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中山 百合 院長の独自取材記事

砧ゆり眼科医院

(世田谷区/祖師ヶ谷大蔵駅)

最終更新日:2020/11/27

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小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩10分、洗練された砧の住宅街にある「砧ゆり眼科医院」。院内は天井画やステンドグラスで彩られ、リビングルームのようなくつろぎの空間が広がっている。2児の母でもある中山百合院長は、明るい雰囲気と笑顔が魅力のドクター。中でも小児眼科の診療経験が豊富で、一人ひとりの思いに真摯に寄り添う姿勢を常に忘れない。そんな院長のもとには、近隣はもちろん他県からも多くの患者が訪れるそうだ。最近は新型コロナウイルス感染症に伴い、完全予約制を導入するほか院内感染対策に注力しているという。その具体的な取り組みや、小児患者との向き合い方、診療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2018年8月1日/再取材日2020年11月11日)

院内のデザインからこだわった、癒やしがテーマの治療

この地で開業した理由を教えてください。

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前職の国立成育医療研究センターから近く、土地や地域の方々に親しみを感じていたからです。住宅街にある眼科医院なので、初めは近隣の方が多くいらっしゃると思っていました。しかし小児眼科が少ないこともあり、東京都内だけでなく、神奈川県や埼玉県からも患者さんがおみえになっています。お子さんの病状を心配していくつもクリニックを回った結果、当院にたどり着いたという方が多いんですよ。

開業から間もなく5年、患者層に変化はありましたか?

最も多いのはお子さんですが、日中にお母さんが受診されたり、お父さんが平日に半休を取ってご相談に来られたり、家族全員で通われる方が多いですね。近所のご高齢の方に加え、ほかの地域から足を運ばれる中高年以降の患者さんも増えてきました。来院のきっかけで多いのは、他院での説明がよくわからず、「今の治療で正しいのか教えてほしい」「ゆっくり話を聞きたい」といったお声です。中には、ご自分が使っている目薬の意味をよくわかっていない方もいらっしゃいます。わかりやすい説明を求める方や、納得して治療を受けたい方が当院を選んでくださっているように思います。

院内のアートがとてもすてきですね。

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「家族全員で来られるクリニックにしたい」という思いにご賛同いただき、女子美術大学でヒーリングアートを研究されている山野雅之教授など、多くの方々にご尽力いただきました。その教授は国立成育医療研究センターのアートも手がけておられて、勤務医時代、これらのアートが子どもに与える力を実際に見て知っていたので、当院にもぜひと思いました。四季折々の信州の山々と植物の様子を、広がる青空とともに天井に描き、光と色の調和が楽しめるように円形のステンドグラスを取り入れました。最初は待合室だけだったのですが、診察室に入ると泣いてしまうお子さんや、診察室にはどんなアートが描かれているのかと、期待して入って来られる方が多いことに気づき、診察室と玄関にも新たにアートを施しました。クリニックはただでさえ緊張する場所ですから、少しでもくつろぎやホッとする癒やしを届けられたらと思います。

完全予約制や感染症対策により、患者の健康を守る

診察の際に心がけていることはありますか?

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わかりやすい説明です。大学病院などに勤めていた時、それほど重症ではないけれど「今の治療でいいですよ」という医師の一言を聞くためだけに受診される方がとても多いと感じていました。ですから開業医として「地域で解決できることは、地域で解決する」を目標としています。患者さんとお話しする中で心がけているのは、目に関すること以外の会話を一つはすること。カルテにも病気のことだけを書くのではなく、旅行の思い出やペットの話、購入したランドセルの色など世間話的なメモも残します。そうすれば半年に1度の通院でも、メモをつなげていくと人となりが見えてきたり、次の治療を提案するヒントになったりするんです。小さかったお子さんが小学生になるなど、時間経過の情報を私、スタッフ、患者さんで共有することは楽しみにもなっています。

現在は完全予約制で診療されているそうですね。

多くの患者さんにご来院いただくようになり、2019年5月に予約制を開始しましたが、現在は新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、当日受付枠をなくしてウェブ上での完全予約制という形を取っています。一度に大勢の方が来院し、待合室が混雑してしまうのを極力避けたいんです。眼科には目だけにトラブルがある患者さんのほか、元気そうに見えても重病を患っている子や、抗がん剤治療を経て容体が落ち着いているご高齢の方も訪れます。誰もが安全に通える環境をつくるためにも、皆さんにご理解いただきたいと思います。ただ、外傷や急な目の腫れなど緊急度の高いケースは、事前に電話でご相談いただければ、予約状況に応じて診療のご案内が可能です。また完全予約制ではあるものの、病気は予測不能であり、前の患者さんの病状次第では次の方の診察開始時刻が遅れる場合があります。そのため受診時は時間に余裕を持ってお越しください。

ほかにも、同院で取り組んでいる感染症対策はありますか?

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受付には飛沫を防ぐためのアクリル板を用意し、視力検査室には隣の人と空間を隔てるためのパーティションを設置しています。キッズスペースの絵本やおもちゃは、安全性を考慮し一時的にご用意を控えています。診療内容に関しては、十分な距離を確保できないという理由から、新規のコンタクトレンズの着脱練習をお断りしているのが現状です。そして3歳以上のお子さんには、マスクの着用をお願いしております。病院は病気をうつしたりうつされたりするリスクがある場所ですし、お子さんにとって座って静かに待つことは難しいことでもあります。外を歩く場合や運動する場合はこの限りではありませんし、当院としても待ち時間をなるべく短くできるように努めておりますが、ご来院の際にはエチケットとしてマスクの着用にご協力いただけますと幸いです。

生活環境の変化を踏まえ、患者の心に寄り添う診療を

最近気になる症状はありますか?

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緊急事態宣言明けくらいからの視力検査で、本来の視力であれば見えているはずのものを見えないと答えるお子さんが急増しています。このようなケースは以前から見受けられ、私は「暗示」と呼んでいます。近年増えている理由としては、普段からマスクで鼻や口を隠すようになった分、眼鏡をかけていないと目がむき出し状態という感覚が強くなり、見えないと思い込んでしまうのではないかと考えています。あるいは、家にこもってばかりで遠くを見る気分になれないからかもしれません。子どもも少なからず新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けており、現状を理解しようとしても、どこか納得できない部分があるのだと思います。なので親御さんには状況を説明して「優しく見守ってください」とお伝えし、お子さんにも「目の病気じゃないから心配しないでね」と声をかけています。

ご自身の子育て経験が診療に生きていると感じることは?

受診する側になってから、体調を崩した子どもを慌てて病院へ連れて行って先生に叱られたり、長男のアトピー性皮膚炎がひどかった時にきつく注意されて泣きながら帰ったりしたこともありました。医師の経験だけでは知り得ない、病気を持つ子どもの母親だからこその悲しさやつらさを経験し、多くのことに気づけたと思います。子どもを保育園に預けて働くお母さんの気持ちもわかるので、「そのぐらいのことは気にしなくて大丈夫よ」とお声がけすると安心される方もいらっしゃいますね。逆に眼科医師の仕事ややりがい、診察室で考えさせられたことや感動したことは、なるべく子どもたちに話すようにしています。「世の中一人として同じ人はいない」と実感する毎日なので、それは社会人の先輩として伝えたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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対話を通じてその方が満足できる適切な治療を探していく、今の診療スタイルを続けられたらと思っています。当院では以前から傾聴を大事にしており、完全予約制になったことで、より丁寧にお話を伺う余裕ができました。これまで感染症が心配で受診を控えていた方も、空いている時間帯に行きたいなどとご相談くだされば、可能な限り調整いたします。これは決して治療を急かすためではなく、治療を中断したことで治るはずの病気が悪化してしまう危険性を考えてのことです。ご高齢の方はいうまでもなく、成長期にあるお子さんにも治療に適したタイミングがありますので、ぜひ無理のない範囲で継続的にお越しください。

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