曲げたときの膝の痛みを感じたら受診を
原因に合わせた膝痛治療
たなか整形外科
(北九州市八幡東区/八幡駅)
最終更新日:2023/01/12


- 保険診療
膝の関節は、人体のあらゆる部位の中でも複雑な構造をしており、日々酷使する箇所でもあるため損傷を受けやすい部位といわれる。膝の痛みを感じた時、対症療法として湿布や痛み止めを用いる人も多いだろうが、安易に自己流で解決しようとすることに「たなか整形外科」の田中孝明院長は警鐘を鳴らす。「痛みを我慢したり、根本的な解決を先延ばしにしたりすると、体も心も深いダメージを負ってしまいます。そうならないためにも、早い段階で検査と治療をお勧めします」と語る田中院長は、変形性膝関節症、半月板損傷、膝靱帯損傷、関節リウマチなどさまざまな膝の痛みに関する診療経験が豊富なドクター。そんな田中院長に、治療の方法や痛みを抱えている人へのアドバイスなど、膝の痛みに関するさまざまな話を聞いた。
(取材日2022年8月6日)
目次
膝の痛みは初期のうちに受診することで、根本的な治療をしっかり行おう。痛みを感じる人はすぐに整形外科へ
- Q膝に痛みや違和感があるときは、どうするのがよいでしょうか。
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A
▲患者には、わかりやすい言葉で丁寧に説明するよう心がけている
膝の痛みについて自分で判断して対応するのは非常に難しいので、まずは整形外科を受診して診断を受けることをお勧めします。膝の痛みを訴える患者さんの中で多いのは変形性膝関節症、半月板損傷、関節リウマチ、骨折、ケガによる靭帯損傷などですね。正座ができなかったり、歩いた時や階段の上り下りの際に膝が痛かったりするのに悩まれてお越しになります。患者さんご自身ではなかなか原因までわからないと思いますので、違和感や軽い痛みのうちに整形外科で診断を受けられたほうが、早く適切な治療を行うことができます。重要なのは痛みに苦しむ期間を短くすること。早期に原因がわかれば、軟骨のすり減りの予防を目的とした措置も行えます。
- Q膝の痛みに対してどのような治療を行うのでしょうか。
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A
▲個々に合わせた治療を組み合わせ、提案を行う
まずは目の前の痛みを緩和するための処置を行います。慢性的な痛みに苦しんでいる方は、その痛みが脳内で記憶されることで増幅し、痛みを過剰に覚えてしまうケースがあります。そのため、その方の状態に合わせて適切な痛み止めを選んで処置するようにしています。また、筋力が弱まると膝の痛みが出るケースもあります。そういう場合は理学療法士とともにリハビリテーションを行うことで、バランスの良い筋力をめざしていきます。体が硬い方、扁平足の方、O脚の方、猫背の方などはそのゆがみから膝の痛みにつながることがありますので、こうしたケースも運動を習慣化し、適切な体の動かし方を身につけることで痛みの緩和を図ります。
- Q膝の痛みを放置するとどのような影響が出るのでしょうか。
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A
▲9人の理学療法士がマンツーマンでリハビリを提供
炎症がひどくなって膝に水がたまったり、軟骨がすり減ったりして、どんどん病状が悪くなってしまいます。また、痛みを我慢しているとストレスにもつながり、何をするのもおっくうになり、抑うつ状態に近い状況になってしまいます。このような負の連鎖を起こさないためにも、早期治療が大切です。原因がわからないままに湿布薬やサポーターを使うことはお勧めしません。同じように感じる膝の痛みでも原因はさまざま。根本的な治療が必要なケースもあれば、正座を控えて椅子中心の生活にするなど、生活習慣の見直しがポイントになるケースもあります。それを判断するためにもまずは医師の診療を受けること。それが早期改善への第一歩です。
- Q先生は膝関節の治療に専門的に取り組まれてきたそうですね。
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A
▲先進の機器を取りそろえており、エコー検査装置は3台ある
整形外科医になった当初はケガなど外傷の治療を中心に学び、その後、師事する先生のもとで膝の診療を専門的に学びました。勉強会に参加したり、他院に見学に行ったりして腕を磨き、人工膝関節置換術や前十字靭帯再建術、関節鏡手術など多数の手術を行いました。ただ、整形外科の治療は医師一人ですべてを解決することはできません。それは病院であってもクリニックであっても同じです。看護師・理学療法士・事務スタッフ全員で患者さんとコミュニケーションをとりながら、治療方針に納得・信頼していただくことがあって成り立つものだと思っています。
- Qエコー検査も含めた幅広い検査を実施されていると伺いました。
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A
▲「膝の痛みは早期治療が大切」と語る田中院長
エコー検査は、筋肉や患部の血流、神経の状態を細かく確認しながら、患者さんにリアルタイムで様子を見てもらえる、とても優れた検査だと思います。エコー検査は膝の周りの靱帯の痛み、ケガ、膝の脛骨が出っ張って痛むオスグッド病、ランナー膝と呼ばれる腸脛靱帯炎などには向いていますね。しかし、骨の深いところなどの検査には向いておらず、膝の痛みがあるケースならばエコー検査と問診をしっかり組み合わせる必要があります。どんな時に痛く感じるのか、触診をしながら痛みを感じる動きを見つけていきます。原因をしっかりと特定して、前向きに治療へと向かえるようなアドバイスもさせていただきます。