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宮武 良輔 院長の独自取材記事

駿河台こころのクリニック

(千代田区/御茶ノ水駅)

最終更新日:2025/09/05

宮武良輔院長 駿河台こころのクリニック main

JR中央・総武線、東京メトロ千代田線、東京メトロ丸ノ内線、都営新宿線など複数路線が交差する神田・御茶ノ水エリア。「駿河台こころのクリニック」はJR中央・総武線の御茶ノ水駅、東京メトロ千代田線の新御茶ノ水駅、淡路町駅、都営新宿線小川町駅のいずれからも徒歩5分以内とアクセス至便な場所に位置している。2014年の開業以来、院長の宮武良輔先生はこの地を行き交う人々が抱える心的ストレスやそこから引き起こされる症状と向き合ってきた。その経験から宮武院長は「心の病は誰でもなり得る」と語る。強いストレスにさらされ続けると、人はどのような不調が現れるのか、診療を行う上で大事にしていることは何か、さらにクリニックのロゴにも採用するほど大好きなレコードについてまでたっぷりと語ってもらった。

(取材日2025年4月17日)

心の病は誰でもなり得る

精神科と心療内科を掲げていらっしゃいますが、どのような違いがあるのでしょうか。

宮武良輔院長 駿河台こころのクリニック1

精神科は気持ちの落ち込み、不安、イライラ、やる気が出ない、眠れないなど、心の病を扱う診療科です。病名でいうと、うつ病や躁うつ病、パニック障害や不眠症などです。それに対して、心療内科はさまざまなストレスを原因として、体に症状として出てくるようなものを扱う診療科になります。体の症状とは、例えば胃が痛くなる、頭痛がするなどです。それから、当院を受診される方で、圧倒的に多いのは適応障害ですね。

適応障害とはどのような症状で、どういう人が発症しやすいのでしょうか。

適応障害とは、日常生活で生じるストレスにうまく対応できず、さまざまな精神的な症状や行動面の変化が現れ、生活に支障をきたす心の病です。症状は、夜眠れない、会社に行くのが不安、食欲不振、朝起きると気分が落ち込んでしまう、人間関係でイライラするなどです。このエリアは仕事上でさまざまなストレスを抱えてしまい、不調を訴えて来られる方が多いですね。適応障害に限らず心の病は、真面目で何事も一生懸命頑張る方、完璧主義で責任感が強い方が発症してしまうことが多いです。このような方は何か問題が発生した時に、自分に問題があるんじゃないかと自分のことを責めてしまいます。そのほか、もともと人との関わりで緊張しやすい方、人の目が気になってしまう方も多いです。そのような傾向がなくても、職場の上司が非常に厳しいとか、人間関係で悩むといった環境下でも発症する可能性があります。つまり、心の病は誰でもなり得るものともいえます。

心身の不調を感じた時、どのようなタイミングで来院したほうがよいでしょうか。

宮武良輔院長 駿河台こころのクリニック2

最もわかりやすいサインとなるのが睡眠です。夜寝て、朝起きるというリズムが乱れ、眠れない状態が1ヵ月続く場合は専門医師の診察を受けたほうが良いと思います。不眠という症状は、適応障害、うつ病やそのほかの心の病気にも共通して出てきやすい症状です。また、休みの日は何もやる気が起きなくて寝込んでいる、以前は楽しめていた趣味が全然楽しめなくなったということも要注意です。そのほかにも食欲が出ない、不安でたまらない、動悸がするといった症状もわかりやすいサインだと思います。

適切な治療はじっくり話を聞くことから

先生が診察を行う上で大事にしていることは何でしょうか。

宮武良輔院長 駿河台こころのクリニック3

適切な治療を行うためには、まず正確な診断が重要です。特に初めて来院される方は「こんなことで受診してもいいのか」「ちゃんと話を聞いてくれるのか」と考えがちです。なので、まずは話しやすい雰囲気づくりから始め、できるだけ時間をかけて話を聞くことを心がけています。「眠れていますか」「ご飯は食べていますか」といった質問を連発するのではなく、患者さんの趣味の話や休日の過ごし方などを聞き、また雑談も交えるようにしています。雑談から普段の生活状況やオフの時間の過ごし方がわかり、診断のヒントになることも。真面目で頑張り屋さんは、心の不調があっても仕事は無理して頑張る、しかし帰宅後あるいは休日は何もできずに寝込んでいる場合が多いです。あとは、自分が患者さんやその家族だったらどうするか、どう感じるか、その方の立場に立って考えるようにしています。もちろん、診断をつけた後も時間をかけて話を聞くように努めています。

治療はどのように行われるのでしょうか。

心の病に対する治療は大きく分けて2つあります。1つは抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬などを使った薬物療法です。「薬に頼りたくない」「やめられなくなるんじゃないか」と不安を感じている方はたくさんおられますので、薬を使うことのメリット、デメリット、副作用などについても十分に説明した上で薬物療法を提案します。それでも薬は使いたくないと言われたら、できるだけ患者さんの希望を優先するようにしています。もう1つは認知行動療法です。これは考え方をネガティブなものからポジティブなものに変えていく治療法です。例えば、仕事を失敗した時、「何をやっても駄目」と考えがちだとすると、「失敗は誰だってする」「今度頑張ったらいい」といったポジティブな思考を引き出していく方法です。あとは置かれている環境によるストレスが強い場合は、仕事を休む、業務を少なめにしてもらう、部署異動をしてもらうための診断書を作成することもあります。

依存症の治療もされているんですね。

宮武良輔院長 駿河台こころのクリニック4

依存症には主にアルコールやタバコ、薬物など精神に作用する物質に依存する物質依存と、買い物やゲーム、インターネットといった特定の行動に依存するプロセス依存があります。当院ではアルコール依存症の治療を行っています。アルコール依存症はほかの心の病とも密接な関係があります。例えば、うつ病であることに気づかず、テンション上げて頑張らなきゃと飲酒しているうちにアルコール依存症になったり、逆にストレス発散のために飲み続けた結果アルコール依存症になり、脳のホルモンバランスが崩れてうつ病を発症したりすることもあります。

患者にも医師にも大事なのは気分転換

治療を進める上で患者さんに気をつけてほしいことなどはありますか?

宮武良輔院長 駿河台こころのクリニック5

インターネットが普及し、病気に関する情報を得やすくなった半面、不安が強くなる方も多いです。しかし、インターネットや本から得られる情報はあくまで一般論、あるいは個人の経験談ですので、皆に当てはまるわけではありません。やはり、実際に診察を受けて医師の診断、アドバイスを受けるのが良いと思います。

プライベートではどのように休みの日を過ごされていますか?

休みの日は、音楽やレコードを楽しんでいます。特に60年代から70年代の洋楽ロックが好きですね。院内にも患者さんが試聴できるように何枚かレコードを置いていますが、自宅には2000枚くらい所有しています。あとは犬の散歩などをして過ごしています。休日はできるだけ仕事から切り離して過ごすよう心掛けています。「気分転換は大切です」と患者さんに伝えていますが、私自身も気分転換を積極的に実践しています。辛さを抱えた患者さんをしっかり支えるためにも、自分の健康を維持しなければならないと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

宮武良輔院長 駿河台こころのクリニック6

「ひとりで悩まないでください」ということを伝えたいです。誰かと話をすることで、問題の解決方法がみつかったり、自分の良さやそれ以上頑張らなくてもよいことに気がついたりすることがあります。以前、患者さんから「先生と会話することで、もつれた糸をほどいていっているような気がします」と言われたことがありました。これからもそう感じてもらえるように患者さんと信頼関係を築きながらより良い医療を提供していけたらと思います。

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