田中 郁子 理事長、甲斐 基一 先生、小川 邦和 先生の独自取材記事
三重膠原病リウマチ痛風クリニック
(鈴鹿市/白子駅)
最終更新日:2024/10/17

「三重膠原病リウマチ痛風クリニック」は、近鉄名古屋線の白子駅から車で約5分、国道23号から少し入った好立地にある。大きな屋根が印象的な美しい同院は、骨粗しょう症とリウマチ学の研鑽を積んだエキスパートである田中郁子理事長が立ち上げた。同院の内科診療を担当する甲斐基一先生、整形外科診療を担当する小川邦和先生は、ともに日本リウマチ学会認定のリウマチ専門医。リウマチの内科的側面と整形外科的側面の両面から、専門性の高い診断と治療の提供をめざす。さらに同院では、薬剤師や看護師、臨床検査技師などのスタッフがそろう。診断から評価、投薬に至るまで高い技術とホスピタリティーで患者のケアに努めている。リウマチ治療への想いを3人のドクターに熱く語ってもらった。
(取材日2023年11月24日)
リウマチ膠原病に特化したエキスパートがそろう医院
同院の特徴やコンセプトをお聞かせください。

【田中理事長】ひと言で言うと、骨と関節の専門クリニックです。一般的にリウマチ=リウマチ性関節炎のイメージが強いですが、リウマチ学という学問があります。リウマチ学には比較的多くの疾患が分類されており、その中の一つに関節リウマチがあるのです。私たちは、膠原病を含むリウマチ学に加え骨粗しょう症も専門としています。
【甲斐先生】地域に寄り添うことがコンセプトですが、私たちの考える「地域」はとても広いです。鈴鹿市を中心に三重県の中南勢地区、伊賀名張地区までなので、もはや三重県全体ですよね。三重県全体のさまざまな先生方や医療機関と連携しているので、医療機関として三重県全体に貢献できているのではないでしょうか。
【小川先生】手術が必要な場合は、三重県内のさまざまな医療機関へ紹介できるのも当院の特徴です。患者さまが入院や手術を受けやすい場所をご紹介しています。
特徴的な建物ですが、どのような点にこだわったのでしょうか?
【田中理事長】専門クリニックとして特化したことができる広さと機能美にもこだわりました。ご病気の方が来るところなので、清潔さと患者さまを大切にしている気持ちが伝わるような造りも特徴です。当院が提供する癒やしは、患者さまに気を使わせないという点。検査に行くときも行き先に迷うことがなく、スタッフと患者さまの動線を完全に分けていますので、患者さまの前をスタッフがバタバタと走っていくこともありません。また、良質な医療を提供するために、医師が診療に特化できるようにしました。医師はカーテンで仕切られた診療室にいるため、同じ場所にいながら周囲とすぐにコミュニケーションが取れます。スタッフスペースを医院の真ん中に配置することで、スタッフ間の距離が短く連携が取れる仕組みを採用しました。
先生方の診療のモットーを教えてください。

【甲斐先生】さまざまなことを考えながら治療をしていますが、患者ファーストではあると思います。患者さまはいろいろな不安を持って来院されるので、その不安を払拭することが大切です。しっかりと病気の説明をして、治療について理解してもらう。不安なく病気に向き合えるようにサポートして、患者さまと一緒に道を切り開いていきます。
【小川先生】甲斐先生と同じく、患者さま第一ですね。整形外科の医師としては、患者さまが生活しやすいようにするのを大切にしています。日常生活に支障が出る症状も多々あるので、まずは患者さまが望む生活をできるように治療をしていきます。
技術を磨き、経験を積んだスタッフが即日検査を実施
昨今のリウマチ、膠原病などの治療についてお聞かせください。

【田中理事長】リウマチ、膠原病、痛風、これらの病気はすべて関節痛から始まります。リウマチや痛風は適切な治療を行わないと、関節が変形してしまう病気です。20~30年前は良い治療薬がなかったため、どんな名医に診てもらっても関節が変形してしまったのですが、近年では早期発見と早期治療で関節の変形が起きる前に食い止めることが期待できるようになりました。しかし、関節の痛みが出る疾患は多くあるため、リウマチの診断はとても難しいのです。当院では、そんなリウマチを適切に診断するために超音波検査機を複数用意し、他にも必要な機器を取りそろえています。さらに、検査に関してはこれまで数多くの症例で技術を磨いた専門性の高いスタッフが担当します。来院してもらった日に予約なしで、必要な検査を受けていただけます。
診察から検査、処方に至るまですべて院内で完結すると伺いました。
【田中理事長】当院で処方するお薬は特殊なものが多く、専門的な知識が必要なため、薬剤師も採用して院内処方をしています。そのため、患者さまはお会計も1回で済みますし、お薬のことで不明点があるときは当院に問い合わせてもらえれば、医師もいますのですぐにご返答することが可能です。血液検査も院内で行うため、検査結果は当日に出しています。患者さまは診察を受けたら採血をして、血液検査の結果が出るまでにエックス線や超音波、MRIなどを必要な検査を受けてもらい、結果をすべて聞いてからお薬を受け取って帰るワンストップの診察ができます。
スタッフはどのような方が活躍していらっしゃいますか?

【田中理事長】臨床検査技師、診療放射線技師、看護師、管理栄養士、薬剤師と、すべての医療職に加え、医師をサポートするメディカルクラークも採用しています。当院のスタッフは、リウマチ学の領域について、とても勉強していますし、訓練を積んだスタッフばかりです。また、診察する際はメディカルクラークがカルテを入力して検査のオーダーも行うので、医師は患者さまの顔をしっかりと見て診察に集中できます。看護師も診療に必ず立ち合い、患者さまの状態と医師の診断を聞いた者が直接検査やケアを実施するので伝達ミスもありません。当院は完全予約制ですが、スタッフが自ら考え効率的に対応して、予約時間どおりに進むように工夫しています。スタッフは医師の右腕になっていくので、常にスキルアップをめざしてもらいます。
内科と整形外科の専門家が連携し疾患を見逃さない
先生方はこれまでどのようなご経験をされてきたのでしょうか?

【小川先生】僕は手術が得意だったので、三重大学医学部附属病院の整形外科で多くの方に手術を教えてきました。その後、三重中央医療センターの整形外科でも医長を務め部長も経験。関節だけでなく、頸椎や腰など幅広い手術の研鑽を積んできました。手術は1対1で手元を見ながら教えるので、今でも三重県内にたくさん弟子がいます。手術が必要なときは、県内各地にいる弟子に依頼しています。
【甲斐先生】私も三重大学大学院で免疫に関する研究に携わった後は、三重中央医療センターで勤務し、リウマチ科の医長をしていました。医師になったばかりと時に名古屋本院の玉置院長と出会い、リウマチを専門とする医師が少ないことを知り、「私がやらないと」と使命感が芽生えたのを覚えています。玉置院長とは三重中央医療センターでも一緒になり、師弟で診療をしてきました。
先生方の専門分野が異なることで、生まれる強みはありますか?
【甲斐先生】リウマチは内科的側面と整形外科的側面があります。リウマチは免疫が壊れて起きるので、基本的には薬物療法になります。免疫を薬で調整するので、そこは私たち内科の医師の専門分野です。リウマチの治療中は免疫を抑制するため副反応が出やすくなります。そのため、患者さまの来院時は免疫の状態や副反応が出ていないかを確認して、薬の種類や量を調整するのが私の役割です。
【小川先生】関節が痛いという主訴でも、リウマチではない場合もあるので、膠原病だった場合は内科に紹介する場合もあります。逆に症状によっては、内科を受診した方を整形外科へ紹介してもらう場合もあるのです。聞きたいことはお互いすぐ聞ける体制にしているので、2人の医師ですが、すでにチーム医療として成立しているのが強みです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【甲斐先生】リウマチや膠原病は、診断や治療が難しい病気であるのは事実です。そのため、発症に気づかない方やなかなか診断がつかずに、ようやく当院にたどり着いた方も少なくありません。リウマチや膠原病は、早期発見と早期治療が大切です。関節のこわばりや痛みが気になる方は、一度受診してください。関節の痛みは他の疾患の可能性もありますが、リウマチや膠原病ではない場合もきちんと診断をさせていただきますので、ご安心ください。