渡部 康男 院長の独自取材記事
神楽坂わたなべ歯科クリニック
(新宿区/飯田橋駅)
最終更新日:2025/05/01

文京区本郷で20年診療した後、神楽坂の中心地に移転してはや10年がたつ「神楽坂わたなべ歯科クリニック」。開業以来、長きにわたり「笑顔で帰ってもらえる治療」に邁進してきた渡部康男院長は、「クリニックの場所が変わっても通い続けてくれる患者さんが多いのは、本当にうれしいことです」と笑顔で語る。患者の全身の健康に配慮した歯科医療を届けたいという同院には、セカンドオピニオン、サードオピニオンを求めて受診する患者も増えているそうだ。患者が納得して治療を選択できるよう、手作りの資料を駆使して説明するこまやかさと、ユーモアあふれる渡部院長の磊落(らいらく)な人柄も、多くの患者が通い続ける理由だろう。診療の特徴やモットーなどについて、渡部院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年2月4日)
徹底的な衛生管理のもとでチーム医療を展開
神楽坂へ移転して10年になると伺いました。

文京区本郷で開業し、20年の節目となる2015年にこちらに移転してきました。本郷時代を含めて20年、30年のお付き合いになる患者さんも多く、最近では2世代で通ってくださるケースも珍しくありません。歯科医院が増える中、当院を信頼して通い続けてくれる患者さんが多くいらっしゃるのは本当に幸せなことですね。歯科医院に行くのが楽しみという方は少ないでしょうが、雰囲気や会話を通じてできるだけ明るい気持ちで通っていただきたいと思いながら診療しています。白を基調とした明るい院内デザインを採用したのも、患者さんの心情に前向きな効果を与えられると思ったからです。照明を落とした高級感のある雰囲気もいいですが、患者さんからも「明るくて良い」と好評ですよ。
都心の一等地という素晴らしい環境ですね。
患者さんにとって利便性の高い立地を選びました。飯田橋駅から歩いて4分、神楽坂駅からも徒歩7分なのでアクセスしやすいですよね。とはいえ、どんなにアクセスが良くても、患者さんに安心・安全の歯科医療を提供できなければ意味がありません。そこで、2フロアにわたり診察室を設けていて、5階にユニット2台とクリーニング用のケアルーム、6階にユニット2台とオペ室を設けました。オペ室は通常の診察室以上に高度な衛生環境を維持するため、雑菌の温床になる可能性がある水回りを一切排除。オゾンで室内の空気を清浄化するほか、入退室時の衛生管理を徹底して、クリーンな環境で安心してオペに臨んでいただけるようにしています。また、クラスB滅菌器を使用し、スタッフ全員が豊富な知識のもとで減菌された機器を用いることで、安全な治療の提供に努めています。
スタッフさんとのチームワークも良さそうです。

歯科医療は、歯科医師一人でできるものではありません。特に、術前・術中・術後の管理が求められるインプラントのオペなどでは、患者さんをお迎えする受付スタッフからクリーニングを担当する歯科衛生士まで全員が治療計画を理解し、患者さんの質問に同じレベルで回答できる状態にしておく必要があります。チームワークが治療の質を左右するといっても過言ではないんですよ。その点、勉強熱心で真面目なスタッフばかりで助かっています。一方、若い世代と働く中で、価値観のギャップに気づかされることも増えてきました(笑)。過去の常識にとらわれていると、スタッフに不快な思いをさせてしまうかもしれません。自分の「当たり前」に固執せず、時代に合わせて考え方をアップデートしながら、気持ち良く仕事ができるチームづくりをめざしています。
難症例も手がけるインプラントのエキスパート
インプラントの専門家として難症例も多く手がけておられますね。

インプラント治療については、まだ今のように一般的に行われていなかった時代から研鑽を積み、海外でも研究やトレーニングを重ねてきました。当院では、歯科用CTを使って神経や血管の様子を精密に把握し、インプラント埋入に適した位置や角度を判断した上でオペを行っていますので、顎の骨を肉眼ではっきり見ながら奥歯の最後列にも垂直に挿入することが可能です。症例数も多いため、他院で断られた方、長く入れ歯で過ごしてきた方などからご相談いただくことも多いです。ただ、こちらから一方的にインプラントを勧めることはありません。どちらかというと、技術の引き出しの一番奥に磨きをかけてしまっておき、インプラントが最善だと判断したときに提示するイメージです。可能な限り天然歯を失わずに済むよう予防的治療に注力し、インプラントありきでない治療をしています。
インプラント治療を行う場合、どんなことを重視していますか?
インプラント治療を希望する方の多くは入れ歯に抵抗感があり、インプラントに期待を寄せています。確かにインプラントは非常にメリットが大きい治療法ですが、デメリットがないわけではありません。治療をする場合は、メリットだけでなくデメリットもお伝えし、さらにはデメリットを軽減するための当院の取り組みもお話しした上で検討していただくようにしています。言葉で伝えるだけだと理解が深まりにくいので、患者さんのお薬手帳を把握し、それを踏まえながら「処方薬は適切に服用する」「飲酒は控える」といったお願い事をしっかりお伝えすることも大切にしています。私たちが技術を磨き、環境を整えても、患者さんの協力がなければ治療は完結しないからです。患者さんと二人三脚で治療に取り組むのが、当院のスタイルですね。
他院との連携についてもお聞かせください。

本郷で開業していた頃から、順天堂大学医学部附属順天堂医院をはじめとする大学病院との連携を深めてきました。内科的な既往がある年配の患者さんは治療リスクが高いので、必要であればかかりつけの内科の先生に診断書をお送りして連絡を取り、歯科治療を行って問題ないかどうかを確認します。最近では、口腔内の健康と全身の健康との密接な関わりが知られるようになり、患者さんのほうから「この間の健康診断で、こんな数値が出たんだけど」と相談されることも増えてきました。数値が診療の妨げになる可能性があるかどうかを見るだけでなく、医科のリスクが高い方は適切な診療科をご紹介して、患者さんの健康を守るお手伝いをしています。
患者の情報を細部まで頭に入れ、真摯に向き合う
近年は予防やセラミックを用いた治療にも力を入れているそうですね。

歯科医療は進化していますが、天然歯に勝るものはありません。患者さんには、天然歯を保ち続けることがいかに大切かを地道にお伝えしてきました。その結果、私が開業した頃に比べると、若い世代を中心に非常に予防意識が高まっています。インプラントを入れている方などは「もう二度と歯を失いたくない」という気持ちが強く、メンテナンスにも熱心に通ってくださいますね。当院には専用のケアルームがあり、歯科衛生士が中心となってメンテナンスを行っています。ちなみに、予防と同じく力を入れているセラミックの修復治療は、かぶせ物や詰め物で天然歯の機能と自然な美しさの両方をめざす治療です。幅広い年代の患者さんのニーズに応えるため、当院では見た目はもちろん、噛み合わせも整えて総合的な機能回復に努めています。
患者さんと接する上で心がけていることは?
かかりつけ医として「何も言わなくてもわかってくれる」と思ってもらえる存在であるために、患者さんの情報をしっかり頭に入れた上で診療することを心がけてきました。実際、これまで担当してきた患者さんの名前と顔はもちろん、既往歴まですべて頭に入っています。ただ不思議なのは、この記憶力が患者さんと歯科医療に関することに特化して発揮されること(笑)。ほかのことに関しては特別記憶力がいいとは言えませんから、不思議なものですね。また、これは当たり前のことですが、予約の時間どおりに診療室にお通しする、患者さんの予定に合わせて必要な治療を時間内に完結させる、といったことも常に意識しています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

今後の歯科医療は、予防が核となり、悪くなったときに治療するかたちが基本になるでしょう。先ほどもお話ししたとおり、当院には優れた技術を持つ歯科衛生士がおり、主体的に患者さんと関わりながらメンテンナンスに従事しています。彼女たちのメンテナンスで良い状態の維持に努め、万が一の場合に私が初診から治療完結まで並走するスタイルは今後も変わりません。「ここにくれば大丈夫だ」と思ってもらえるクリニックであるために努力を続けていきますので、お困りの際はぜひご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/60万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/31万9000円~、セラミックの詰め物/8万4700円~、セラミックのかぶせ物/12万1000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。