「川越の医療」を支える
総合診療を専門としたかかりつけ医
ひろせクリニック
(川越市/本川越駅)
最終更新日:2025/09/11


- 保険診療
本川越駅から徒歩4分の場所に位置し、地域医療を支えている「ひろせクリニック」。廣瀬哲也院長が、祖父の代から3代続く病院を1998年に継承し、2012年にこの地へ新たなクリニックとして開業した。川越市に根差し、内科・外科をはじめとする幅広い診療科を備え、地域のかかりつけクリニックとして住民に包括的な医療サービスを提供。一般的な健康相談から、専門的な医療、在宅医療や企業健診に至るまで患者一人ひとりのニーズに応じてきめ細かな対応を行い、「未病の段階でのアプローチ」に力を注いでいる。同院がどのような体制でどのような診療を行っているのか。専門は「川越の医療」だと話す、NPO法人埼玉乳がんケア・サポートグループにも所属する廣瀬院長に、地域医療への思いとともに詳しく聞いた。
(取材日2025年8月20日)
目次
川越市に根差した包括的な医療サービスを提供し、「コンパッションシティー・川越」をめざす
- Q乳腺外科にはどのような特徴がありますか?
-
A
▲見えない不安、乳がん早期発見の第一歩となるマンモグラフィ
乳がんは日本人女性が特にかかりやすいがんの一つですが、早く見つければ治癒も望める病気です。だからこそ、検診を受けることが大切です。当院では先代の時代から乳がん検診に積極的に取り組み、1985年頃からマンモグラフィとエコー検査を組み合わせた診療を行っています。受診しやすい環境づくりのため女性の診療放射線技師が検査を担当し、忙しい方のために「ウィークエンド検診」も実施。乳がんの早期発見、適切な治療機関への紹介、治療後のケアまで一貫してサポートすることに努め、患者さんの生活の質を大切にした医療を提供しています。PTAでの啓発活動や子どもたちへのがん教育、チャリティー活動も行っています。
- Q消化器内科の特徴や強みについて教えてください。
-
A
▲小さな異変も見逃さない、苦痛の少ない上部内視鏡検査
おなかの調子が悪いとき、原因は大きく2つに分けられます。1つは、がんや潰瘍のように検査で「形」として見つけられる病気。もう1つは、逆流性食道炎など「働き」に不調がある病気です。多くの患者さんが悩まれているのは、この「働き」の病気です。私たちは、単に「治す」というより、生活習慣やストレスと深く関わるこの病気に対し、漢方薬なども使いながら患者さんの生活に寄り添い「調節」していくことを大切にしています。当院では、週に4回上部内視鏡検査を実施。私を含め3人の医師が担当します。患者さんの希望に応じて鎮静薬の使用も可能です。腹部超音波検査は週3回実施。胃腸や肝胆膵の病気の早期発見に努めています。
- Q循環器内科はどのような診療体制ですか?
-
A
▲一緒に始める健康習慣、生活習慣病は予防と管理で健康を維持
生活習慣病の増加に伴い心疾患のリスクが高まっており、当院では循環器が専門である岡副院長を中心に対応しています。埼玉医科大学国際医療センターと連携していますので、専門的な治療が必要な場合も適切にご紹介できる体制を整えています。注力しているのが、心房細動などの不整脈および虚血性心疾患の早期発見と治療です。高血圧や糖尿病を患う方は、知らず知らずのうちに心房細動や虚血性心疾患を起こしていることが少なくありません。こうした症状を見逃さないよう丁寧な診療を心がけ、心筋梗塞や脳卒中など重大な合併症の予防をめざしています。心電図、心エコー、24時間心電図を記録するホルター心電図などの検査も行っています。
- Q糖尿病内科の特徴を教えてください。
-
A
▲見えない不安に寄り添い、優しく見守ることを大切に検査を進める
私は膵臓外科が専門でした。膵臓はインスリンという血糖値を下げるホルモンを作る、糖尿病と密接に関わる臓器です。その経験から糖尿病診療に深く携わるようになりました。糖尿病の治療は、食事や運動の管理が欠かせないため患者さんとの共同作業が何より大切です。当院では、血糖値の管理だけでなく、病気になる前の段階で予防する「未病」の考え方を大切に、患者さんと根気強く向き合います。糖尿病は、やがて動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞につながることもあります。肝臓の状態や血管の硬さも診ながら管理栄養士と連携し、一人暮らしの方には「コンビニで何を選んだら良いか」といった、その方に即した寄り添い方を心がけています。
- Q訪問診療や企業健診も行っているのですね。
-
A
▲未病の段階からアプローチ、専門は「川越の医療」と語る廣瀬院長
訪問診療は週に3日、平日の午後に私が対応しています。訪問診療をより充実させるため訪問看護ステーションを立ち上げ、ケアマネジャーやホームヘルパーの皆さんと連携しています。また、地域の訪問診療を行う医師たちとグループをつくり、24時間患者さんをサポートできる強化型在宅療養支援診療所をとっています。さらに、川越医師会では在宅委員会を担当し、地域全体の在宅医療の連携をより強固なものにするための活動にも力を入れています。企業健診では地元企業の健康保険団体と契約し、社員の皆さんの健康診断を行っています。訪問診療や企業健診を通し、地域社会全体の健康維持に貢献していきたいと考えています。