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村上 明延 院長の独自取材記事

むらかみ歯科クリニック

(廿日市市/廿日市駅)

最終更新日:2021/11/17

村上明延院長 むらかみ歯科クリニック main

JR山陽本線・廿日市駅、広電廿日市電停から徒歩4分の場所にある「むらかみ歯科クリニック」。院長を務めるのは、とても患者思いで研究熱心な村上明延先生だ。予防歯科を重視し、患者が虫歯や歯周病になった原因を探って丁寧に説明。虫歯や歯周病を繰り返さないための方法を探り、無理なく行える対策を伝えている。また、歯並びが悪い子どもが多いことを問題視し、歯並びを悪くしないために保護者が何をするべきかという指導も行っている。歯科について話してくれる村上院長の熱のこもった言葉からは、医療に対する思いが感じられ、説明もとてもわかりやすい。村上院長に予防歯科や子どもの歯並びについて話を聞いた。

(取材日2021年7月20日)

治療で対処する前に、虫歯を防ぐことが大事

こちらで開業された経緯をお聞かせください。

村上明延院長 むらかみ歯科クリニック1

僕の父も歯科医師で、大学卒業後は広島大学病院に勤務して経験を積んだ後、父のクリニックで10年ほど一緒に治療を行いました。歯科医師として多くの患者さんに接し、さまざまな先輩方について学ぶ中で、僕は予防歯科に力を入れていきたいと考えるようになったんです。治療に注力したい父とは方向性が違ってきたため、父のもとから独立して、2013年にこの場所に開業しました。このエリアは新しく集合住宅ができていて、ファミリー層が増えています。これから長く暮らす方も多いでしょう。そういう方々のお口の中の健康を生涯にわたってサポートしたいと考えています。

先生が予防歯科に力を入れたいと考えるようになったきっかけは?

僕が初めて予防歯科を知ったのは大学時代です。5年生の臨床実習で歯を一切削らず、予防歯科だけの診療をされている先生の診療所を見学する機会がありました。治療は近所の先生を紹介して患者さんに行ってもらうという徹底ぶり。予防だけなんて当時はとても画期的でした。今でこそ「できるだけ削らない」ことが大切だとされていますが、当時は「歯科医師は歯を削るもの」という考え方が主流だったので、そういうことをしない先生は非常に珍しかったのです。

その先生の存在が大きかったのでしょうか。

村上明延院長 むらかみ歯科クリニック2

はい。しかしそれですぐに「予防歯科に力を注いでいこう」とはなりませんでした。その後、広島大学病院に勤務しましたが、やっていることは虫歯の穴を埋める、歯の周りの歯石を取るといった、局所的な問題点を解決する治療でした。でも一生懸命治療したにもかかわらず、どんどん悪くなる患者さんがいるのです。僕が大学病院から父のクリニックに移った時、僕を信頼してついてきてくれた患者さんがいました。しかし僕では治せない。それなら経験の浅い僕より、ベテランの父なら治せるのではないかと思ったのですが、そうではありませんでした。その時に「治す」のではなく、もっと早い段階から「虫歯にならないように」してあげなくてはいけないのだと気づき、予防が大切なのだと気づいたのです。「治せる」ことではなく「治す」必要がないようにすることが、患者さんに最も必要なことであり、予防こそが大切なことだと気づかされたのです。

虫歯や歯周病の原因は細菌だけではない

予防歯科というと、正しい方法で歯磨きをして、定期的にクリーニングに通うというイメージがあります。

村上明延院長 むらかみ歯科クリニック3

予防について、細菌を除去すれば歯槽膿漏や虫歯にならないと考えている方が多いですよね。しかし、歯科医院で指導されたとおりに歯磨きをして、お勧めの歯ブラシや歯磨き粉を使っているにもかかわらず歯槽膿漏や虫歯になってしまう人や、こまめにクリーニングに通っているのに虫歯になってしまう人もいるのです。そういう患者さんに接するうち、本当に虫歯や歯周病の原因は細菌だけだろうかと疑問を感じるようになりました。そんな時に熊本県にある生田歯科医院の生田先生のセミナーに参加し「これからの歯科は、虫歯や細菌との戦いではなく、噛み合わせや呼吸との戦いになる」とお聞きしました。細菌と戦い続けてきた生田先生の口からこんなセリフが出てきたことに衝撃を受けました。やわらかい食べ物しか口にしなくなった現代人は、舌の筋力不足を起こし、睡眠時に呼吸不全を起こすことが虫歯や歯周病に大きく関係するのだと教えていただきました。

舌の筋力の低下が虫歯や歯周病に関連するとは驚きです。

欧米化された軟性の食べ物を食べている現代人は、舌の筋肉を使って食べることをしません。この舌の筋力不足により、舌の咽頭への沈下が起こり、睡眠時の呼吸不全から歯ぎしりを誘発します。歯ぎしりは歯牙と歯を支える骨に体重の4~5倍の力をかけると言われています。歯牙がとても固いため、そうそう簡単には細菌が歯に酸を出して穴を開けることはできませんが、適度な歯の接触ではなく強力な歯ぎしりで歯に細いヒビが入ってしまえば一瞬で虫歯ができるでしょう。虫歯や歯槽膿漏になったとき、その原因は何なのかをしっかり突き止めないと、治療をしても繰り返してしまう恐れがあるのです。さらに、舌の筋力不足は子どもの歯並びにも影響します。子どもの歯並びは「食卓にどんな食べ物が並ぶか」、そして「どのように食べてきたのか」が関与します。やわらかい食べ物ばかりを食べてしまうと舌の筋力が育たず、歯並びにも悪影響が出る恐れがあるのです。

子どもの歯並びが悪くなるのを防ぐために、保護者にできることはあるのでしょうか。

村上明延院長 むらかみ歯科クリニック4

歯並びが良くなっていくのか、悪くなっていくのか。その方向性は生まれてすぐから始まっています。例えば母乳の与え方の正解をご存知でしょうか。赤ちゃんに母乳を与えるのは縦抱っこが良いのか、横抱っこなのか、何の気なしに与えている離乳食にも歯並びを良くするための与え方があります。歯並びが悪くならないようにする食事はどんなものが良いのか? 食材の切り方や大きさは、固さは? 姿勢が歯並びに影響を与えていることを知っている方はあまりいらっしゃらないと思います。しかし、その知識があれば矯正しなくても済むかもしれないですよね。僕はお子さんが矯正をしなくても済むような知識を、お母さん方に伝えたい、伝えていかなくてはいけないと考えています。とはいっても、家庭でできること・できないことがありますので、無理のない範囲でできることをアドバイスしています。

個人に合わせた、再発を防ぐためのアドバイス

先生が治療の際に心がけていることを教えてください。

村上明延院長 むらかみ歯科クリニック5

僕は患者さんに説明をする時、必ず模型を使います。模型を使って、患者さんご自身に自分の口の中の現状を確認してもらいます。そして、なぜここに虫歯ができてしまったのか、なぜこの歯がグラグラしているのかをご説明し、理解してもらい、どのように治療しどうやって再発を防ぐのかについて、いくつか方法をご提案した上で、納得していただければ治療へ進みます。なぜここに虫歯ができているのか、なぜ歯がグラグラするのか、その理由を知ることが大切だと考えています。また、治療をした後は再び虫歯や歯周病にならないためのアドバイスも忘れません。歯列矯正は見た目の問題解決だけではなく、歯ぎしりの力を適切にコントロールすることで虫歯や歯周病にならないよう守ったり、睡眠時の睡眠不全からの解放で睡眠の質を上げることも期待できます。しかし矯正はいろいろとハードルの高い処置です。矯正が難しい方には睡眠時のマウスピースをお勧めしています。

お忙しくされているかと思いますが、休日や仕事の後はどのように過ごされることが多いですか?

小学3年生と1歳半の子どもがいます。普段は妻が子どもの面倒を見ているので、休みの日は僕が子どもの世話をして一緒に遊んでいます。あとは犬が2匹いるので、犬の散歩が日課です。趣味は漫画や小説の収集です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

村上明延院長 むらかみ歯科クリニック6

しっかり歯磨きをしてメンテナンスに通っているのに、虫歯になったり歯がグラグラしたりする理由は、皆さんがイメージしている細菌のせいだけではないことを知っていただきたいです。お子さんの歯並びは、皆さんがイメージしている遺伝の問題だけではありません。お父さまやお母さまに顔つきが似てくるのは、お父さま、お母さまと同じものを食べ、普段の行動を真似するから似てくるのです。歯並びを良くするために「様子を見ましょう」はありません。今すぐにでも始められることがあります。それは、「こういった治療をして治しましょう」ということではなく、歯並びが悪くならないようにするにはどうすれば良いのかということを、当院にぜひ聞きにいらしていただきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

・歯列矯正:77万円~

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