川畑 雅照 院長の独自取材記事
日比谷川畑診療室
(港区/内幸町駅)
最終更新日:2026/05/15
内幸町駅直結、新橋駅からもほど近い西新橋スクエア3階にある「日比谷川畑診療室」。オフィス街の中心に位置する同院には、日々多くのビジネスパーソンが訪れる。各分野の専門家が幅広い症状に対応しながら、必要に応じて専門的な診療へとつなぐ体制を整えていることが特徴だ。「幅広く患者さんを受け止め、必要な医療へとつないでいくことが大切です」と話す川畑雅照院長に、これまでの歩みと診療に対する思い、そして同院の医療体制について話を聞いた。
(取材日2026年3月4日)
「かかりつけ医」機能から専門診療まで幅広く対応
こちらの診療所について教えてください。

「一人ひとりに寄り添う医療」を基本理念に掲げ、「人と企業と社会に信頼、安心、満足を提供する」ことを大切にしています。病気そのものだけを見るのではなく、患者さんがどのような生活を送り、どのような環境で働いているのかという背景まで含めて健康を支えていくことが、当院のめざす医療です。この地域はオフィス街であり、来院される方の多くはビジネスパーソンです。そうした土地柄もあって、日々の診療では目の前の症状に対応するだけでなく、働く世代の健康をどう支えるかという視点が欠かせません。一般的な内科診療に加え、予防医学や産業医学の考え方も生かしながら、個人にとっても企業にとっても身近で頼れる診療所でありたいと考えています。
どのような診療に対応していますか。
大きく3つの柱で成り立っています。まず1つ目は、日々の不調から慢性疾患まで幅広く診る一般内科診療です。風邪などの急性疾患はもちろん、高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の継続的な管理にも力を入れ、咳や呼吸器症状を訴える方にも丁寧に対応しています。2つ目は、健康診断や予防接種を中心とした予防医療です。港区の特定健康診査も実施していますが、中心となるのは企業健診で、年間を通じて多くの方が来院されています。一般的なワクチンに加え、海外赴任や海外出張を控えた方へのトラベルワクチンにも対応しています。そして3つ目が、ビジネスパーソンの健康支援です。体だけでなくメンタル面にも注視しながら、今後も働く世代の健康を多面的に支えていきたいと考えています。
身近な診療所でありながら、専門的な診療にも対応されています。体制について教えてください。

当院は、街中の診療所として幅広い症状や不調に対応しつつ、必要に応じて院内の専門医師や外部の高度医療機関と連携できる体制を整えています。院内では、私の専門である呼吸器内科に複数の日本呼吸器学会呼吸器専門医が在籍し、循環器内科、糖尿病内科、消化器内科、神経内科などにも各分野の専門医師がそろっています。そのため、糖尿病や不整脈、神経内科的症状などについても、院内で症状に応じた専門的な診療を受けていただけます。さらに、入院や高度な検査、専門的な治療が必要な場合には、虎の門病院をはじめ、国立がん研究センターやがん研有明病院、順天堂大学などとも連携しながら対応しています。診療所でまず広く受け止め、その後の状態に応じた医療へ適切に導いていけることが、当院の医療体制の強みだと考えています。
患者の背景を見据え、一人ひとりに適した医療を提案
院内の設備や検査体制についてはいかがですか。

院内にはCTを備えており、撮影後すぐに結果を確認しながら診療を進められることは大きな強みです。特に肺の病気は診断にCTが役立つことが多く、迅速な判断につながります。また、呼吸機能検査も充実しており、一般的なスパイロメトリーに加え、呼気一酸化窒素測定や広域周波オシレーション法による検査も導入しており、喘息やCOPDなどの呼吸器疾患をより精密に見極めるのに役立てています。さらに、白血球やCRPなどの迅速検査にも対応しており、病状を早い段階で把握しやすい体制です。内視鏡検査は日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医が担当し、毎日実施しています。苦痛を抑えながら質の高い検査を追求することで、早期胃がんや早期食道がんの発見につなげます。健康診断も結果をお返しして終わりではなく、その後の精密検査や専門的な診療まで院内で対応できる体制を整えています。
先生はどのようなご経験を経て、現在の診療に至られたのでしょうか。
大学卒業後、できるだけ幅広い診療を学びたいと考え、虎の門病院での臨床研修で内科全般を広く学んだ後、呼吸器内科を専門にし、長く診療を続けてきました。呼吸器の領域は、感染症、がん、慢性疾患、アレルギー、人工呼吸管理など非常に幅広く、日常診療に近い病気も多いため、自分の志向に合っていると感じたんです。高度医療の現場でしっかり経験を積みながらも、もともと自分の中には将来的に幅広く患者さんを診る診療に携わりたいという思いがありました。この診療所には、虎の門病院勤務時代に週1回非常勤として診療に携わっており、その後、前任院長の引退を機に引き継ぐこととなりました。高度医療の現場で培ってきた経験を生かしながら、街中の診療所で幅広く患者さんを受け止め、必要なときには専門的な医療へつないでいく。現在の診療スタイルは、そうしたこれまでの歩みの延長にあると思っています。
日々の診療で大切にしていることを教えてください。

患者さん一人ひとりに真摯に向き合うことです。忙しいときには十分な時間を取れないこともありますが、できるだけ訴えを丁寧に聞き、納得していただける医療を提供したいと考えています。当院では咳を主訴に来院される患者さんが非常に多く、クチコミで受診される方もいらっしゃいます。咳の診療では呼吸機能検査などを行いながら原因を見極め、吸入薬の使い方なども含めて丁寧に説明しています。場合によっては1人の患者さんに15分から20分ほどかけることもありますが、きちんと理解していただかないと症状の改善につながらないことも多いため、この部分は大切にしていますね。また、患者さんにより理解してもらえるよう、喘息や咳、高血圧などについて説明する資料を自分で作成し、お渡ししています。限られた診療時間の中でも内容をきちんと伝えられるよう、そうした工夫を重ねています。
都市部で身近な相談窓口としての役割を担う
都市部の診療所には、どのような役割が求められているとお考えですか。

都市部では医療機関へのアクセスが良いため、すべての医療を一つの診療所で完結させる必要はないと思っています。ただ、体調に不安があるときにまず相談できる場所として、幅広く患者さんを受け止める医療はとても重要です。いわゆるプライマリケアという、最初に相談できる身近な医療の役割ですね。例えば胸が痛いからといって、すべての人が最初から循環器内科を受診するわけではありません。まずプライマリケアを担う医師が診察し、本当に専門的な医療が必要かどうかを見極める。いわばゲートキーパーのような役割だと思います。当院でも、できるだけ幅広い症状に対応しながら、状況に応じて適切な専門医療へ案内していくことを大切にしています。
医師会の活動や地域医療にも関わっていらっしゃるそうですね。
医師会の活動を通じて、地域医療や公衆衛生にも関わっています。例えば港区で行われている肺がん検診では、AIを活用した読影の取り組みなども進められており、そうした活動にも携わっています。診療所で日々患者さんを診ることはもちろんですが、地域全体の健康を支える仕組みに関わることも医師の大切な役割だと考えています。こうした取り組みを通じて、少しでも多くの方の健康に貢献できればと思っています。
今後、どのような診療所にしていきたいとお考えですか。

多くの医師が関わる診療所ですので、診療の質をできるだけ均一に保つことは大切だと考えています。非常勤の先生方も含め、マニュアルの整備などを進めながら、安定した医療を提供できる体制を整えていきたいと思っています。患者さんには、「この診療所で良いのかな」と迷うことなく、気軽に相談に来ていただければうれしいですね。必要に応じて適切な医療機関につなぐこともできますので、まず最初の相談窓口として頼っていただければと思います。今後もビジネス街にある診療所として、働く世代の健康を支える医療を提供していきたいと考えています。

