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齋藤 英之 院長の独自取材記事

辻堂いなほクリニック

(藤沢市/辻堂駅)

最終更新日:2019/12/06

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辻堂駅西口からすぐの「辻堂いなほクリニック」は、予約制の心療内科、精神科のクリニック。齋藤英之院長の専門は精神科だが、院内に入ると、優しい笑顔で迎えてくれるスタッフ、日の光が差し込む明るい待合室、そしてくつろげそうなソファー。齋藤院長も穏やかな人柄で、医院全体がやわらかな空気に覆われた、自然と悩みを打ち明けたくなるような雰囲気だ。診察室はプライベートを守る造りとなっているの安心だ。「この程度のストレスで病院に行くなんて……と思わず、本当にささいなことでも気軽に受診していただきたいと思います」と語る齋藤院長。診療にかける思いをじっくりと語ってもらった。
(取材日2015年2月19日)

適切な医療を提供すべく、常に学び続ける真摯な姿勢

個性的な医院名ですね。どういった意味が込められているのでしょうか。

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「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉からきています。当クリニックは、いなほクリニックグループの一院として開院しました。横浜市立大学の精神医学教室で学んだ医師たちが、自分たちの理想とする精神科の医療を提供したいという思いから立ち上げたのです。私たちは自分たちの持っている知識や技術に安住することなく、先進の知識を駆使してよりよい医療を提供したいと思っています。そして、常に謙虚であり感謝の気持ちを忘れずにいたいと思っています。そんな思いから、「いなほクリニック」と命名しました。

クリニックの特徴をお教えください。

いなほクリニックグループは当クリニックの他に、洋光台と平塚にもあり、精神科の医師が中心になって診療を行っています。当院と洋光台の医院は一般的な外来クリニックですが、平塚は、訪問診療を中心とした在宅療養支援を行っています。また、定期的に、グループの全ドクターを対象に外部から講師を招くなどして勉強会を行っています。これは、すべてのドクターがひとりよがりな治療や診断をせず、ベストな治療を患者さんに提供したいと思っているからです。そのために、常に仲間と研鑽し、知識のブラッシュアップを図っています。

どういった患者さんが多いのでしょうか。また、診察までの流れを教えてください。

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当クリニックの患者さんは20代から40代の方が多く、普通に社会生活を送っている方が中心です。ですからカウンセリングを中心に、できるだけ薬に頼らず、患者さんが自分の力で治るためのお手伝いをしたいと考えています。具体的な診療の流れとして、診察に入る前に問診票に受診理由を記入していただきます。精神科に来院しているということ自体緊張していらっしゃる患者さんも少なくないでしょうし、いきなり診察室でお話を聞いても、医師を目の前にすると頭の中が真っ白になってしまってご自身のことを話せない方もいらっしゃいます。紙に書くことで自分の頭の中が整理されることもあるので、なぜ当クリニックにいらしたのかをはじめとした問診と、簡単なストレスチェックのような質問用紙をお渡します。その回答を拝見した上で、診察に入りますので、安心していらしてください。

患者と医師という以前に、人対人として信頼関係を築く

診察にあたって心がけていることはありますか?

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常に患者さん目線で何を望んでおられるかを考え、それをきちんと受け止めた上で医師としての診断、本当に治療が必要かを判断します。そのためには患者さんと主治医の間で、心が通い合い、どんなことでも打ち明けられる関係、精神医学の用語でいう「ラポール」を築くことが大切です。「私の話をちゃんとわかってもらえている」と患者さんが感じることができなければ、悩みの本質を知ることはできませんから。まず患者さんのお話をきちんと聞くこと、これに尽きますね。当院は支持的精神療法を基本としていますので、初回はお話を聞くだけで終わることもあります。診察では、身体的疾患も念頭に置き、必要に応じて最低限の薬物療法を行います。

先生はなぜ精神科の医師になろうと思われたのですか?

人間に対する興味でしょうか。人はなぜこんなに違うのか、理性的な人もいれば感情的な人もいる、その思考回路や心の動きといったものに興味があったんです。私自身はそれほど社交的ではなく、積極的に人付き合いをしたり、リーダーシップを取ったりするタイプではなかったのですが、その反面、どんなタイプの人でも相手の気持ちを丁寧に受け止め、理解したいという思いが強かったんです。ですから、相談を受けて一緒に考えたりするのは好きでした。それを何か人の役に立てることはできないかと考えた末に、精神科の医師の道を選びました。

医師として影響を受けた方はいらっしゃいますか?

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私が横浜市立大学の精神医学教室に入った時に教授をされていた、小阪憲司先生です。退官されましたが、第3の認知症といわれるレビー小体型認知症を発見した方です。世界的なレベルで功績のある研究者ですが、常に臨床医としての視点を忘れずに「患者さんは一人ひとり違う。研究のための臨床ではなく、臨床のための研究だ」とおっしゃっていました。例えば、患者さんの訴えが教科書的な疾患の症状と違っていたとしても、「それがどんな原因から起こっているのかを誠実に向き合い、しっかり判断をつけなさい。答えは常に患者さんが持っている」と。つまり患者さんの側に立って診察し治療をすることが医師として最も重要だということです。「患者さんの中に正解がある」という先生の教えを胸に刻んで、今も診療にあたっています。

早期治療開始が大切。ささいな変化でも気軽に受診を

精神科への来院は抵抗がある人も多いのではないでしょうか?

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そうですね。でも心療内科という言葉が一般的に浸透するようになって、ハードルは低くなっていると思います。もともと心療内科は、血圧異常や胃潰瘍、アトピー性皮膚炎といった、メンタルの要素が多く関わっているといわれる疾患を診るための科です。心身の状態が複雑に絡み合って症状が出ますから、体調不良で心の状態が悪くなることもあれば、心の状態が悪くなることで身体に異常を来すこともあります。それを一つ一つ解きほぐし、心身を健康な状態に導くためにさまざまなことを学び、知識を吸収し、いろいろな治療法をミックスして患者さんに最適な医療を提供できればと思っています。「気分が落ち込んで学校や会社に行きたくない」と感じる前に、いつもと違う精神状態になったら、まずご相談に来ていただきたいと思います。

具体的には、どんな状態のときに受診すると良いですか?

「眠れない」「胸がざわつく」といった気分的な変化と、体調の変化、特に消化器系の症状があるとき。食欲減少もサインの一つです。あとは家族や友人、同僚など周囲が気づきやすいサインとしては、ため息が増えた、表情が硬くなった、好きなことをしなくなった、というときは要注意ですね。人間は自分の好きなことができる、というのがある程度の健康のバロメータになっています。それをしなくなったというのは、ちょっとした喜びを感じられない状態ということなんです。一般的にはこの状態が3ヵ月以上続くと危険とされますが、治療を開始するのが早いほど回復のペースアップにつながりますから、心身の状態がいつもとちょっと違うと感じたら来ていただきたいですね。家族や親しい人にこそできない話もあります。話すことで気分が楽になり、ストレス解消につながることもありますので、悩み相談でもするつもりで気軽にお越しいただければと思います。

最後に、医師としてやりがいを感じる瞬間を教えてください。

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患者さんから「ありがとうございました」という言葉をいただいたときですね。「先生に会えて良かった」と言ってくださる方もいて、それはもう本当にうれしいことです。中には、徐々に薬が必要なくなり、通院の間隔が延びていって、来院されなくなる方もいらっしゃいます。自然に社会復帰をされて、何事もなかったように日常生活を送られているのなら、それはそれで良かったと喜んでいる自分がいます。精神科に限らず、病院は来たくて来ているわけではないというのが大前提。それでも通ってくださる患者さんに感謝の気持ちを常に持ち、しっかりと治療をして差し上げたいと思っています。

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