精密な処置で再発防止を徹底
スペシャリストに聞く「根管治療」
ところデンタルクリニック
(大阪市阿倍野区/阿倍野駅)
最終更新日:2025/01/16


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「昔治療した歯が痛い」「他院で歯を抜くしかないと言われた」などの際に、必要となり得る根管治療。知覚過敏のようなしみる感覚からズキズキとした痛みまで、口腔内のトラブルに悩んでいる人にぜひ検討してもらいたい治療法だ。「ところデンタルクリニック」の所篤司院長は、根管治療とともに歯科医師のキャリアを積んできたスペシャリスト。現在は根管治療の勉強会やセミナーなどで講師も務めている。そんな所院長に、根管治療とはどのような治療なのか、精度の低い根管治療はなぜ再発する可能性があるのか、根管治療において大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2024年4月4日)
目次
専門技術と先進材料を駆使した再発しにくい歯の根っこの処置。スペシャリストの考える「根管治療」とは
- Q根管治療とはどのような治療でしょうか。
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A
▲根管治療のスペシャリストの所院長
根管治療とは、歯の中にある血管・細胞・神経などが入っている歯髄に細菌感染や炎症が起こった際に、歯髄と細菌を取り除き、そこに薬剤を詰める処置です。歯髄は俗に「神経」と呼ばれ、一般的に「神経を取る」と表現されています。感染や炎症が発生する原因は、お口のケアが行き届いていない、過去に治療したかぶせ物に隙間ができて細菌が侵入した、もともと歯の質が弱い上に虫歯を放置してしまった、などさまざまです。もともと根管治療がされていた場合の再治療であれば、薬剤がしっかりと詰まっておらず、細菌がお薬の隙間を通って根の先にいってしまったということも。非常に細かくて難しい、高い精度が要求される治療といえます。
- Q他院で「歯を抜くしかない」と言われた場合でも相談できますか?
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A
▲患者の求めるニーズを把握することが大切と語る
歯を抜くか・抜かないかは、歯科医師個々の基準に則った判断となります。原因を特定できていて抜歯を決めるケースも、特定されていないけれどまずは抜歯という場合もあります。歯は自分の体であり、代えの利かないものですから、少しでも長く生かしたいと考えるのも当然のことである一方、状態が悪く治療したとしても1年しかもたないのなら、早く抜いてインプラントを入れる、という選択肢も間違いではありません。ただし治療の選択肢、特に根管治療を得意とするところであれば、それだけ歯を抜く・神経を取る可能性は低くなるでしょう。そういう意味でもセカンドオピニオンはとても大事だと考えます。
- Q昔治療した歯が痛むとき、どのような原因が考えられますか?
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A
▲根管治療は「治療精度」「再感染防止」が重要
根管治療を受けたにもかかわらず、その治療精度により細菌感染・炎症が再発することもあり「昔治療した歯が痛い」と受診される方も少なくありません。この理由には、お薬がきっちり詰まっていない、かぶせ物が時間の経過とともに合わなくなったなどが原因で隙間から細菌が侵入し再感染してしまったり、そもそも治療時に細菌を除去しきれていなかったりといったことが考えられます。そのため、最初の治療時の「治療精度」「再感染防止」に徹底的こだわった根管治療が重要なのです。この他、かぶせ物に問題がなくても、食いしばりがある、かぶせ物の接着剤が剥がれてしまったなどが原因となることもあります。
- Qこちらでは根管治療の際、どのようなことを大切にしていますか?
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A
▲マイクロスコープなどの機器を駆使し、原因を見逃さない
まずはマイクロスコープや歯科用CTなどの機器を駆使し、原因を見逃さないよう努めています。実際の根管治療では、根っこの処置からかぶせ物を装着するまで、技術・使用材料・手順とすべての観点から「再感染防止」を徹底しています。再び細菌に感染してズキズキと痛むような再発を避けるためにも、患者さんご自身の高い意識とご協力も欠かせません。根管治療は細菌との戦いであることをしっかりとご承知いただき、治療中の口腔ケアはもちろん、仮蓋の箇所では物を噛まない・外れた場合は至急ご連絡いただくなど、患者さんへの周知にも力を入れています。
- Q先生は根管治療の勉強会の主催や講師をしているそうですね。
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A
▲根管治療の専門家として、後進の育成にも力をいれる
学生時代に根管治療に興味を持ち、卒業後は根管治療のエキスパートとして知られている先生の歯科医院で基礎を学びました。院長だけでなく当時の副院長も根管治療の専門家で、その業務をお手伝いするようになったんです。そのうちスキル向上のため参加した勉強会や他の先生方と交流の際に、根管治療に関する質問を受ける機会も自然と増え、それが積み重なって指導的な役割も本格的に行うようになりました。私一人の力で救える患者さんの人数は限られていますので、全国で同じ技術・知識のある歯科医師を育成し、「治療を受けて良かった」と喜んでくださる患者さんを増やしていけたらと考えて取り組んでいます。
自由診療費用の目安
自由診療とは根管治療/7万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。