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心筋梗塞や脳梗塞の誘因にもなる
睡眠時無呼吸症候群

赤坂一ツ木通りクリニック

(港区/赤坂見附駅)

最終更新日:2024/10/07

赤坂一ツ木通りクリニック 心筋梗塞や脳梗塞の誘因にもなる 睡眠時無呼吸症候群 赤坂一ツ木通りクリニック 心筋梗塞や脳梗塞の誘因にもなる 睡眠時無呼吸症候群
  • 保険診療

よく寝ているはずなのに日中眠くて仕方ない、家族にいびきがひどいと言われた、という人は睡眠時無呼吸症候群になっているかもしれない。睡眠時無呼吸症候群は、その名のとおり、睡眠中に呼吸が止まってしまう時間がある状態。「赤坂一ツ木通りクリニック」の院長で循環器内科を専門とする大橋成孝先生は「そのまま放置しておくと心筋梗塞や不整脈、脳梗塞のリスクが高くなります」と警鐘を鳴らす。特に肥満の人や飲酒をする人は睡眠時無呼吸症候群になりやすいので注意が必要だ。睡眠時無呼吸症候群のリスクや検査、治療方法について大橋院長に聞いた。

(取材日2024年9月9日)

自宅で行う検査で適切に診断。CPAP療法で無呼吸を防ぐことをめざし睡眠の質の向上を図る

Q睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気ですか?
A
赤坂一ツ木通りクリニック 大橋院長は循環器内科分野の診療経験が豊富だ

▲大橋院長は循環器内科分野の診療経験が豊富だ

その名のとおり、睡眠時に何度も呼吸が止まってしまう病気です。医学的に10秒以上息が止まる状態を無呼吸と定義し、睡眠中、1時間に5回以上無呼吸の状態があれば睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠中に呼吸が止まるほか、大きないびきをかく、呼吸が乱れる、息が苦しくて目が覚めるといった症状が見られます。また、睡眠時間は十分なのに日中眠い、疲れやすい、集中力が低下する、倦怠感があるなどの自覚症状があります。こうした症状を感じたら、睡眠時無呼吸症候群になっている可能性があります。最近ではスマートウォッチなどの睡眠時の状態を調べるアプリによって気づく方もいます。

Q睡眠時無呼吸症候群はなぜ起こるのですか?
A
赤坂一ツ木通りクリニック 気になる症状がある場合は医療機関受診を

▲気になる症状がある場合は医療機関受診を

睡眠時無呼吸症候群には、空気の通り道である気道が物理的に狭くなったり閉じたりする閉塞型と、呼吸中枢の異常による中枢型があります。一般的に閉塞型が多く、仰向けに寝た時に舌の付け根の部分が下に落ち込んで気道が狭くなります。特にお酒を飲んで寝た時は、筋肉の緊張が緩みやすく、より気道がふさがりやすくなります。また、肥満の人は喉や首についた脂肪によって気道が圧迫されやすいため、減量を行うことで睡眠時無呼吸症候群の改善を図るケースもあります。一方、痩せていても、骨格的に顎が小さい、喉や首が細いといった理由で睡眠時無呼吸症候群になる人もいます。

Q放置しておくとどんなリスクがありますか?
A
赤坂一ツ木通りクリニック さまざまな疾患と深く関わっている

▲さまざまな疾患と深く関わっている

睡眠中、低酸素状態が続くと交感神経が活性化し、カテコールアミンというホルモンが過剰分泌されます。その結果、血圧上昇、不整脈、狭心症などが誘発されます。血管に対する酸化ストレスの影響も重なり動脈硬化が進行して、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高くなります。睡眠中の高血圧は大動脈瘤や大動脈解離をはじめとする大動脈疾患のリスクにもなります。睡眠の質の低下によって、糖の代謝に関わるインスリンの働きが悪くなり、糖尿病や脂質異常症を招くこともあります。がんや認知症にも関連することも報告されています。また、日中の眠気や倦怠感のため集中力が低下し、特に車を運転する場合は安全性の確保に問題が出てきます。

Qどのような検査を行うのですか?
A
赤坂一ツ木通りクリニック 睡眠時の状態を自宅で簡易検査する

▲睡眠時の状態を自宅で簡易検査する

当院では患者さんが自宅で行える簡易検査を行っています。指と鼻にセンサーをつけ、一晩いつもどおりに就寝してもらって睡眠中の呼吸やいびき、動脈血酸素飽和度を調べます。検査機器は業者から直接患者さんのご自宅に送られ、検査後に返却します。この簡易検査の結果、呼吸が止まる、あるいは浅くなる回数が1時間に5回以上の場合はAHI(無呼吸低呼吸指数)が5以上となり、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。AHIが20から40くらいの範囲でより詳細な検査が必要な場合は脳波や睡眠の深さを調べるPSGという精密検査を行います。この精密検査は以前は入院が必要でしたが、今は検査機器の進化によって自宅で行うことができます。

Qどのような治療を行うのですか?
A
赤坂一ツ木通りクリニック 睡眠時無呼吸症候群の症状に合わせて治療を実施

▲睡眠時無呼吸症候群の症状に合わせて治療を実施

睡眠時無呼吸症候群の程度によって治療方法は異なります。軽度の場合、マウスピースの使用や横向きで寝るといった方法で無呼吸にならないよう工夫します。簡易検査でAHIが40以上、あるいはPSG検査で20以上の場合はCPAP療法を行います。これはマスクをつけて圧力をかけた空気を鼻から送りこむことで気道を広げて無呼吸を防ぐことをめざす治療法です。治療開始時には空気の漏れや圧力の大きさを確認します。その後は定期的に受診し睡眠時のデータ解析や自覚症状の変化を確認します。肥満の人では減量によってCPAP療法が不要になることも期待できます。CPAP療法が難しい場合は、舌下神経を電気刺激する治療法もあります。

ドクターからのメッセージ

大橋 成孝院長

睡眠時無呼吸症候群はさまざまな疾患と深く関わっていることをよく理解していただきたいですね。例えば、数種類の高血圧の薬を服用していても高血圧が改善しない場合、実は睡眠時無呼吸症候群だったという例や、大動脈解離や大動脈瘤を起こした方が重度の睡眠時無呼吸症候群だったという例もあります。このような事態に陥らないためにも睡眠時の呼吸を適切にコントロールしていくことがとても重要です。熟睡感がない、睡眠時間は十分取っているのに日中眠い、よくいびきをかくという方は、ぜひ一度検査を受けて、睡眠時無呼吸症候群があるかどうか確かめることがまず大切です。

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