総合病院と連携して行う
白内障・緑内障手術
まさみ眼科クリニック
(京都市山科区/東野駅)
最終更新日:2025/09/30
- 保険診療
京都市山科区にある「まさみ眼科クリニック」は、医療を必要としている人に必要な医療を届けたい」と、奮闘するクリニック。院長を務める朴真紗美(ぱく・まさみ)先生は、クリニックでの診療にとどまらず、現在も近隣の総合病院にも非常勤医師として勤務。白内障・緑内障などで手術が必要な場合や詳細な検査が必要な場合は、総合病院で先生自ら診療を行っている。また障害のある患者の眼科診療にも注力し、豊富な経験を生かして対応。患者それぞれの症状や事情に配慮した治療を提供しているとのこと。そこで今回は「クリニックの気軽さ」と「総合病院の安心」を両立する、同クリニックの白内障・緑内障の治療について聞いた。
(取材日2025年7月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q白内障や緑内障について教えてください。
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A
白内障は、カメラのレンズに相当する水晶体が白く濁る病気です。通常水晶体は透明で、通過した光が網膜に焦点を結んだ状態だと私たちは物をクリアに見ることができます。しかし水晶体が徐々に濁ってくると、光が乱反射して視界がかすんだり、二重に見えたり、まぶしく感じたりするようになります。主な原因は加齢で、特に50代以降の皆さんに見られます。一方、緑内障は視神経が障害され、視野が徐々に狭くなる病気で、40歳以上の5%の人に見られる病気です。初期は自覚症状が乏しいため気づきにくいのですが、障害された視神経は回復しないので進行すれば失明の恐れもあります。いずれにしても、40歳以降は定期的な眼科検診を勧めます。
- Q治療法はどのようなものがありますか?
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A
白内障には 目薬での治療もありますが、濁った水晶体を改善することはできず、有用性も限定的なので、希望者のみに点眼薬処方を行っています。しかしその場合もある程度進行すれば、濁った水晶体を取り除き代わりに人工眼内レンズを挿入する手術を行います。術後は視力回復が期待できます。緑内障は目薬やレーザー治療で眼圧を下げることをめざします。点眼が数種類となることもありますが、効果が不十分な場合には手術が検討され、症状や年齢、ライフスタイルなどを含めて術式を検討していきます。どちらも局所麻酔で行う手術ですが、不安が強い場合には笑気麻酔を併用することで不安も痛みも少なく楽に手術を受けることが望めます。
- Q手術はいつ、どんなタイミングで受ければいいですか?
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A
白内障手術は、日常生活に支障が出るほど視力が低下したと感じた時が一般的な目安です。例えば、文字が読みにくくなった、運転や歩行が不自由、まぶしさやかすみが強くなった、眼鏡を変えても改善しないといった場合には、手術を検討すると良いですね。ただ、白内障の場合は手術を急ぐ必要はありませんから、ご自身の生活スタイルを考慮しながらその時期を決めても大丈夫です。一方、緑内障の場合は視野欠損の進行を遅くすることが重要なので、医師が手術を勧めた場合は早めの治療が望ましいです。医師はこれまでの経過を含め、手術により良いタイミングを判断しています。不安があれば説明をよく聞き、前向きに決断してもらえたらと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・精密検査
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来院したらまずは問診票に記入。気になる症状がある場合は、いつからどのような症状に困っているか、生活面で困っていることはあるかなど、詳しく伝えよう。問診の後は、視力検査を行い、目全体に他の病気がないかなど、眼底検査・OCT検査などとともに、診察を受ける。人間ドックなどで異状を指摘されている場合は、検査結果を持参すると良いだろう。
- 2診察にて手術適応の決定
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診察にて白内障や緑内障、またその他の病気と診断された場合は、現在の状態の説明を受け、患者の希望も考慮しながら、治療計画が提案される。追加の点眼治療でなく、手術の適応となれば、予定している手術の術式などについての説明を聞き、同院が提携する近隣の総合病院での術前精密検査の予約を取る。同院の院長が勤務している水曜日午前あるいは木曜日午後で都合の良い日を選ぶ。
- 3総合病院での術前検査および手術日の決定
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総合病院で先進の機械にて手術に必要な検査を行う。手術に関する流れや合併症についてより詳しい説明が検査員や医師からあり、納得できれば手術日を決定。当日の診察は同院の院長が担当し、手術日は通常1~2ヵ月先の水曜日の午後または火曜日の午後となる。また手術前後の生活上の注意点の説明もあり、約3時間ほどかかる。当日は車での受診も可能。
- 4総合病院での手術
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手術は総合病院で行う。多数の専門のスタッフがいる体制で、安心して手術を受けられるよう配慮されている。緊張や不安が強い人は笑気麻酔を用いることでリラックスして手術を受けることができる。白内障の手術時間は多くの場合約10分だが、前後には目の消毒を行うため、30分間弱で手術室を出る。緑内障の手術時間は術式により違い5分から1時間以上かかるものもある。
- 5術後はクリニックにて定期的な診察と感染症対策が重要
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術後の通院は、再びクリニックで行う。術後に感染症を起こすことがあるため、指示どおりの通院や点眼を行うなど感染症対策に努める必要がある。通常の通院は、術後1日目、2日目あるいは3日目、次は4~6日目と、徐々に倍間隔になっていく。術後4日から1週間は手術した目をこすることや急な飛来物を避けるため、防護眼鏡の使用が推奨される。何か異常を感じた場合は、迷わずすぐに受診すること。

