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加藤 泰司 院長の独自取材記事

医療法人優仁会 かとう整形在宅クリニック

(豊中市/少路駅)

最終更新日:2019/08/28

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外来診療と在宅医療の二本柱で、整形外科診療や充実したリハビリテーションを提供する「かとう整形在宅クリニック」。加藤泰司院長は、整形外科学やリハビリテーション科などの専門的な知識を有し、勤務医時代は数多くの手術に携わってきた整形外科診療の専門家だ。「患者さんの心に寄り添う診療を大切にしているので、距離感が近いとよく言われるんです」と笑いながら話し、その気さくで優しい人柄が患者や家族から慕われるのも納得だ。同院では、チューリップの花びらに見立てた患者を、両隣で医療と介護が支え合う様子をシンボルマークにするなど、介護との連携もしている。地域に根ざす加藤院長に、在宅医療にかける思いや展望などを聞いた。
(取材日2017年10月4日)

とことん患者と向き合いたい思いで、在宅医療を始める

開院当初は在宅医療専門のクリニックとして、始められたのですね。

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整形外科領域の中でも特に脊椎外科を専門とし、勤務医生活で多くの手術に携わりました。手術で患者さんの症状が良くなることにやりがいを感じる一方で、慌ただしい外来診療では患者さんと接する時間が限られ、次第に「患者さんに深く関わる在宅医療なら、一人ひとり丁寧に向き合えるのでは」と思うようになりました。そこで、2009年に在宅医療専門のクリニックを開院したんです。当初から理学療法士らが自宅に伺う訪問リハビリテーションも行い、その要望の多さから、地域でのリハビリテーションの必要性を感じていました。訪問診療や訪問リハビリで動けるようになった患者さんが次に通える場所をつくりたいという思いも重なって、従来の在宅医療に加え、外来診療と運動器リハビリテーション、通所リハビリテーションを充実させたクリニックとして、こちらにリニューアル移転しました。

外来診療では、どのような診療が受けられますか?

多くは70~90代のご高齢の方で、腰や膝の痛み、足のしびれなどで来られます。またスポーツをする中高生も増えてきました。開院前に勤めた市立豊中病院では、脊椎外科の医師として多くの脊椎手術を行いました。さまざまな症例を診てきたので、手術で良くなると判断した患者さんには手術を勧め、提携先の大規模病院に紹介します。手術後はまたうちのクリニックの運動器リハビリテーションを受けられる患者さんも多いです。ほかにも、高齢者の骨折は車いす生活や寝たきりとなる原因につながるので、健康寿命を延ばすためにも、骨折を防ぐことが肝心です。当院では骨密度測定装置を導入し、骨粗しょう症の早期発見、治療に努めています。特に閉経後、ホルモンバランスの関係で骨粗しょう症のリスクが高まる50歳以上の女性は、一度検査を受けていただきたいですね。

同院で行われる、リハビリテーションについて教えてください。

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物理療法も行いますが、自身の体を維持するためにも体を動かすことが重要と考え、積極的に運動機能訓練を行っています。外来での運動器リハビリテーションのほか、介護保険をお持ちの高齢者には自立した生活を送ることを目標に、理学療法士や作業療法士が個別で症状に合わせた機能訓練などを行う通所リハビリテーションも行っています。訪問リハビリテーションでは、訪問先でベッドやトイレの位置など、生活に密着しながら自宅の動線がわかるので、実際の生活環境での動作指導のほか、手すりをつけるなど住環境の設定も一緒に行います。訓練を受けて歩けるようになると、「今度は外に出て、通所リハビリテーションに切り替えよう」と、目標もできるので、患者さんのやる気につながっています。

”病気だけでなく人を診る”診療で信頼関係を構築

診療するうえで、大切にされていることはありますか?

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患者さんの話によく耳を傾け、このクリニックに来てよかったと思ってもらえる診療です。人と接することが好きで、できるだけ寄り添う診療を心がけています。いつの間にか患者さんとの距離が近くなり、勤務医時代は同僚から“10センチ診療”などと言われていました(笑)。特に在宅医療では「自分の家族だったらどうするか」を念頭に置いているので、時々患者さんの病状が気になって電話をかけると、「まさかお医者さんから電話がくるとは思ってもいなかった」と、喜ばれる方もいらっしゃいます。患者さんを丁寧に診る思いは当院のスタッフにも日頃から伝えているので、院内全体で温かい医療を提供したいです。

在宅医療について教えてください。

整形外科疾患だけでなく、脳梗塞や認知症、がん末期の方までいろいろな患者さんに在宅医療を提供しています。当院では100人ほどの患者さんを診ていますが、クリニックから約4キロ圏内のお宅に伺い、24時間対応の往診も可能です。症状ですと、運動器疾患が半数を占めるほか、寝たきりになった患者さんや最近では認知症の方も増えていますね。専門は整形外科ですが、在宅医療では内科的疾患などを併発する場合もあり、内科や皮膚科疾患にも対応します。難しい病状に関しては、専門の医師に相談したり、時にはご自宅で心電図を取り、ファックスを送って意見を求めたりと、在宅でも安心して医療が受けられる体制を整えています。患者さんやご家族によって求める医療は異なりますので、あらゆる選択肢をお伝えし、ご家庭で納得のいく診療を行います。

加藤院長にとって、在宅医療の魅力は何ですか?

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ご自宅で患者さんの趣味や生活環境などを深く知ることができ、それぞれの人生を聞いていると温かい気持ちになります。“人間くさいところ”が好きで、治療以外の話をすることで信頼関係が生まれたり、家族のように相談していただけることに、やりがいを感じますね。心に残るのは、2年ほど訪問診療させていただいた女性の患者さんの最期をお看取りした際、ご主人から「先生を選んで良かった」と言葉をいただいたことです。そのご主人がとても熱心に奥さまの介護をする姿も印象的でした。介護の現場ではさまざまなドラマがあるので、人生の先輩である患者さんから学ぶことが多くあります。患者さんや家族の思いを最優先に、とことん最期まで寄り添えるのが在宅医療のやりがいです。

医療と介護が結束し、地域の高齢者を支える環境づくり

介護従事者との連携を深めるため、さまざまな工夫もされているのですね。

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医療のみで在宅の患者さんを支えることは難しく、地域のケアマネジャーさんや介護ヘルパーさんなどの、多職種の人と協力することが重要です。当院では、“互いの顔が見える環境づくり”を掲げ、医療と介護従事者向けの勉強会を、開院当初から年10回開いていて、これまでに85回開催してきました。医師や製薬メーカーの方を講師にお招きし、テーマも「がん患者を自宅で看取る」などさまざまで、専門性が高く、受講者からも好評です。ほかにも、趣味のゴルフを通じてコミュニケーションを図ろうと、休日に当院のスタッフや、訪問看護師さんらを誘って「かとクリコンペ」を開催するなど、日頃から交流の機会を設け、意見交換などに役立てています。

医師を志したきっかけを教えてください。

幼少期から病気がちで、喘息も患っていたので、毎週のように近所の小児科に通っていたのがきっかけです。そこで診てくれた小児科の先生がとてもかわいがってくれて、幼心に「こんな大人になりたい」と憧れを抱くようになりました。小学校の卒業文集でも「医師になりたい」と書いていましたね。整形外科に進んだのは、医師になったからには手術をしたいと思ったのと、高齢化が進み、今後整形外科疾患は増えると思ったので、患者さんから必要とされる分野だと感じたからです。

今後の展望をお願いします。

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在宅医療では、当院のように外来診療をしながら、通院が難しくなった患者さんに訪問診療を行う外来併設型の在宅クリニックや、呼吸器をつけた神経難病の患者さんやがん末期の患者さんなどの看取りを数多く行う在宅医療専門のクリニック、グループホームや有料老人ホームなど施設を専門に訪問するクリニックなどさまざまな形態のクリニックがあります。どのタイプのクリニックもこれからの高齢化社会を支えていくには必要だと思いますし、近い未来、団塊の世代が後期高齢者となる超高齢社会を迎え、在宅医療のニーズも高まる中、これら多様な在宅医療を行うクリニックと介護事業者が協力し、地域に根付くことが大切です。その連携の橋渡しの一旦を担うことができればと思っています。今後一層つながりを広めて情報共有に努め、地域のかかりつけ医として、近隣のご高齢の方が安心して暮らせる環境づくりをしていきたいです。

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