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朴 真紗美 院長の独自取材記事

まさみ眼科クリニック

(京都市山科区/東野駅)

最終更新日:2025/06/19

朴真紗美院長 まさみ眼科クリニック main

京都市営地下鉄東西線東野駅6番出口から南へ約300メートルほど進んだビルの1階に「まさみ眼科クリニック」はある。オレンジ色のダウンライトに照らされた落ち着いた雰囲気の待合室には茶室の設えがあり、茶道をたしなむ朴真紗美(ぱく・まさみ)院長の患者への心遣いが感じられる空間となっている。朴院長は、緑内障を中心とする一般診療に力を注ぐ中で、障害のある患者の眼科診療にも対応。その穏やかで優しい口調からは、包容力とタフな面も垣間見えた。上品なたたずまいのクリニックにて、朴院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2019年11月18日)

地域の人々が気軽に頼れる眼科クリニックをめざして

大学を卒業してから開業までの経歴をお聞かせください。

朴真紗美院長 まさみ眼科クリニック1

1992年に滋賀医科大学を卒業してから4年間は神戸中央市民病院に勤務し、眼科と救急を学びました。その後、母校の大学院に進学。卒業後、2006年までは京都府宇治市にある千原眼科医院に勤務しました。専門である緑内障の手術や論文書きなどの指導を受け、その後は韓国に1年間留学しました。帰国後は京都市内の武田病院と音羽病院で臨床経験を積み、2014年に当クリニックを開業しました。

眼科を専門に選んだのはどういったきっかけだったのでしょうか。

治療することが患者さんの社会復帰につながりやすい分野であること、また、直径わずか24mmという小さな眼球に神経をはじめさまざまな組織があり、シンプルな中にも奥深い魅力を感じ眼科を専攻しました。韓国への留学は大きなターニングポイントでした。大学院生の頃に韓国ドラマに興味を持ち、しばらく途絶えていた韓国語の勉強を再開。すると韓国社会を知りたいという思いが次第に強くなり、主人の許可を得て40歳代前半でしたが1年間留学しました。当初はソウル市内の延世大学の研究室に属していましたが、病院勤務を希望し就職活動を行うも予想以上に閉鎖的な社会で、結局は病院での臨床経験を持てずに1年で帰国しました。しかし多くの韓国の先生方と知り合い、今も交流が続いています。

開業に至った経緯についてお聞かせください。

朴真紗美院長 まさみ眼科クリニック2

帰国後に3年間ほど、離島の奄美大島で数ヵ月に数日間障害児だけを診療する機会がありました。検査や診察が難しい障害児たちも、適切な眼鏡をかければさまざまなものに興味を持ち、言葉も多くなる様子にも驚きました。岐阜県の視能訓練士とともに働いたのですが、屈折異常があれば早期に眼鏡を装用することの大切さを教わりました。眼鏡一つで人生が変わり、またその家族が変わるこの医療を行いたいと思い、そして障害児だけでなく、日中病院受診が難しい多忙な若者にも病院レベルの診療を届けたいと、開業を考えました。開業を始めた頃のこのクリニックは、半日を0.5日と考えると週に4回の計2日しか診療していない状態でした。今ではクリニックと病院勤務の比率は逆転し、地域の方が気軽に頼れるクリニックとして一般診療を主として手がけています。その中で障害のある方には予約時間などに配慮して診療を行っています。

医療を必要とする人に、できる限りの医療を届けたい

特に印象に残っておられるような患者さんとのエピソードはありますか。

朴真紗美院長 まさみ眼科クリニック3

以前、手術も担当したアトピー性白内障の20歳の男性です。知的レベルは3歳、体重は100kg、自閉症とアトピー性皮膚炎があり顔面をたたく自傷行為もありました。左目は自傷から網膜剥離になり見えない状態に。右目は白内障により視力が低下し、行動がおかしいとのことで私のもとに来られました。ご自宅近くの大学病院では興奮して暴れ近づくこともできなかったとのことです。自閉症の方は新しい環境に慣れるのに時間がかかります。まず診察室に入られるまでに数回通院いただきました。また、外来診察・検査・入院施設などの様子をタブレット型端末で撮影し、事前に見ていただくことで徐々に慣れていただきました。麻酔導入の練習も何度も行い、病棟スタッフも自閉症の勉強会を開くなど、多くのスタッフに協力いただき手術に臨みました。治療が難しい方、障害のある方にこそ、きちんと医療を届ける必要があるとあらためて感じた次第です。

患者層やクリニックの体制についてお聞かせください。

午前診は主に私の専門である緑内障や白内障のあるご高齢の方、夕診はドライアイや結膜炎などがある仕事帰りの方や、近視の進行が見られるお子さんの受診が多いです。受付は数人のスタッフが対応し、検査は眼科検査の専門員である視能訓練士が主に担当しております。当クリニックには手術設備はありませんが、非常勤で勤務している総合病院で、外来および手術も行っており、初診から手術、術後のフォローまで担当させていただいています。病院で手術を行うメリットは、術前検査を先進の設備で行える点と、術中や術後の対応も多くのスタッフでしっかりと対応でき安心して手術を受けていただける点です。また手術だけでなく 、いろいろな病気の診断や治療方法に対しても、病院のいろいろな先生方の意見を聞き入れてより良い治療を提供できることも当院の特徴の一つです。

緑内障や白内障の手術について、読者に伝えたいことはありますか。

朴真紗美院長 まさみ眼科クリニック4

以前は手術といえばハードルが高く、合併症も多かったのですが、近年は合併症の少ない短時間で行える手術もあり、患者さん一人ひとりの生活の背景を踏まえつつ、手術を含めたさまざまな治療方法をご紹介できるようになりました。例えば、緑内障の患者さんの多くの方は何種類もの目薬をずっと継続しておられますが、手術をすることで点眼の本数や回数を減らすことも見込めます。私自身が直接手術を担当しており、しっかりご納得いただいてから治療に進むということを大切にしておりますので、目について気がかりなことのある方はぜひ気軽にご相談ください。

近隣の病院でも外来・手術を行い、より良い治療を提供

待合室に茶室があることに驚きました。

朴真紗美院長 まさみ眼科クリニック5

担当患者さんの一人に茶道をされているたいへんすてきな方がおられます。私もお茶の飲み方ぐらい知りたいと思い、十数年前に茶道を習い始めました。茶道を通して禅を学んでいます。良いことも悪いことも、起こった出来事を静かに受け止めていくという自分のトレーニングになりますね。このクリニックの大まかな設計は私が行いました。子どもの点眼を畳に寝かせたほうが行いやすい場合もあり、またお茶室やお道具が持つ心を落ち着かせる効果も活用したく、この畳の空間を考えました。待合室入り口の扉も外枠以外は透明のアクリル板に変え、白い細いテープを格子状に張ることで、障子扉をイメージしました。クリニックに思えない内装だけれど落ち着いた待合室ですねと、意外と好評です。

お子さんをお持ちの保護者に伝えたいことは?

子どもの視機能の感受性は1歳半がピークともいわれています。最近は遠視・近視・乱視の有無を簡易に測定できる機器が3歳児健診や小児科などで使用されており、幼少児でもスクリーニングできる機会が増えました。異常があればすぐに専門的に診てもらってください。眼鏡は処方箋を発行するだけでなく、お顔立ちに合った眼鏡フレームを紹介するほか、使用されている眼鏡が合っているかなど、装用状態もフォローするように心がけています。また40歳以降の方にも一度眼科受診をされることをお勧めします。気づかない間に視野欠損が進行する緑内障は40歳以降の日本人の5%に見られるといわれています。60歳代、70歳代の方が初めて眼科を受診され、中期あるいは末期まで進んだ緑内障を指摘されることもありますよ。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

朴真紗美院長 まさみ眼科クリニック6

今は情報の80%は目から入る時代といわれています。乳幼児期に屈折異常をきちんと矯正し、よく見える状態で過ごしていただくことは、その時期の発達に大いに関係するとても大切なことです。当クリニックには検査の際に顎台に顔を載せられなくても、手持ち用の検査機器などをそろえてありますので、他の病院で検査ができないと言われた方にも、可能な範囲での検査・診察を進めていきます。私は現在も総合病院で外来を担当し、手術を行っています。緑内障・白内障をはじめさまざまな病気に対しても、病院レベルの診療を受けられる身近なクリニックとしてもご利用ください。

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