村井 俊介 院長の独自取材記事
村井歯科クリニック
(豊中市/岡町駅)
最終更新日:2023/06/19
阪急宝塚本線と北大阪急行電鉄に挟まれた、豊中市の中心部にある「村井歯科クリニック」。複数の歯科医師が所属し、一般的な虫歯等の診療からインプラント治療やセラミック治療、歯列矯正などの自費診療まで、地域かかりつけの歯科医院として幅広い診療を提供する。村井俊介院長は、大阪大学歯学部や同大学院で研鑽を積んだ歯学博士。精密かつ誠実な治療をモットーとし、患者の将来まで見据えた丁寧な診療を心がけている。「移転して、これからという矢先にコロナ禍という試練を迎えましたが、なんとか乗り越えつつあるのは患者さんやスタッフの支えがあったからです」と、あくまで謙虚さを失わない。そんな村井院長の新たな取り組みやクリニックのめざす方向性をじっくり聞いてみた。
(取材日2023年1月25日)
長期にわたって患者の口腔内の健康を守っていく
開院9年目を迎えた、現在のクリニックの状況は?
当院がオープンしたのは2014年で、この夕日丘の地に開院して今年で9年目になります。スタッフや院内設備を充実させながら地道に頑張ってきたこともあって、おかげさまで患者さんがずいぶんと増えました。現在、歯科医師は私と副院長、非常勤で来てもらっている矯正専門の先生の3人です。歯科衛生士や歯科助手を合わせると総勢で10人となりますが、私のやりたいことをよく理解してくれていて、いろんなことにチャレンジしていける環境にあります。思い描いていた体制にようやく落ち着き、ここからがいよいよ本番。さらに質を高め、より高レベルな治療を求める方のニーズにお応えしていけるようにしていきたいと考えています。
診療における基本コンセプトを教えてください。
当院の開業以来のコンセプトは、きちんとしたエビデンスに基づき、先進的かつ精密な診療を多角的に提供することです。「説明はいいから早く治療を終わらせてほしい」という方は、正直、当院は向いていないかもしれません。例えば虫歯の治療一つにしても、ただ削って詰めるだけでは、結果的にその患者さんのためにはならないと考えています。たとえ費用や時間がかかっても、材料にこだわり、完成度の高い治療をめざしたほうが結果的に長持ちするし再発も防げると考えています。それをご理解いただくには患者さんとの信頼関係を築き、押しつけにならぬよう真摯に説明していくことがとても大切です。大切なのは、皆さんの口腔内の健康を長期にわたって守っていくこと。それが当院のすべての治療に共通する目標です。
近年になって新たな設備も導入されたそうですね。
今は歯科の技術も医療機器もどんどん進化しており、以前より、安全性や患者さんの負担の軽減、さらに治療期間の短縮などが追求できる時代になりました。当院でも歯科用CTに加え、数年前に新型の口腔内スキャナーとマイクロスコープを導入して治療の精度向上に努めています。口腔内スキャナーを使うことで、セラミッククラウンなどの修復物の作製において精密に型採りができるようになり、誤差の少ない設計やデザインに仕上げていくことも可能になりました。インプラント治療でも、データとCT画像をコンピューター上で合成することで、よりリアルなシミュレーションができるようになりました。また、マイクロスコープは特に根管治療や歯周外科治療などに威力を発揮します。これまでもセラミック治療やインプラント治療などの自費診療では特に精度にこだわってきましたが、さらに自信をもってお勧めできるようになりました。
世代に応じた歯科治療で地域のニーズに応えていきたい
若い世代に対するアドバイスはありますか?
まだ若くて健康なうちは、口の中のことで困っているという実感がありません。ところが、そこそこの年齢になって症状が進み、ようやく予防やメンテナンスの大切さに気づいた時には手遅れになっていることが多いんですね。とはいえ、健康維持のために歯科に通い続けるというのは若い人にはピンとこないでしょう。その場合はホワイトニングやセラミックでの修復、歯列矯正など、審美的な動機から入るのも一つだと思います。口元が美しくなれば、それを維持していきたいという意識がきっと芽生えるはずです。ちなみに当院でもホワイトニングのニーズは高く、歯科衛生士の1人が専門的な知識を身につけようと猛勉強中です。ホワイトニングを受ければいろんな気づきにもつながりますから、歯科のおまけのような感覚ではなく真剣に提供していきたいですね。
矯正治療も、早いうちに行ったほうがメリットが大きいとか。
そうですね。矯正は見た目の変化だけでなく、予防歯科のベースともなる重要なものだと考えています。私自身も歯列矯正のセミナーを2年ほど受講していますが、やはり高い専門性が要求される分野と考え、2年ほど前から専門の先生を呼んで隔週1回のペースで矯正治療を提供しています。近年は透明なマウスピース型装置を用いた矯正が人気で当院でも行っていますが、想定どおりに動かなかった場合など、必要に応じて従来のワイヤーによる矯正を併用したりすることで、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた矯正を行っています。担当の先生は私の大阪大学歯学部の同級生で、どちらの手法も習熟しています。
高齢の患者さんに対してのアプローチについても教えてください。
きちんと真面目に歯科受診を続けられる方は、実はご高齢の方に多いんです。ところが体が思うように動かなくなっていくと、受診したくても通えないという事態が起こります。口の健康・不健康が全身の健康にも直結しますから、そういう方に向けて何かできないかと考え、この春からスタートする予定なのが訪問歯科診療です。当院の副院長は咀嚼補綴科で訪問診療を経験してきており、彼が自ら手を挙げて担当してくれることになりました。定期的なチェックやメンテナンスから虫歯や歯周病の治療やケアまで、基本的なことは在宅でも十分に可能です。対象となる大半はご高齢の方ですから、特に入れ歯の製作や調整には力を入れていくつもりです。訪問診療は患者さんやご家族から喜ばれることが多く、やりがいのある仕事だと思います。地域の皆さんのニーズに応えながら、他科や介護分野の方々とも連携した包括的な役割の一端を担っていければと思います。
5年先、10年先まで見据えた誠実な診療を提供する
ご多忙の中、休日はどのように過ごしていますか?
うちは妻と3人の子どもの5人家族で、休日はもっぱら家族と過ごすようにしています。以前から家族旅行にもよく出かけていてマイルもかなりたまっていますから、それを有効活用するためにここ数年は北海道旅行を楽しんでいます。実はおととしに初めてスキーデビューをしたのですが、すっかり夢中になり、今は子どもたちと一緒になってゲレンデを満喫しています。5歳になる末の娘も一生懸命に滑っていますよ。家族との時間が私の励みになっています。まだみんな小さいので今は妻に子育てで苦労をさせていますが、子どもたちの将来のためにも父親として頑張らねばと思います。
今後、取り組んでいきたいことはありますか?
もともと感染症対策には力を入れていましたが、口腔外バキュームを全ユニットにそれぞれ設置するなどの措置を新たに講じました。今後はさらに高性能な滅菌器や自動洗浄機、自動精算機などを導入し、院内の衛生環境をいっそう高めていきたいと考えています。密を避けるために廃止したカウンセリングルームも復活させたいですね。皆さんが何を望んで受診されるのか、それを知ることは治療の大切なポイントとなりますから、スタッフがきちんと対面でお話を聞ける環境はやはり必要です。こうした目に見えない部分こそ大切にしていきたいですね。
最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。
これまでずっと不言実行、中身で勝負と考えてきましたが、できることはできるとちゃんとアピールし、できないことはできないとはっきりとお伝えする。それが何より患者さんのためになると考えるようになりました。歯科治療というのは、いきなり劇的な変化が得られるものではなく、5年、10年たってから、じんわりと感じていけるものではないでしょうか。精密な治療を誠実に行えば、期待している変化はきっと表れるでしょう。自分の歯をしっかり守っていきたいという意識をお持ちの方であれば、お役に立つことができると考えています。これからも本当に皆さんのためになる、喜んでもらえる治療を提供していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~
ホワイトニング/2万2000円~
セラミック治療/4万1000円~
ワイヤー矯正/44万円~
マウスピース型装置を用いた矯正/110万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。