全国のドクター8,887人の想いを取材
クリニック・病院 161,489件の情報を掲載(2020年1月28日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 世田谷区
  4. 祖師ヶ谷大蔵駅
  5. 砧ゆり眼科医院
  6. 中山 百合 院長

中山 百合 院長の独自取材記事

砧ゆり眼科医院

(世田谷区/祖師ヶ谷大蔵駅)

最終更新日:2019/08/28

172661 %e7%a0%a7%e3%82%86%e3%82%8a%e7%9c%bc%e7%a7%91%e5%8c%bb%e9%99%a2

小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩10分、洗練された砧の住宅街にテラコッタ色の建物がたたずむ。2014年7月に開院した「砧ゆり眼科医院」だ。2人の子どもを育てる母でもある中山百合院長は、穏やかで笑顔がすてきなドクター。小児眼科の経験が長く、中山院長を訪ねて近隣はもちろん、他県から通う患者も多い中、一人ひとりの思いに真摯に寄り添う姿勢を忘れない。院内は子どもから高齢の患者まで「ここに来ることを楽しめるように」と、天井画やステンドグラスで彩られ、まるでリビングルームのようなくつろぎと癒やしの空間が広がっている。そのこだわりや、小児患者への思い、眼科医師としてのやりがいなどを聞いた。
(取材日2018年8月1日/再取材日2019年5月22日)

院内のデザインからこだわった、癒やしがテーマの治療

この地で開業した理由を教えてください。

1

前職の国立成育医療研究センターから近く、土地や地域の方々に親しみを感じていたからです。住宅街にある眼科医院なので、初めは近隣の方が多くいらっしゃると思っていました。しかし小児眼科が少ないこともあり、東京都内だけでなく、神奈川県や埼玉県からも患者さんがおみえになっています。お子さんの病状を心配していくつもクリニックを回った結果、当院にたどり着いたという方が多いんですよ。

開業から間もなく5年、患者層に変化はありましたか?

最も多いのはお子さんですが、日中にお母さんが受診されたり、お父さんが平日に半休を取ってご相談に来られたり、家族全員で通われる方が多いですね。近所のご高齢の方に加え、ほかの地域から足を運ばれる中高年以降の患者さんも増えてきました。来院のきっかけで多いのは、他院での説明がよくわからず、「今の治療で正しいのか教えてほしい」「ゆっくり話を聞きたい」といったお声です。中には、ご自分が使っている目薬の意味をよくわかっていない方もいらっしゃいます。わかりやすい説明を求める方や、納得して治療を受けたい方が当院を選んでくださっているように思います。

院内のアートがとてもすてきですね。

2

「家族全員で来られるクリニックにしたい」という思いにご賛同いただき、女子美術大学でヒーリングアートを研究されている山野教授など、多くの方々にご尽力いただきました。その教授は国立成育医療研究センターのアートも手がけておられて、勤務医時代、これらのアートが子どもに与える力を実際に見て知っていたので、当院にもぜひと思いました。四季折々の信州の山々と植物の様子を、広がる青空とともに天井に描き、光と色の調和が楽しめるように円形のステンドグラスを取り入れました。最初は待合室だけだったのですが、診察室に入ると泣いてしまうお子さんや、診察室にはどんなアートが描かれているのかと、期待して入って来られる方が多いことに気づき、診察室と玄関にも新たにアートを施しました。クリニックはただでさえ緊張する場所ですから、少しでもくつろぎやホッとする癒やしを届けられたらと思います。

丁寧な傾聴・説明で納得のいく治療を

診察の際に心がけていることはありますか?

3

わかりやすい説明です。大学病院や高度医療機関に勤めていた時、それほど重症ではないけれど「今の治療でいいですよ」という医師の一言を聞くためだけに、受診される方がとても多いと感じていました。ですから、開業医として「地域で解決できることは、地域で解決する」を目標としています。患者さんの疑問や不安は、できる限りその場で解決することが、医師と患者さん互いにとって大事ですから、丁寧な説明を心がけています。

患者さんと接する中で大切にしていることは?

お子さんには「今日はおとなしくできたね」とか、大人の方なら「すてきなセーターですね」など、何か一つ褒めることです。また、目のこと以外の会話を一つはしたいなと思っています。カルテにも病気のことだけを書くのではなく、旅行の思い出やペットの話、購入したランドセルの色など、世間話的なメモも残しておくんです。そうすれば半年に1度の通院でも、メモをつなげていくとその方が見えてきたり、次の治療を提案するヒントになったりします。これらの情報はみんなで共有して、小さかったお子さんが小学生になるなど、それぞれの時間経過を私、スタッフ、患者さんでシェアすることが楽しみにもなっています。

2019年5月に予約制を導入されたそうですね。

日々、多くの患者さんにご来院いただくようになり、その中でも傾聴を大切にした診療を行ってきました。一方で、医師も視能訓練士も限られた人数で対応していますので、1日に診られる患者さんの数に限界があり、受付時間内であっても診療を断らざるを得ない日が出てきたのです。そこで導入した予約制ですが、遠方にお住まいの患者さんが計画的に来院できたり、お子さんが診療を待って疲れることを避けられたり、メリットを感じていますね。私たちとしても、いつどなたが受診されるかを把握できますので、次回すべきことを事前に確認するなど、スムーズかつ適切な診療につなげられています。ただし完全予約制ではなく、予約なしの当日診療にも柔軟に対応していますので、外傷や緊急度の高い場合はもちろん、気になる症状があるから今日診てほしいという方や、デジタル端末に慣れないご高齢の患者さんも、気兼ねなく受診していただきたいと思います。

ご自身の子育て経験が診療に生きていると感じることは?

4

2年ほど専業主婦だった時期に、病院にかかる側としていろいろなことを経験しました。体調を崩した子どもを慌てて病院へ連れて行って先生に叱られたこともありますし、長男のアトピー性皮膚炎がひどかった時に「あなたのせい」ときつく言われて泣きながら帰ったことも。今振り返ると、医師の経験だけでは知り得ない、病気を持つ子どもの母親だからこその悲しさやつらさを経験し、多くのことに気づけました。だからこそ、子どもを保育園に預けて働くお母さんの気持ちがとてもよくわかります。私はそれほどきっちり子育てをしてきたわけではないので(笑)、「そのぐらいのことは気にしなくて大丈夫よ」とお伝えすると、安心される方もいらっしゃいます。

一人ひとりの人生に寄り添える医師でありたい

これまで印象深い患者さんはいましたか?

5

がん闘病や老々介護、視覚障害など苦しい状況でも明るさを失わない方や、96歳で病気を抱えながらも、人を気遣いしすてきな笑顔でお話しになる方など、尊敬できる患者さんにたくさん出会えました。それが私自身の励みになっています。一人ひとりの生きざまから学ぶことは多く、診療スタイルも「この方にとっての治療の優先順位は何なのか」を考えるように変化しました。以前、目の手術を強く拒まれる高齢の女性が受診されました。よく話を聞くと戦前、幼い頃に受けた手荒な治療がトラウマで、手術と聞くだけで毎晩うなされていたそうなんです。そこで、そのことを記載して病院に紹介したところ、手術室で行う治療ではなく外来での注射治療に留めることができ、病院に対する怖さが和らいだ、良かったと喜んでくださいました。その方の記憶、出来事、受け止め方を聞き取り、次の病院につなぐことも開業医の大事な役割だと痛感しました。

休日はどのようにお過ごしですか?

子どもたちと話す時間を大切にしています。母親の仕事や眼科医師のやりがい、診察室で私自身が考えさせられたことや感動したことは、なるべく子どもたちにも伝えるようにしています。「世の中一人として同じ人はいない」と実感する毎日なので、それは社会人の先輩としてしっかり伝えたいと思っています。あとは、週1回通っているバレエ教室がいいリフレッシュになっています。医師でも母でもない、無心になれる時間も大事なんですよね。

読者にメッセージをお願いします。

6

対話を通じてその方が満足できる適切な治療を探していく、今の診療スタイルを続けられたらと思っています。傾聴を大事にしているため、待ち時間が生じる場合もあります。予約制を導入するなど工夫をしていますが、決まったコンタクトレンズを素早く処方してほしい、ひとまず点眼薬処方だけしてほしいという方には不向きな医院かもしれません。しかし、何か相談事があるときは気軽に受診くださいね。患者さんのニーズに合わせた使い分けをしていただくといいかもしれません。

Access