思い立った時が始めるべき時
将来の口の健康を守るための予防歯科
ひのまる歯科
(文京区/千駄木駅)
最終更新日:2025/01/30


- 保険診療
虫歯や歯周病といったトラブルを未然に防ぎ、口の中の状態を健康に保つためのメンテナンスを行う予防歯科。国内ではまだ「歯科医院は歯の調子が悪くなった時に行く場所」という考えが根強くあるが、北欧では早い時期から国の政策として予防歯科に取り組み、当たり前のものとして根づいていることが多いという。「悪い部分を削って詰めるだけでは、根本的解決にはつながりません。トラブルの原因を探り、それを取り除くことこそ重要。そのためにはホームケアを含む予防が欠かせないのです」と語るのは、千駄木にある「ひのまる歯科」の渡邊学院長。予防歯科の必要性を強く訴え、カウンセリング重視の診療を展開する渡邊院長に、予防歯科のメリットや実際の診療の流れなどについて、話を聞いた。
(取材日2024年12月19日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q予防歯科の重要性やメリットについて教えてください。
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A
お口の健康を長く保つために重要なのが予防歯科です。虫歯や歯周病など「今困っていること」への対応ではなく、将来のリスクを軽減することこそが大切です。目先の治療ではないことで歯科に時間を取られるように感じるかもしれませんが、長期的に見たときに、歯科治療にかける時間や費用、手間といった負担を抑えることにつながるのです。虫歯や歯周病などになるのは、日頃のブラッシング方法が間違っていたり、良くない食生活を続けていたりと、何かしらの原因があるはず。それを見極め、取り除いていくのが予防歯科だと捉えています。
- Qいつ頃から予防歯科に取り組むべきですか?
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A
予防歯科をスタートするのに、年齢や時期は関係ありません。思い立った時が始める時。「自分の口の中の様子を知りたい」「将来歯を失わないために今できることをやりたい」という思いがあれば、すぐに相談していただきたいと思います。予防歯科の開始に遅すぎることはありませんが、早い時期に始めれば始めるほど、打てる手が多くなります。虫歯を進行させてしまうと、削ったり抜いたりなど選択肢が限られてしまいますが、初期の段階であれば削ったり抜いたりすることなく治療することもめざせます。
- Qこちらのクリニックの予防歯科にはどんな特徴がありますか?
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A
当院では患者さんの思いとバックグラウンドを引き出すカウンセリングに力を入れており、専用のカウンセリングルームも院内の一番奥の居心地の良い場所に確保しています。初回は状況説明、治療方針決定のカウンセリングに約1時間をかけ、それぞれの患者さんに合わせたケアをご提案しています。患者さんご自身の歯を守る意識を引き出すためのカウンセリングです。そのほか、予防歯科学においてさまざまな講習を受けて、豊富な知識と技術を持った歯科衛生士が在籍しているのも特徴です。単にクリーニングを行うだけでなく、より高いレベルでのケアやアドバイスをご提供することに努めています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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患者の現状を把握するためのカウンセリング。「5年後、10年後にどんな口でいたいか」という将来への展望や、食生活やブラッシングなど生活習慣、職場や家庭などの環境を聞きつつ、特に重視するのは、この先どのようにしたいのか、何を大切にしているのかといった患者本人の気持ち。そうした患者の思いを詳細に把握することで、それぞれに合わせたオーダーメイドのケアとアドバイスが可能になるという。
- 2診察・エックス線撮影・治療
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診療台に移動し、口腔内状況を確認する診察と、エックス線撮影、画像撮影などが行われる。診察ではその時点でできている虫歯や歯周病だけでなく、将来的にトラブルになりそうなリスクまでも細かくチェック。自分で鏡をのぞくだけでは見つけられない小さなトラブルの芽もプロの目で確認してもらう。マイクロスコープを使うことで肉眼では見えないところまで診察可能で、記録されたデータはリアルタイムで確認することができる。
- 3状況説明・計画の詳細説明
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再びカウンセリングコーナーに移り、診察や画像・データをもとにした口の中の現状と将来のリスクについて説明を受ける。診療台に座ったままではなく、カウンセリングコーナーで向き合った状態で話すことで、患者の希望や要望を引き出していくそう。習慣の一つ一つについて細かく検証し、患者にとって継続しやすい方法を、本人とともに考えていく。初回の受診日に行うのはここまで。
- 4クリーニング
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次のアポイントで、初回に立てた計画に基づいてケアを開始。歯垢を染め出す液を用いて、現状のブラッシングで磨けているところ、磨けていないところをチェック。歯垢を取り除き、歯石があればスケーラーで除去していく。歯と歯の隙間や歯周ポケットの中など、ホームケアでは取りきれない部分にも対応。クリーニングと並行して、個々人に合わせて無理なく続けられるホームケアの方法を歯科医師と患者本人とで一緒に考えていく。
- 5アフターケア
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クリーニングを終え、自身で歯の健康を守れる状況にあることが確認できれば、半年に一度程度の通院で維持していくことをめざす。通院のペースは患者の口内の状況によって異なるが、大切なのは「クリーニングに行く」のではなく「口の状態を確認しに行く」という意識なのだという。基本的には自宅でのケアで状態を保ち、クリニックでは生活の変化などによって新たなリスクが出現していないかを確認するためという意識が大切だそう。