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築山 正嗣 院長の独自取材記事

柳原医院

(大阪市城東区/緑橋駅)

最終更新日:2023/05/22

築山正嗣院長 柳原医院 main

70年もの間、この地で地域の健康を支えてきた「柳原医院」。開院した初代院長は、築山正嗣院長の祖父だという。その後、2代目院長である叔父から同院を引き継いだ築山院長は、「来てくれるすべての患者の相談に乗りたい」と語る。長く通う高齢の患者も多いが、最近では子どもの患者が増えているという。自分の症状を言葉で説明できない子どもには、さらなる配慮を重ねて診療を行っている。子どもから高齢者まで、さまざまな訴えに耳を傾ける築山院長は、安心感を与える穏やかな笑顔が印象的だ。インタビューでは、同院の成り立ちから、これまで取り組んできた研究、そして今後の目標まで、たっぷりと語ってくれた。

(取材日2018年2月19日)

祖父母から引き継いだ、70年もの歴史がある医院

まず、この医院の成り立ちを教えていただけますか?

築山正嗣院長 柳原医院1

当院は、私の母方の祖父母が70年ほど前に開業しました。その後、その息子、つまり私の叔父が後を継いだんです。このビルの2階にある「柳原皮膚科」は、その叔父の兄弟で私のもう一人の叔父がやっている医院になります。当院の前院長である叔父が体調を崩し、この医院を辞めると決めた時に「5年でいいからここで働いてほしい」と言われました。当時は研究にも力を入れていたので、迷いはありましたが、医師として患者を放って辞めるわけにはいかない、という叔父の気持ちはよくわかるので、こちらで働くことを決断したのです。それから早いもので20年の月日がたちました。約束の5年はとっくに過ぎていますが、今はとてもやりがいを感じていますし、ここが自分の場所だと思っています。

どのような患者さんが多いのでしょうか?

叔父、そして祖父母の代から70年続く医院ですので、長く通ってくださっている方も多いです。最近はさすがに祖父母の代から通っているという方は少なくなってきましたね。私がここで診療を始めた頃は、圧倒的に高齢の患者さんが多かったのですが、今は全体の半分近くが子どもの患者さんです。予防接種を受けられるようにしてほしい、などの要望に応えているうち、当院で予防接種を受けた子が体調を崩すと来てくれるようになりました。この辺りの地域はさほど子どもが多いというわけではないからか小児科が少ないので、私自身も子どもを持つお父さんやお母さんの力になりたいと思っています。

設備の特徴を教えてください。

築山正嗣院長 柳原医院2

私が前任の院長である叔父からこの医院を引き継いだときは、入り口で靴からスリッパに履き替える昔ながらの医院、という感じでした。しばらくはそのまま診療していましたが、やはり患者さんにとっては靴のまま入れたほうが楽だろうなと感じるようになったんです。一般の方はもちろんですが、特に車いすの方にとって、入り口から診察室までそのまま入って来られるほうが負担は少ないですよね。より多くの方にスムーズに診察を受けていただきたいと思い、引き継いだ後、しばらくたってから現在のように改装をしました。

治験の研究から地域医療に方向転換

なぜ先生は医師の道に進まれたのでしょうか? また、どんなことを専門に学ばれましたか?

築山正嗣院長 柳原医院3

大学受験を考え始める高校生の頃、母と祖父母に近畿大学医学部は環境も良くてすごく良い学校だよ、と勧められたんです。子どもの頃に小児喘息を患っていたので、もともと呼吸器内科に興味がありました。その後専門を決める時に、偶然同級生から「呼吸器内科にすごい教授がいるから、一緒に行こう」と誘われたこともあり、呼吸器内科を選びました。呼吸器内科は、大きく喘息グループ、肺がんグループに分かれています。もともとは小児喘息だったことから選んだ呼吸器内科ですが、最終的に肺がんグループに進みました。肺がんに対する内科分野からのアプローチに興味があったんです。

これまで、大きな影響を受けた方はいらっしゃいますか?

先ほどお話しした、呼吸器内科のすごい教授というのは、現在、和泉市立病院の総長をしていらっしゃる福岡正博先生のことです。福岡先生から本当にさまざまなことを学ばせていただきました。福岡先生は、当時から治験をしっかりやらなければいけないという考えをお持ちでした。治験というのは、医師の中でも賛否両論といいますか、さまざまな考えを持つ人がいます。ただやはり治験をしなければ、新しい薬が承認されることはなくなってしまうんですね。私自身も先生のもとで研究を続けられればと思っていましたが、当院を継ぐことになって方向転換をしたんです。ただ、今も限られたことにはなりますが、発売された後の副作用のチェックなど、お手伝いできることは進んでやっていきたいと思っています。

診察で心がけていることはありますか?

築山正嗣院長 柳原医院4

子どもから高齢者まで、幅広い患者さんに来ていただいているので、どんな相談も受けられるようにしています。もちろん、専門の病院や大きな病院に紹介させていただくこともありますが、そのために常に勉強をすることを心がけています。また、先ほどお話ししたとおり、今は4割近くが子どもの患者さんです。特に小さい子は、自分の症状を言葉で説明することができません。ですので、より注意深く診るようにしています。また、いつもその子と接している保護者の「いつもとちょっと違う」という言葉はしっかりと受け止めます。熱や腹痛などでも、その裏には大きな病気が隠れているケースもあります。ですので、あらゆる可能性を考えながら診療しています。

自分の体や健康に不安を感じる患者の力に

地域の医療活動にも熱心に取り組んでおられると伺いました。

築山正嗣院長 柳原医院5

医院での診療の傍ら、城東区医師会の活動にも参加しているのですが、この地域の特徴として挙げられるのが、地域の医師同士、とても仲が良いことです。いろいろな科を標榜する医院やクリニックがありますが、手を取り合い、お互いにカバーし合うことで、総合病院のような存在になることを目標にしています。地域の方にとっては、遠くの病院に行くより、近くで完結したほうがいいですよね。医師会ではさまざまなイベントの裏方をやることも多いので、いろいろな先生と出会う機会があります。その中でどういう先生がどの医院やクリニックにいるのか積極的に情報を集めるようにしています。そうした引き出しをたくさん持っておけば、当院にやってきた患者さんにも、「この症状なら、あのクリニックのあの先生がいいよ」と勧めることができますので。

今後の目標を教えていただけますか?

これからも在宅医療や訪問診療にも力を入れていきたいと思っています。今は当院に通院できている方でも、これから年齢を重ね、寝たきりになって家から出られないというケースが増えてくるはずです。また、今後は在宅での介護がぐんと増えるでしょう。そういう方のための訪問診療、そしてお看取りも必要になってくると考えています。今もお昼休みなどの時間を使って、3人の医師がグループで行う「強化連携」という制度を活用しながら、訪問診療は行っています。医師1人だと、どうしても動けないこともでてきます。そのときに、ほかの2人の医師のどちらかが診療にあたるというものが「強化連携」という制度です。1人だとできることは限られているので、他の先生たちとも協力して、これからも対応していきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

築山正嗣院長 柳原医院6

自分の健康や体に不安や疑問がある方には、ぜひ相談に来ていただきたいですね。地域の中での当院の役目は、病気を治すということはもちろん、不安を抱えている方の相談に乗って、力になることだと考えています。また、私はなるべく薬の処方をなるべくシンプルにするように心がけているんです。特に高齢の方は、薬が多くなりがちです。もちろん、必要な薬はしっかりと使っていきますが、減らせるものは減らしていきます。もちろん、それは子どもでも大人でも変わりません。風邪やインフルエンザ、血圧に関する症状、糖尿病など、いらっしゃる患者さんの症状はさまざまです。幅広い症状に対応していますので、どんな症状でも「まずは、柳原医院へ」というふうに頼っていただけるよう、日々の診療に励んでいきます。

自由診療費用の目安

自由診療とは

おたふくワクチン/7000円(税込)

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