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阿部 剛 院長の独自取材記事

あべクリニック

(相模原市中央区/淵野辺駅)

最終更新日:2023/12/15

阿部剛院長 あべクリニック main

淵野辺駅から徒歩8分、鹿沼公園を抜けた向こうにある「あべクリニック」。国道16号の相生二丁目交差点すぐの場所で、車でもアクセスしやすい。院長の阿部剛先生にとって、ここは幼少期を過ごした懐かしい場所でもある。かつてここには自宅兼クリニックがあり、父が外科クリニックを営んでいたのだ。2012年に2代目院長に就任した際には、白いプチホテルのようなクリニックに大幅リニューアル。それから10年以上が経過して、すっかり内科クリニックとして地域に定着している。強みとしているのは内視鏡検査だが、風邪や花粉症などを気軽に相談できる場所として通院する患者も少なくない。変わりゆく淵野辺の町の中でどのような診療を続けてきたのか、今後の展望と併せて詳しく聞いた。

(取材日2023年9月29日)

医療へ生涯を捧げた両親のように地域医療に貢献したい

医師を志した経緯やご経歴からお聞かせいただけますか。

阿部剛院長 あべクリニック1

僕が生まれる前、1969年に父がこの場所で「阿部外科胃腸科医院」を開業しました。薬剤師だった母も事務や入院病棟の食事管理に携わっていて、両親が力を合わせて地域医療に貢献する姿が子どもの頃から身近にあり、自然と医師を志すようになりました。高校時代、たまたま医学部をめざす友人たちに恵まれ切磋琢磨できたのも良かったです。後を継ごうと決めていたわけではありませんが、胃腸を専門とする外科医だった父をサポートしやすいかなという思いもあり専門に選んだのは消化器内科でした。東邦大学医療センター大橋病院、社会保険中央総合病院(現・JCHO東京山手メディカルセンター)など、早くから胃腸疾患や内視鏡に力を入れていた病院での日々は刺激的で、数々の得難い経験を積めました。

淵野辺に戻ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

ちょうどその頃、父を支えていた母が亡くなってしまい、それをきっかけに実家のクリニックも週に2回は手伝うようになっていたんです。その後、町田市民病院に移りましたが、父ともよく話して2012年に正式にクリニックを継承する運びになりました。父も副院長として診療を続けてくれたのですが、最初の頃は外科を訪ねてくる患者さんがほとんどで、僕の出番はなかなかなかったのを覚えています(笑)。それでも、新しく内視鏡検査もできるようになり病気の早期発見も可能になったことなどをお伝えしていくうちに、だんだん内科クリニックとして認知されていきました。2012年のリニューアルをきっかけに「ここにクリニックがあったのか!」と気づいてくださり、そこからのご縁の方も少なくありません。

ホテルのロビーのような待合室を作るなど、イメージを一新しての継承でした。

阿部剛院長 あべクリニック2

優しい雰囲気にしたかったので、院名もひらがなに変えました。待合室は町のクリニックにしてはずいぶん広いかもしれませんが、やはり、患者さんには緊張せずにゆったりと過ごしていただきたいですからね。緑を眺めてリラックスしてもらえるかなと、ところどころに観葉植物も置いていますが、旧クリニックから持ってきた小さなゴムの木もすっかり大きくなって今では天井に届きそうです。植物はスタッフたちが面倒を見てくれているのですが、父の時代からの勤続20年以上の看護師さんもいて、とても助けられています。改築により外観も内装も一新しましたが、父と母が長年にわたって築いてきた患者さんとの信頼関係、かかりつけ医としての取り組みは絶やしてはいけないと、肝に銘じ続けています。

内科一般に幅広く対応しながら内視鏡検査に強み

現在、どのような患者さんが多いのでしょうか。

阿部剛院長 あべクリニック3

この10年で淵野辺にもマンションが次々と建ち、新しく引っ越してきた子育て中の若いご家族の患者さんも増えていますね。一方で、昔から近所に住んでいて3世代にわたって通ってくださっている方々もいます。訴えはさまざまで、風邪、腹痛、花粉症まで幅広く診ています。社会保険中央総合病院では炎症性腸疾患の専門班があり、僕も数多くの診療にあたりましたので、その経験を生かして当院でも炎症性腸疾患の診療に力を入れています。また、今でも思い出すのは助けられなかった患者さんたちです。何年も前から胃に違和感があったのに放置していて、やっと内視鏡検査を受けてもらった時にはもう末期の胃がんだった、ということもありました。内視鏡検査はできるだけ早く受けてほしいと切に願っています。

こちらではどのような内視鏡検査を受けられますか。

経口または経鼻の胃内視鏡検査と、大腸内視鏡検査を行っています。静脈内鎮静法は希望者の方にしていて、「寝てしまいたい」「起きたまま検査中に何をしているのか話しかけてほしい」どちらの要望にも対応できるようにしています。大腸カメラで小さなポリープが見つかった時は日帰りの切除手術が可能です。大きなポリープは病院レベルでの治療をお勧めし、僕が町田市民病院で切除をすることもあります。がんが見つかった時は大規模病院に紹介します。その他、胃ではピロリ菌が見つかった場合、除菌のための服薬治療を行います。生活習慣病関連の検査、アレルギー検査、骨密度検査、睡眠時無呼吸症候群検査なども行い、全身の疾患を少しでも早く発見したいと思っています。プライマリケアでは問題を見逃さず、しかるべき医療につなげていくのが何よりも大事と考えています。

どのような診療を大切にしていますか。

阿部剛院長 あべクリニック4

診察室には腹部エコーと頸部エコーも置いていますが、必ず聴診器も使うようにしています。また、消化器内科では触診からわかることもたくさんあります。聴診、触診、視診という基本は、おろそかにしてはいけないと思うんです。そして、患者さんのほんのわずかな一言が治療のヒントになることもあります。一人ひとりのお話にじっくりと耳を傾け、できるだけ丁寧に接するようにしています。このような診療スタイルではどうしても時間がかかるので、ササッと済ませてほしいという方にとってはイライラされ、ご期待に沿えていないかもしれません。それでも「阿部さんのところに行こうかな」と、通ってくださる患者さんは大切にしたいと思っています。これからも、アットホームなクリニックをめざしていきたいです。

大規模病院や近隣クリニックとも連携を強化

今後の展望についてお聞かせください。

阿部剛院長 あべクリニック5

あと数年で60周年を迎える当院は、このエリアの古株とも言えるかもしれません。昔ながらの「町のお医者さん」という感じは残しつつ、患者さんの新しいニーズにも一つ一つ応えていきたいと思っています。例えば、睡眠時無呼吸症候群検査とCPAP治療は患者さんからの相談があって始めたものです。これからも、ご要望があるならばできる限り対応していきたいです。ただ、一つのクリニックでできることには限界もあります。この辺りにも多種多様なクリニックが増えたので、横の連携も密にしていきたいと考えています。そうすれば「どこへ行ったらいいかわからない」という患者さんに、適切な先生を紹介できますからね。僕自身も内視鏡検査ができるという強みを生かしつつ、他院からの患者さんも診ていきたいです。

お忙しい毎日ですが、休日はどうお過ごしですか。

旅行が好きで新型コロナウイルス感染症が流行する前は家族で沖縄から北海道までよく出かけていました。また行きたいと思いますが、息子も中学生になり部活動などで忙しいので、来てくれないかもしれませんね(笑)。彼の将来は本人次第で誘導するつもりもありませんし、好きなことを見つけて自由に生きてほしいです。僕自身は2代目になるのが半ば当たり前のように生きてきましたが、果たしてこれで良かったのかなとこの年齢になってふと思うこともあります。それでも、今日も僕のことを「小さい頃から知ってるよ」という患者さんが来てくれて、そんな時はやはりうれしいですし、これで良かったのでしょう。これからも、少しでも地域の皆さんのためにできることをコツコツと続けていきたいです。

読者へのメッセージをお願いします。

阿部剛院長 あべクリニック6

当院では対応が難しいケースだったとしても、近隣のクリニックや大規模病院への紹介もできるので「とりあえず行ってみよう」というような場所として認識していただければと思っています。特に、おなかでお悩みのことがあったり、検診で指摘されたりした時は、早めに来てください。病気の早期発見・早期治療をめざしましょう。その他、幅広い診療をしているので、何か気になることがあれば、ご相談をお待ちしています。国道16号沿いのわかりやすい場所にあり、駐車場も10台以上備えているので、気軽にお立ち寄りください。

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