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廣瀬 哲也 院長の独自取材記事

ひろせクリニック

(川越市/本川越駅)

最終更新日:2024/04/16

廣瀬哲也院長 ひろせクリニック main

本川越駅から徒歩4分の場所にあり、幅広い診療で地域医療を支えている「ひろせクリニック」。廣瀬哲也院長は、開成高校、東北大学を卒業後、東京女子医科大学などの拠点病院でがん治療に従事。自身の故郷である川越に戻り、2012年に同院を開業した。診療の傍ら、がん検診の普及啓発活動にも尽力してきた院長。勤務医時代に完治の難しい膵臓がんの治療にあたった経験から、同院では早期発見・早期治療だけでなく、予防に重きを置いた診療をめざしており、患者とのコミュニケーションを大切にしつつ、「未病の段階でのアプローチ」に力を注いでいる。地域医療に対する熱い想いを持ち、専門は「川越の医療」だとほほ笑む院長に、診療方針など詳しく話を聞いた。

(取材日2023年9月13日)

地域に密着した、総合診療を実践するクリニック

川越は先生の地元だそうですね。

廣瀬哲也院長 ひろせクリニック1

そうなんです。祖父の代から3代続く病院を1998年に私が継承し、2012年にこの地に移転、新たにクリニックとして開業しました。代々医師の家系というと、仕事に対する情熱がなさそうなイメージでかっこ良くないかもしれませんが(笑)、医師をめざしたきっかけは、患者さんに親切だった祖父に憧れたからです。祖父はもともと軍医で迫力のある人だったんですが、患者さんにはすごく優しかったんですね。私は病院の中で育ったようなものなので、小さな頃から祖父の回診によくついて回っていました。そんなとき、祖父がいつも、「患者さんには親切第一」と言っていたんですよ。父にしても、「患者さんはわが友、わが教師」という立場で診療していましたから、私も地元の方にとって身近な位置で、親切第一で診療していきたいと思っています。

診療科目が多岐にわたっているのはなぜですか。

私の専門はもともと外科ですが、副院長は循環器内科を専門としています。当院は、外科から内科まで幅広く診ることができる、いわゆる総合診療を行うことで、地元の方がさまざまな健康問題に直面したときに最初に相談できる窓口になれればと思っているんです。私たちで診られるところはしっかりと診て、専門外の疾患が見つかれば、責任を持って信頼できる専門機関をご紹介する、それがかかりつけ医としての重要な役割だと考えています。長年、川越で診療していますので、市内のほとんどの先生を知っていますし、大学病院との連携もありますから、患者さんの症状に合わせて適切な医療機関をご紹介できることは当院の強みです。専門の病院に患者さんを送り出し、そこでの治療を終えて戻っていらしたら、また迎え入れる、そんな港のようなクリニックであることをめざしています。

大学卒業後は、がんの治療にあたっておられたと伺いました。

廣瀬哲也院長 ひろせクリニック2

はい。がん診療の拠点病院で、膵臓がんの治療にあたっていました。願わくば、漫画の主人公のような天才外科医になって患者さんの命を救いたかったんですが、膵臓がんは治りづらい病気なんですね。それで、最初の駆け出しの頃に任されていたのが、患者さんの生存曲線のグラフを作るという、何とも言えない仕事でした。そのグラフでは、患者さんが1人亡くなると値が1つ下がるんですが、治療後に連絡が取れない患者さんについては、生存人数から外して記入しました。確認できないと数字上、亡くなったことになるわけです。そんな中、たまたまアルバイトで行った関連病院で、連絡が取れなくて亡くなったんだろうと思っていた方にお会いすることができたのです。ああ、ここで生きていらっしゃったんだ!と、感動いたしました。大学病院の中にいたのでは知り得なかったことで、その時に地域医療の役割や大切さを実感しました。

予防医学を重視し、患者とともに歩む医療を

クリニックの診療方針についてお聞かせください。

廣瀬哲也院長 ひろせクリニック3

早期発見・早期治療は大切ですが、より予防を重視した医療を心がけています。今は人生100年の時代ですから、ただ生き続けるのではなく、いつまでも元気に生きることが求められていますよね。そのためには、やはり早い段階で自分の健康の弱点を見つけ、できるだけ早くカバーしてあげることが大切だと思います。東洋医学に「未病を治す」という言葉がありますが、病気になる前に介入し、健康を守るというよりは健康をつくりあげていくという姿勢でいたほうが元気に生きることにつながっていくと思うんです。例えば、当院には、祖父の代から親子2代、3代で通ってくださっている患者さんがいらっしゃいますが、ご両親が高血圧や糖尿病だったなら、後々あなたもなる可能性がありますよと警鐘を鳴らし、栄養指導をしたり、定期的な検診を促したりして予防に取り組みます。

そうした診療には、患者さんとの対話が不可欠ですね。

おっしゃるとおり、未病の段階の患者さんに来ていただくのは難しいので、十分にコミュニケーションを取る必要がありますし、そうした患者さんに対しては特に、治療のモチベーションを保てるような話し方をしなければなりません。現代は、糖尿病のような慢性疾患が多いですし、昔のように患者さんが医師の言いなりになっていたり、医師の告知を一方的に聞いたりするような消極的な姿勢では改善が望めなくなってきていると思います。良い治療につなげるためには、医師と患者さんがよく話し合った上で、患者さんが主体的に治療に取り組むことが大切なんですね。SDM(シェアード・ディシジョン・メイキング)と言いますが、ご自分の想いをしっかりと伝えられるように、医師とともにコミュニケーションスキルを育み、双方が同じ目標に向かって、肩を並べて歩んでいく。私たちはそのような関係を築くことをめざしています。

日本対がん協会の活動など、クリニック外でも啓発活動に尽力されています。

廣瀬哲也院長 ひろせクリニック4

埼玉県は、残念ながらがんの検診率が高くなく、どうしたら検診率が上がるかと考えていたときに、アメリカ対がん協会が行っている「リレー・フォー・ライフ」の活動を知り、参加しました。「リレー・フォー・ライフ」は、がん患者の支援だけでなく、地域全体でがんに向き合い、がんの制圧をめざすという活動です。私はこの活動を通して多くのがんサバイバーと出会い、医師の仕事というのは、患者さん自身が持つ生きる力を最大限に発揮できるようサポートすることなんだと気づきました。また、がん検診率を上げるための活動として、乳がんになりやすい世代のお母さんたちに直接お話をするため、PTA副会長にもなりましたし、小中学校に出向いてがん教育の講義をするなど、幅広い年齢層に伝えられるよう取り組んでいます。

患者の希望を第一に、暮らしの中で生きる医療を

地域住民の健康増進のために、ほかにも取り組んでいらっしゃることはありますか。

廣瀬哲也院長 ひろせクリニック5

医師同士の付き合いに終始すると、地域の皆さんのリアルな話を聞く機会がありませんから、地元の商工会議所と、青年会議所に入ったんです。そのおかげで、地域の方が今どういうことに困っているのか、どのような健康問題を抱えているのか、仲間たちと町づくりをしていく中で知ることができました。医療というのは、本来日々の暮らしの中にあるもので、患者さんのリアルな生活を知った上で治療法を考えなければ意味がないんですね。当院が行っている訪問診療もそうした取り組みの一つですが、例えば、食事制限を守れない人には何かしらの理由があり、それを知らなければ良い治療はできません。患者さんが今望んでいることを聞き出し、その生活を助ける医療を提供することが大切だと思っています。

先生の趣味や休日の過ごし方についてお聞かせください。

音楽が好きで、クラシックからロックまで幅広く聴いています。時にチケットを取ってコンサートにも出かけます。また、釣りも趣味の一つで、休日はよく釣りに出かけています。私は川越市医師会釣り部の部長もしているんですが、神奈川や千葉、最近では茨城のほうまで船釣りに行っていますね。釣った魚は地元に持ち帰って、なじみの店で料理してもらうんですが、ヒラメだったらフランス料理屋さん、ノドグロだったら和食屋さんにお願いして、釣り部の仲間と食事会を楽しんでいます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

廣瀬哲也院長 ひろせクリニック6

私は、長く川越で暮らしてきましたので、この地域の医療については詳しいと自負しています。当院で診ることができない症状であれば、信頼できる専門の医師をご紹介することもできますので、体のことで何か不安があれば、どんなことでも気軽にご相談にいらしてください。自分の体の一番の専門家は、自分です。自分らしい健康をつくるために、一緒に相談しながら歩んでいきましょう。

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