藤野 一厳 院長の独自取材記事
亀有メディカルクリニック
(葛飾区/亀有駅)
最終更新日:2025/01/31

葛飾区亀有の商業施設内に位置する「亀有メディカルクリニック」は、幅広い診療科目を展開する地域密着型のクリニックだ。2022年に院長に就任した藤野一厳先生は、消化器外科の医師として豊富な経験を持ち、診療においてもその専門性を生かしている。一般内科や消化器内科や乳腺外科診療、内視鏡検査、健康診断など多岐にわたる医療を提供し、特に検査の選択肢が豊富な点が特長だ。また、藤野院長は予防医療にも力を入れ、常に新しい知識やスキルを追求し続けている。そんな藤野院長に、クリニックの特徴などについて、今後の展望などを詳しく聞いた。
(取材日2024年12月20日)
先端設備と優しさで、地域住民に寄り添うクリニック
まずは院長に就任されるまでのご経歴を教えてください。

研修医時代を含めて、東京臨海病院で12年間、消化器外科の医師として勤務していました。その病院の外科の先生が、もともと当クリニックの院長を務めていたのですが、前院長が開業にて退職されるタイミングでお声がけいただき、2022年に院長を引き継ぎました。また、私は今でも週1回、東京臨海病院で外来診療や手術に携わっています。がんの患者さんは手術後5年間、定期的な検査が必要ですし、その後も希望される方には検査を継続します。私が同病院で外来診療を続けているのは、そういった患者さんを引き続き診るためです。また、外科の医師としての技術を完全に手放したくないという思いもあります。これからも先進の技術を学び続け、患者さんに還元していきたいですね。
クリニックの特徴について教えていただけますか?
当クリニックでは、一般内科をはじめ、消化器内科、乳腺外科、内視鏡検査、健康診断など幅広い診療を行っています。健康診断をやっていることから、行える検査の幅が広いのが特徴です。午前中には臨床検査技師が常駐しているので、エックス線や腹部の超音波検査など、迅速で精密な検査が可能です。また、乳腺外科の外来は女性医師が担当しているので、安心して受診していただけます。
性能にこだわった内視鏡を導入されているそうですね。

胃の内視鏡は鼻から挿入するタイプを採用しています。口から挿入する方法と比べて、より負担が少なく検査を受けていただけます。また、胃内視鏡検査では、患者さんが感じる苦痛を軽減するために、声がけを大切にしていますね。例えば、前もって「苦しい箇所は、鼻、喉、おなかに空気を入れる際の3回です」と具体的に説明しているんです。検査中も「今、鼻は終わりましたよ」と進行状況を伝えることで安心感につなげています。また、喉に意識が集中しないよう、「横隔膜が上下することを意識してください」とアドバイス。こうすることで、苦しさを和らげられるんですよ。大腸内視鏡検査では鎮静剤を使用し、患者さんが眠っている間に検査を行いますので、負担が少なくリラックスして受けていただけます。こうした配慮や先進の設備を生かして、患者さんにとってより良い検査環境を提供しています。
患者の「未来の健康」をサポートするための予防医学
予防にも注力されていると伺いました。

100人の人がいたら100人が手術はしたくないと答えるはずです。だからこそ、手術が必要になる前に、まずは病気を防ぐことが重要だと考えています。理想的な医療は、「外科の医師が必要のない時代の実現」だと思います。そのためには予防が鍵となります。今後、病気ではない人に対して啓発したり、情報を提供したり、アドバイスしたりするクリニックの存在価値はますます高まると考えています。私の専門である消化器領域においては、腸の中の健康に注目しています。腸内の健康は、体全体の健康につながると考えています。そのための勉強に、日々力を入れて取り組んでいますね。
予防医学の一環として「老化のメカニズム」についても専門に勉強されていらっしゃるそうですね。
「老化」のメカニズムを解明することは、人々が健康で長生きする上での大きなヒントとなり、予防医学でも注目されている分野です。がん細胞以外のすべての細胞は、アポトーシス(細胞の自然死)がプログラムされています。細胞が死ぬということは、つまり細胞も老化するということ。近年では、何が老化を早め、何が遅らせるのか、多くのことが明らかになってきているんですよ。老化は肌や髪といった見える部分だけでなく、脳や血管、内臓など、体の幅広い部分に関わっています。当クリニックにも、加齢に伴って起こるさまざまな不調に悩んでおられる患者さんが多いため、その方たちに役立つアドバイスができるよう、老化に対する学びを深めているところです。体の内部で進む老化に目を向ける重要性を、多くの方々に知っていただきたいと思っています。
先生ご自身が、とてもはつらつとしていらっしゃいますね。気をつけていることはありますか?

先ほどもお伝えしたように、腸の健康に注目しています。自分自身でも試してみたくて、食事などに気をつけて、より良い腸の状態をめざしているんです。健康に目を向けることは気持ちの健康にもつながるので、明るい表情でいられているのかもしれませんね。
外科の医師としての経験が、患者の不安を安心に変える
医師をめざしたきっかけと、消化器外科を選ばれた理由を教えてください。

医師を志したきっかけは、小学生の頃に見たアフリカの難民キャンプで働く日本人医師のドキュメンタリーでした。また、幼少期に小児科医の伯父に診てもらった経験も大きいです。体調が悪い時に伯父に診てもらうとまるで魔法のように安心し、「お医者さんってすごい!」と思ったのを今でも覚えています。高校卒業後は一度工学部に進み大学卒業後、就職か大学院進学かを考える中で医師への思いが再燃。医学部受験のための資金をためるため、一度企業で契約社員として働き、準備を整えて再挑戦しました。遠回りをしましたが、その過程が今の私の糧になっています。消化器外科を選んだ理由は、治療を通じて直接命を救うための仕事がしたかったからです。特に、救急科外来で「おなかが痛い」と訴える患者さんを診る機会が多く、消化器外科はその中核を担う分野だと感じました。また、手術後、患者さんが元の生活に戻るまでを見守りやすい点にも魅力を感じています。
外科での経験は、現在の診療にどのように役立っていますか?
外科時代は、緊急かつ命に関わる現場にいたため、大概のことでは慌てず、冷静に対応する力が身につきました。そのため、飛び込みで緊急の患者さんが来られても、必要な処置やその後の流れを迅速かつ適切に判断できます。外科の医師としての視点から、優先的に収集すべき情報や、専門の医師への紹介時に伝えるべきポイントがわかるため、患者さんにとってより良い対応が可能です。また、内視鏡検査で何か異常が見つかった際には、患者さんから「これからどうなるのか」と聞かれたら、手術や治療の流れを詳しく説明できます。不安の大部分は「わからないこと」からくるものですから、治療の輪郭を明確にお伝えすることで、不安を軽減し安心感を提供できるのではと思います。また、地域のクリニックとの連携にも、外科時代の経験が生きています。紹介先の医師が欲しい情報をそろえ、必要な処置を事前に行っておくことで、スムーズな連携が可能です。
最後に、将来的に取り組んでみたいことを教えてください。

将来的には、より腸の健康に特化して専門性を磨き、エイジングケアを含めた相談を受けつけていきたいです。また、自分自身の経験をもとに、サプリメントの開発にも挑戦してみたいです。どんな小さな相談でも構いませんので、気になることがあれば、ぜひ気軽にいらしてください。一緒に、健康で前向きな毎日をめざしましょう。