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山口 美薫里 院長の独自取材記事

山口歯科医院

(豊島区/要町駅)

最終更新日:2021/10/12

山口美薫里院長 山口歯科医院 main

東京メトロ有楽町線・要町駅から徒歩2分、地域のかかりつけ歯科医院として3代続く「山口歯科医院」を訪ねた。住宅街に溶け込んだそのアットホームなたたずまいが、これまでの長く確かな歩みを感じさせるクリニックだ。院長の山口美薫里(みかり)先生は、虫歯、歯周病、義歯、噛み合わせなど一般歯科の幅広い診療に対応。患者との対話を重視し、治療内容の説明やセルフケアのアドバイスまで、そのわかりやすく親身な声がけに多くの患者が信頼を寄せる。「話し好きだった父の診療スタイルと似ているかもしれませんね」と笑顔で語る山口院長に、曽祖父の代から続くクリニックの歩みや、日々の診療にあたって大切にしていること、得意とする義歯治療についてなど、幅広く話を聞いた。

(取材日2021年6月17日)

3代目院長としてオールラウンドな歯科医療を提供

こちらは3代続く歯科医院だそうですね。

山口美薫里院長 山口歯科医院1

私の曽祖父がここで開院し、父に引き継がれ、私で3代目になります。実家もこの要町でしたから、このエリアも歯科医院も私にとっては幼い頃から慣れ親しんだ場所なんです。この辺りは古くからの住宅街で、患者さんの中には、父の代からもうかれこれ40年以上もかかりつけで通い続けてくださっているような高齢の患者さんもいらっしゃるんですよ。最近は平日の最終受付時間を夜7時30分に設定していることもあり、20代~40代の患者さんが多く来られています。

診療にあたって心がけていることを教えてください。

当院はかかりつけ医として、一般歯科をオールラウンドに手がけています。だからこそ、患者さんが何を求めてここに来ているのか、何に一番困っているのかということを患者さんからじっくりお聞きし、その問題解決のために必要な治療の流れをわかりやすくお伝えするようにしています。患者さんの中には、過去の歯科治療で「上の虫歯を治療しているはずが、下の歯を削られた」「疑問に感じることがあったけど、言い出せなかった」といった苦い経験をお持ちの方が、思った以上に多くいらっしゃるんです。歯科医師が必要と判断して行った正しい処置であっても、十分に説明しなくては患者さんには伝わりませんし、小さな誤解の積み重ねが不信感につながってしまいます。当院では対話を重ねる中で患者さんが「なぜ?」と感じたポイントを残さず拾い上げて、小さなことでもしっかり説明するようにしています。

疑問や不安がない状態で治療に臨めると安心ですね。

山口美薫里院長 山口歯科医院2

そう思います。ただし、口の中のことですから口頭の説明だけでは伝わりにくいこともありますし、エックス線の画像をお見せしたところで、一般の方にとってはなかなかイメージしづらいですよね。ですから当院では口腔内写真や歯の模型を活用したり、その場で図に描いたりして、視覚的なわかりやすさを意識した説明を行うようにしています。口腔内写真は治療前、治療中、治療後に随時撮影しますから、それらを並べて見るだけでも治療の進捗が理解しやすいと思います。ご高齢の患者さんで治療内容の説明がよくわからないといった方には、必要に応じてご家族あてにその日行った治療内容を手紙に書いて、帰りにお渡しすることもあります。

こだわりの義歯治療で患者の生活をより豊かなものに

先生が歯科医師を志したのはやはりお父さまの影響が大きかったのですか?

山口美薫里院長 山口歯科医院3

私は3人きょうだいの真ん中で育ったこともあり、もともと家業を継いで歯科医師になるなんて考えたこともありませんでした。服飾のデザインなどに興味があって、自分の手で何かを作り出していくような職業に漠然と憧れを持っていました。歯科医療に携わった最初の機会は高校生の頃。父に頼まれて、ここで歯科助手のような仕事を手伝っていたんです。父はいわゆる昔の歯科医師なので、患者さんの診療だけでなく、歯科技工のような仕事も全部1人でこなすようなタイプ。そんな父の様子を間近で見ているうちに、歯科医師の仕事に少しずつ興味を惹かれていきました。

勤務医時代のことも少し教えていただけますか?

大学卒業後は一般歯科のクリニックで経験を積みました。父と同世代の院長が「失敗を恐れずなんでもやってみなさい」と言ってくださり、フォローしていただきながらいろいろな経験を積むことができました。院内に歯科技工室があったので、技工士さんとコミュニケーションをとりながらのチーム医療にも携わった当時の経験が、現在の診療にも生かせていると思っています。勤務先の休診日にはここに来て父と一緒に診療することもありました。父の世代は職人気質の無口な歯科医師が多かったと思いますが、父はその真逆で、患者さんから冗談交じりに「先生は診療時間より話をしている時間のほうが長いんだから」と言われるくらい、根っからの話し好き(笑)。何げない雑談も交えて患者さんにリラックスしてもらいながら診療するスタイルは、無意識ですが私にも受け継がれているかもしれませんね。

診療の中で特にこだわりを持って取り組んでいることはありますか?

山口美薫里院長 山口歯科医院4

義歯治療です。保険にするか、自費にするかでデザインも異なりますから、患者さんのご希望とすり合わせながら、その方に合ったものを作り上げていくプロセスにやりがいを感じて取り組んでいます。保険で作った義歯と自費の義歯の大きな違いは見た目と装着感といわれていますが、感じ方には当然個人差があって、保険で作った多少厚みのある義歯でもさほど気にならないという方がいる一方、自費で薄い入れ歯を作ったのに口に入れるのが不快でつけたくないという方もいらっしゃいます。ですから当院では、初めて義歯を作られる方にはいったん保険で作ることをお勧めして、合わないと感じるようなら自費のものを検討していただくようにお話ししています。ご自分の口に合った義歯はその方の生活を豊かにする側面があると考えています。

コミュニケーションを深め、患者と確かな信頼関係を

噛み合わせの治療も多く手がけてこられたそうですね。

山口美薫里院長 山口歯科医院5

「この痛みは絶対虫歯だと思うんですけど、よその歯科医院で虫歯はないと言われたんです」といったご相談がよくあるのですが、痛み=虫歯とは限りません。噛み合わせが悪くなることによって虫歯のような痛みが出たり、顎や首の痛み、肩凝り、口が開けられなくなるなど、さらに深刻な症状につながる可能性があるのです。噛み合わせの不具合は、いつも同じほうを下にして寝ている、同じ側で頬づえをついているといった無意識の習慣が影響しているほか、詰め物をした部分と噛み合わせる天然歯の硬さの違いから、詰め物が削れることによっても起こります。噛み合わせが崩れてきていることをご本人が気づくことは難しいですから、やはり痛みや不具合がなくても、定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。

噛み合わせをいい状態に保つためにも、定期的な通院習慣が欠かせないのですね。

お会計時に次回の予約を促したり、個別に案内はがきを送ったりといった具合に、こちらから定期的な受診を働きかける方法もあるとは思いますが、患者さんが口腔環境をご自身の体の一部と捉えて、自ら危機意識を持って通院習慣を身につけることが大切です。最近は歯に対する意識の高い患者さんが多く、本当に頼もしく感じますが、一方でセルフケアをやりすぎている傾向があり、少し心配しています。歯間ケアでデンタルフロスを熱心にしすぎたり、ブラッシング時に力を入れすぎているために歯茎が傷だらけになっている方が増えているのです。せっかくのセルフケアがトラブルのもとにならないように、いま一度ご自身のセルフケアを見直し、道具がご自身の口の状態に合っているかどうかも含めて、歯科医師のアドバイスを受けることをお勧めします。

最後に今後の展望と、読者に向けたメッセージを一言お願いします。

山口美薫里院長 山口歯科医院6

新型コロナウイルスの流行で感染症の不安が高まってきて以降は、ほぼ完全予約制のようなかたちで診療しているので、個室のような感覚でほかの患者さんを気にせず治療を受けられます。これからも患者さんにとって居心地の良い診療環境を整えていきたいですし、近いうちに私と同じ方向を向いてクリニックを支えていただけるスタッフさんを探したいとも考えているところです。これからも身近なかかりつけ歯科医院として、予防も含めた基本的な歯科診療をきちんと提供しつつ、コミュニケーションを大切にして患者さんとの信頼関係を深めていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

総義歯/15万円〜36万円、部分入れ歯、部分入れ歯/10万円〜25万円、かぶせ物/6万5000円〜13万円、詰め物/2万2000円〜6万円

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