしています。
力を入れている治療について教えてください。
私は入れ歯治療の研鑽を積んでいますし、一方でインプラント治療といった高度治療も手がけています。でもやはり大切にしたいのは、そもそも歯を悪くしないということ。そのため歯周病予防に注力しています。最近では歯周病菌が血液の中に入り、脳や心臓を傷めるリスクがあるといわれています。また歯周病を患った妊婦さんは早産になりやすいという報告も。歯周病にかかってしまったら以前の健康な状態に戻ることは難しいですが、毎日の歯磨きなどのケアで進行を止めることは十分期待できます。しかし、われわれ歯科医師のアナウンスが足りないせいでしょうか。患者さんの中には、どうしてここまで放置してしまったんだろうというような、手の施しようがない状態の方もおられます。こうした方には症状の説明や治療計画を一緒に立てる以前に、いかに歯が大事かわかっていただく努力を続けます。
「あれ、おかしいな」と感じたらすぐ受診を
お子さんにはどのように接していますか。
初めて来られるお子さんに関しては、いきなり治療に入るということはよほどでない限りせず、口を開ける練習や歯磨きの練習、また虫歯があればバキュームを入れてお口の中の唾液を吸う練習をするなど、歯科医院は怖い場所ではないと認識してもらいます。親御さんに隣に座っていただき、子どもの歯の磨き方を学んでもらうこともしますね。そうしたことを3〜4回してから治療に入ります。それでも暴れたり騒いだりして治療のできない子がいたとしても、「うちでは手に負えません」という対応はせず、責任を持って診させていただきます。お子さんが虫歯にならないようにするためには、ご両親の力が必要です。小学校2年生くらいまでは目をかけて手をかけてしっかりとケアしていただきたいですね。私どもも十分フォローします。
先生のプライベートについてもお聞かせください。
現在は、週に1回サックス教室に通っています。もともと高校時代にブラスバンド部の演奏を聴いたことがきっかけでサックスに憧れがあったのですが、なかなか挑戦する機会がなくて。でも子どもとのバレーボール中にアキレス腱を切ってしまい、体を動かしづらくなった。そこでケガの功名といいますか、サックスに挑戦することにしました。初めはエックス線室でこっそり吹いていましたね。今練習しているのは、あるテレビ番組のテーマの楽曲。いつかホールなど大きい場所でサックスを吹くのが夢です。
最後に読者にメッセージをお願いします。
「あれ、歯がおかしいな」と感じたときには、だいぶ悪くなっているということも考えられます。痛みが治まると「まあ、いいか」と安心してしまうものですが、放置した分だけ痛みが進行し、治療の費用も時間もかかってしまう場合も。食べられないと人生の半分を損した感覚になってしまうともいわれていますし、後悔のないようにしてほしいです。当院では、患者さん一人ひとりに合ったかかりつけ医を見つけていただきたいという思いから、セカンドオピニオンにも対応して私なりのアドバイスをしています。個人的な展望としては、これまでは多様な悩みに対して治療の引き出しを増やしてきたので、今後はさらに、一つ一つの専門性を高めていくことが目標です。相談だけでも良いので、気軽に来院していただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療／45万円～50万円、ワイヤー矯正／33万円～ 110万円、
オフィスホワイトニング／3万3000円、ホームホワイトニング／3万8500円、デュアルホワイトニング／5万5000円、補綴（詰め物・1歯）／4万4000円～5万5000円、補綴（かぶせ物・1歯）／7万7000円～14万3000円、ノンクラスプデンチャー（部分入れ歯）／16万5000円～46万2000円
