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中山 百合 院長の独自取材記事

砧ゆり眼科医院

(世田谷区/祖師ヶ谷大蔵駅)

最終更新日:2022/07/11

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「砧ゆり眼科医院」の待合室の天井を見回すと、信州の山の四季を一巡できる。花ほころぶ春、みずみずしい緑あふれる夏、木々が色づく秋、厳しくも美しい冬。冬から春にかけてのひとときを切り取った場面には、小さなうさぎが顔を覗かせている。「医療機関は、子どもや大人も緊張するもの。信州の山奥に思いを馳せ、少しでもリラックスしていただけたらうれしいですね」と院長の中山百合先生。「うさぎさんの眼科」と呼んで、通院を楽しみにしている子どももいるそうだ。きっかけは何であれ、目に関する悩みや訴えがあれば気軽に足を運んでほしいと中山先生。見えづらいという訴えが子どもの心の叫びであることも少なくないため、外部との接点としても利用してほしいと話す。声なき声に耳を傾け、患者の目と心に光を届ける中山先生に話を聞いた。

(取材日2022年6月22日)

玄関や待合室のアートで、少しでも心を穏やかに

院内入口や待合室の天井に描かれたアートがとてもすてきです。

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医院というと無機質な壁と天井を思い浮かべる方が多いと思いますが、真っ白い部屋にはどことなく冷たさや緊張感があり、落ち着かないものです。老若男女、誰もが穏やかな気持ちで時間を過ごせるようにと考え、女子美術大学でヒーリングアートを研究されている山野雅之教授などにご協力いただきました。絵の中のうさぎを見つけて当院を「うさぎさんの眼科」と呼んで親しんでくれたり、受診時にわざわざ別の動物のイラストが入ったTシャツを着て「僕はライオンだよ」と見せてくれたりする子もいて、とてもうれしいです。大人の患者さんで、「ふるさとを思い出す」と仰る方も多いですね。治療後も、天井の絵がはっきり見えたと喜んでくださったらいいなと思っています。

子どもの診療に注力されているそうですね。

以前、自閉症の子どもがアレルギーの疑いで受診したことがありました。付き添いでいらしたお母さんから、ずっとスマホやタブレットを近距離で見続けていて、呼びかけても周りを見ようとしないと聞いて、アレルギーの診療に加えて念のため視力検査をすることにしました。すると、近視で遠くが見えていないことがわかり、度数を適切に調整した眼鏡をかけてもらいました。訴えに応じるだけでなく、本当に困っていることにアプローチすることを大切にしています。

障害のある子どもも、よく受診されるのですか。

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前職でさまざまな子どもを診た経験があるので、障害がある子もない子も、目のことで困ったらぜひ受診してほしいと思っています。発達遅滞や発達障害があると、じっとしていられなかったり、時に声を上げてしまったりする場合があり、付き添いのお父さん、お母さんは気が気ではないでしょう。小さくなって謝り続けている親御さんを見ると胸が痛みます。年齢を問わず、視覚から得る情報はとても重要です。周りに気を使いすぎず、気軽にご相談ください。

子どもから高齢者まで、遠方からも多くの患者が訪れる

コロナ禍を経て、先生が感じる変化を教えてください。

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子どもについては、室内にいる時間が増えてタブレットなどデジタル機器を視聴する時間が長くなり、近視が低年齢化したと感じます。「見えない」「見えにくい」といった訴えの裏に、ストレスや不安が隠れているケースも散見されるようになりました。揺れ動く心情をうまく言い表せない子どもたちは、つらさや苦しさを目の症状に託して表現している場合もあるでしょう。本来の視力なら見えているはずのものが見えない、おそらくその子にとって見たくないものが見えにくい、といった場合は、ゆっくり話を聞いて原因をひもとくようにしています。目の症状で受診されて、「実は不登校で悩んでいる」といったお話を聞くことは珍しくありません。外とつながることで解決の糸口が見つかることはよくありますから、診療科にとらわれすぎずになんでもお話しなさってください。

コロナ禍では、大人の受診控えも問題になりました。

当院は子どもを中心に中高年以降、および高齢の患者さんも多いので、感染を懸念して受診を控えていた方のことはとても心配でした。最近は、久しぶりに足を運んでくださる患者さんも増え、「白内障の手術を受けたいので、病院を紹介してほしい」といったご相談をよく受けるようになりました。まずは当院で診療して、患者さんの生活スタイルやご要望に沿った病院をご紹介しています。手術1ヵ月後から月1回ペースで行うアフターケアは当院で対応できますから、通院の負担が気になる高齢の方もご安心ください。コロナ禍前には、90代の方から「元気なうちに世の中をしっかり見たいから」と手術のご要望を受けたこともありました。

幅広い年代の方が受診されているのですね。

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前職の国立成育医療研究センターから近く、土地や地域の方々に親しみを感じていたのがこの地に開院した理由なのですが、小児眼科が少ないこともあって都内近郊からもたくさんの患者さんがおみえになります。近隣の高齢の方に加え、中高年の患者さんも増えてきました。遠方から、わかりやすい説明を求めて受診される方もいらっしゃいますね。子どもの病状を心配していくつもクリニックを回った結果、当院にたどりついたという神奈川県や埼玉県の患者さんも多いんですよ。

対話を通じて信頼関係を築き、安心できる診療をめざす

診療で心がけていることはありますか。

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「地域で解決できることは地域で解決する」ことを前提としたわかりやすい説明です。大学病院などに勤めていた時、「今の治療でいいですよ」「大丈夫ですよ」という医師の言葉を聞くために受診される方がとても多いと感じていました。現在の症状や今後の病状に不安を抱いている患者さんに適切な診断と治療を提供し、わかりやすい説明で安心感を与えてあげることは、地域のかかりつけ医だからこそできることです。目に関すること以外の話題も意識的に振りながら、患者さんとの心の距離を縮めていくようにしています。カルテには、患者さんが話してくださった旅行の思い出やペットの話なども書き留めているんですよ。つなげて見ることで患者さんの人となりが見えてきたり、次の治療を提案する際のヒントになったりする、大切なメモです。

子どもの目に関する症状で、不安を抱えている親御さんにアドバイスをいただけますか。

ポストコロナといわれ、混沌とした2年強を乗り越えて次のステップに進もうという雰囲気が広がっています。大人ですら切り替えが難しいのに、子どもは小さな体で変化に対応し続けているわけですから、負担を感じて当然ですよね。周りの人からは異常がないように見えても、子どもが「見えない」と訴えたら何らかのサインです。100%信じて、できるだけ早く受診につなげてあげてください。また、親の不安は子どもに伝わります。インターネットなどで出回っている情報の正誤を判断するのはとても難しいので、専門の医師にご相談ください。私も、医師である以前に2児の母ですから、親御さんの気持ちに寄り添ったアドバイスをしていきたいと思っています。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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ご高齢の方は言うまでもなく、成長期にある子どもにも治療に適したタイミングがあります。治療を中断したことで治るはずの病気が悪化してしまうリスクを低減するためにも、治療が必要な場合はぜひ無理のない範囲で継続的にお越しください。これまで感染症が心配で受診を控えていた方も、すいている時間帯に行きたいなどご相談いただければできる限り対応いたします。引き続き感染症対策を徹底して患者さんの安全を確保しつつ、対話を通じて患者さん一人ひとりに適切な治療を探す診療スタイルをめざしてまいります。

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