阿部 美幸 理事長の独自取材記事
京成津田沼バニラ歯科
(習志野市/京成津田沼駅)
最終更新日:2024/05/14
2023年に開業から10周年を迎える「京成津田沼バニラ歯科」。受付上部にある「10」のバルーンを囲むように、待合室には海の中を思わせる飾りつけが施されていた。クオリティーの高い装飾は、阿部美幸理事長とともに同院を支える女性スタッフたちの手によるものだ。季節に合わせて、また「ふと思いついたときに開催する」というイベントに合わせて、全員が楽しみながら本気で作りこんでいるという。「患者さんが喜んでくれる顔は、スタッフのモチベーション。患者さんにとっても、スタッフにとっても、ここがワクワクする場所であり続けることが私の願いです」と阿部理事長。最近では、「次のイベント」を楽しみに通院する患者も多いという。10年の節目に、改めて同院の治療や強み、診療のモットーなどについて話を聞いた。
(取材日2023年6月27日)
家族みんなが安心して通える歯科医院をめざして
開業から10年がたつそうですね。
2014年、「家族みんなで通える歯科医院」をめざしてこの場所に開業しました。「バニラ歯科」の名前には、虫歯にならないために甘い物を制限するのではなく、「食べた後にしっかりケアをすれば、おいしいもの、好きなものを食べても良いんだよ」という気持ちを込めました。白くてやわらかなイメージで、通院のハードルを下げたかったのも理由の一つです。開業時はお子さんとそのお母さんが大半を占めていましたが、10年がたった今はお子さんから高齢の方まで幅広く通っていただけるようになり、当初の目標に近づいているのを感じます。お子さんの通院をきっかけに、お父さん、お母さん、そのお友だち……と広がっていくことも多いんですよ。
患者さんからは、どんなニーズが多いですか。
お子さんの場合は、検診や予防が多いですね。高齢の方からは、「入れ歯を作りたい」「入れ歯を直したい」といったご希望をよく聞きます。義歯に関しては、実家の静岡にある父の歯科医院で診療を担当していた頃にたくさんの症例を経験しましたから、安心してお任せいただきたいですね。また、新型コロナウイルス感染症が収束して以降、男性のホワイトニングや、比較的年齢が高い方の歯列矯正の希望が目立つようになったと感じます。マスクを外す機会が増え、見た目を気遣う方が増えたのかもしれません。ホワイトニングは個室で行いますので、人目を気にせずできる点も喜んでいただけると思います。土曜日も診療していますから、平日はお仕事がお忙しい方もぜひご相談ください。
院内のこだわりを教えてください。
開業当初から、お子さんをお持ちのお父さんお母さんにも安心して通っていただきたいと思っていました。最近はキッズスペースがある歯科医院も増えましたが、「赤ちゃんは泣き叫んで迷惑がかかるから、歯科医院に行くのは申し訳ない」と通院をためらう方は多いんです。そこで、キッズスペースを完全に独立させて、声が漏れても気にせずに済むような設計にしました。お気に入りのおもちゃやぬいぐるみなどを持って来て自分の家と同じように過ごせるので、お子さんも安心して過ごせるのではないでしょうか。また最近、全体を木目調で統一した、より「おうち感」がある個室を増やしました。お母さんと一緒に治療をしたいと思う歯科医院が苦手なお子さんや、ゆっくり審美面に配慮した治療に取り組みたい大人の方にも喜んでいただけると思います。もちろん院内はバリアフリーで、ベビーカーでもスムーズに移動していただけます。
女性ならではの目配り、気配り、心配りが強み
院内の装飾がとてもすてきです。
不定期で開催するイベントや、季節ごとに、スタッフたちが工夫を凝らしてくれています。もともとは、歯科医院が少しでも身近な存在になればと思って始めた取り組みだったんです。「歯科医院が大好き! 行きたい!」という患者さんは少ないですよね。特に、何の症状もない段階で予防のために通院するのはおっくうになりがちです。そこで、少しでも通院が楽しみになるような場所にしたいと思って、季節の飾りつけを始めました。今ではすっかり患者さんに浸透して、「次は何?」と聞かれることも(笑)。夏祭りなどのイベントでは、装飾だけでなくゲームもたくさん手作りして、患者さんに楽しんでいただけるようにしています。患者さんが喜ぶ顔がスタッフのモチベーションになっている一面もあって、私自身も毎回とても楽しみなんですよ。
スタッフさんは全員女性だそうですね。
はい。「女性ならではの目配り、気配り、心配り」は当院の強みの一つで、スタッフによる託児サポートも行っています。育休を経て戻ってきてくれたスタッフもいて、とてもうれしいことだなと思っています。私自身も子育てを通して歯科診療に対する考え方や意識が少し変わりましたが、自分自身も母親だからこそできる気遣いでお母さんたちをフォローしてくれていて、とても心強いですね。歯科衛生士たちのスキルアップのための院内勉強会などもよく開催していますが、みんな積極的に参加してくれるんですよ。歯科衛生士と患者さんが話す時間を意識的につくっているのですが、歯科衛生士たちのスキルと人間性を信頼してか、歯科医師に言いにくいことや相談しにくいことも打ち明けてくれているようです。
先生ご自身は、母になってどんな点が変わりましたか。
以前は「毎回、食後は絶対歯磨きしてね」と言っていましたが、子どもが生まれてからはそんな余裕はないことがよくわかりました。今は子どももだいぶ大きくなって変わってきましたが、保育園時代には子どもを送りながらパンを食べていることもありましたから(笑)。「時間がない! きっとほかのお母さんも同じだ」と痛感しましたね。では虫歯を防ぐにはどうしたらいいかというと、空いている時間にやればいいんです。毎食後、忙しい中でいい加減に磨くより、夜に1回だけきちんと磨いたほうが良いですし、お母さんの負担も子どもの負担も減ります。ただ、その1回が本当に大切なので、どう磨くべきかというコツをアドバイスします。お母さんたちとは「わかるわかる」「あるある」という会話が多いですね(笑)。
たとえ子どもでも、患者の意思が第一
診療時、どんなことを心がけていますか。
患者さん自身の声を聞き、意思を尊重することです。これは、患者さんが子どもであっても変わりません。忙しいお父さん、お母さんは、「せっかく連れてきたんだから、今日のうちに何とかして治療してほしい」と思うかもしれません。でも、嫌がるお子さんを無理に押さえつけて治療すれば、将来にわたって歯科医院を嫌いになってしまうでしょう。長い目で見ると、そのほうがずっとお子さんに悪影響です。お子さんが「やりたくない」「抜きたくない」といったら、なぜ治療しなければいけないのかを丁寧に説明し、できる限り本人のやる気を引き出すようにしています。「今日は来るだけね」から始めて、座っただけ、口を開けただけで終わる日があっても構いませんから、一緒に少しずつできることを増やしていけたらいいですね。
10周年を機に、これから取り組みたいことがあれば教えてください。
ずっとやってみたいと思っているのは、デンタルエステです。歯だけでなく口腔内、もっといえば口もとや口周りまで、歯科医院できれいにしてあげたいと以前から考えていました。ホワイトニングや歯列矯正のニーズが増えてきたことで、潜在的に悩まれている患者さんは多いように感じています。患者さんにもご要望を聞きながら、少しずつ勉強していきたいですね。
ありがとうございました。最後に、読者にメッセージをお願いします。
何か困り事があったら、何でも相談してください。大人も子どもも「歯科医院は虫歯を治しに行くところ」「虫歯がないから歯科医院に行かなくていい」といった考えがまだ根強くありますが、歯科医院は「虫歯にならないように行くところ」。何もなくても、イベントや飾りつけを楽しみに、ぜひ足を運んで予防につなげましょう。また、子育て中のお父さん、お母さんには、「頑張りすぎないで」と伝えたいです。子育て中はやることがたくさんありますから、お子さんとご自身の歯のことだけでも、私たちを頼っていただけたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療/ マウスピース型装置を用いた矯正(成人のみ)20万~50万円 ※症例により異なります
ホワイトニング/ウォーキングブリーチ3300円~、ホームセット2万2000円、デュアルセット2万7500円
審美歯科/セラミックインレー3万3000円~、セラミッククラウン5万5000円~
マウスガード/極真空手用マウスガード1万6500円、スポーツマウスガード1万6500円~、空手マウスガード(子ども用)1650円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。