唾液検査など多角的な検査を生かし
充実のカウンセリングで予防を
りきまる歯科クリニック
(北九州市門司区/門司港駅)
最終更新日:2022/03/10


- 保険診療
歯を失う原因の大多数を占めるとされる虫歯と歯周病。歯を守るためには虫歯や歯周病にならないように日頃から口腔内の環境を整え、予防歯科をいかに実践できるかどうかが肝心だ。しかし、虫歯にならないためにどうすればいいのかがわからないという患者も多い。そこで役立つのが唾液検査だ。虫歯に影響する唾液の量や質、口腔内の虫歯菌の量を把握することが、予防歯科を行う上で大きな判断材料となる。「りきまる歯科クリニック」では、この唾液検査を推奨しているほか、食生活アンケ―トの記載やブラッシング指導、キシリトール配合のガムやフッ素洗口液などの口腔ケア商品の説明まで、多角的に捉えた予防に努めている。「患者の真の利益のためには予防が重要」と話す力丸哲哉理事長に、検査やカウンセリングの重要性について詳しく聞いた。
(取材日2021年10月13日)
目次
唾液検査をはじめとした多角的な検査から虫歯リスク低減へつなげる。定期的なメンテナンスで健康な歯を守る
- Q治療前の検査やカウンセリングを重視されているそうですね。
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A
▲事前にアンケートやカウンセリングを行い、根本的な改善をめざす
例えば虫歯が原因で歯が痛む場合、まずは痛みを取り除くことが大切ですが、それだけで終わってしまうと再度虫歯になる可能性が高いです。虫歯は多因子性の疾患で原因がさまざまなので、再発を防ぎ健康な歯を長持ちさせるには、唾液検査を通してその原因を見つけ出し改善・予防することが重要です。これこそが「真の患者利益」だと考えます。また、わかりやすい治療説明には正確な検査が必要不可欠です。当院では口腔内写真やエックス線写真、歯周病の精密検査、場合によっては顎骨のCT写真、顔貌・全身の写真など、治療前に必要なデータを整理して、一人ひとりに合った予防プログラムを作成し、しっかりとした診査・診断を行っています。
- Q耳慣れない唾液検査ですが、どういうことを調べるのでしょうか?
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A
▲採取した唾液を検査
虫歯にはさまざまな原因があります。まず歯に穴を空けるミュータンス菌やラクトバチラス菌といった代表的な虫歯菌が口腔内にどれだけいるかを調べます。これらの菌が多い人ほど虫歯になりやすく、細菌量を調べるためには唾液検査が重要になります。次に唾液の量と質を調べていきます。唾液の量が多いと虫歯になりにくく、唾液の質、つまり食後酸性に傾く口腔内を中性に戻してくれる緩衝能が高いと虫歯になりにくい口腔内環境を維持しやすいのです。検査自体は簡単で、まずは5分間ガムを噛んで唾液の量を計測し、専用のキットを使って唾液の質をチェック。採取した細菌は培養器で2~4日間培養し、どの程度菌が増殖するかを調べます。
- Q唾液検査の結果をもとに予防プログラムを作成しているのですね。
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A
▲患者一人ひとりに丁寧な説明を行う
唾液検査からわかる細菌の数、唾液の量や質に加え、これまでに経験した虫歯の数、全身疾患に伴う薬の服用状況、食事内容や飲食回数、プラークの量、フッ素の使用状況などを総合的に見ていくことになります。その上でどの部分を改善すれば虫歯予防につながるかを専用のソフトを用いて見極め、患者さん自身が取り組みやすい内容から予防プログラムを作成していきます。例えばセルフケアが極端にできていない患者さんがいれば徹底した歯磨き指導を行い、唾液の量が少ない方がいれば唾液腺のマッサージを日常生活に取り入れてもらいます。いかに患者さんへ虫歯になりにくい口腔内環境を提案できるかがとても重要になります。
- Q診察台にモニターもあるので、説明がとてもわかりやすいですね。
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A
▲モニターを使い、虫歯の原因を詳細までわかりやすく説明
小さなお子さんから高齢者の方まで幅広い患者さんに対応するため、当院では大きなモニター上で治療方法をわかりやすく丁寧に説明するようにしています。例えば虫歯の進行のメカニズムや治療方法を口頭で説明しても、なかなか患者さんに理解してもらうのは難しいのですが、アニメーション動画を見てもらうことで治療方法に対する理解度は高まります。また、治療経過の説明にもモニターを活用しています。良好な治療経過を自分の目で見ることで、歯科医院に通うモチベーションは上がると思います。口の中はのぞきこんでも暗くて見えにくいため、当院では治療前後の口腔内写真やエックス線写真をモニター上で必ず見ていただくようにしています。
- Q歯を保存するためにメンテナンスは欠かせないのでしょうか?
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A
▲食生活や生活習慣が口の環境に影響を与える
患者さんが一生懸命セルフケアに励んでくれても、歯ブラシなどの口腔清掃器具が行き届かない箇所があるのは事実です。そのため定期的なメンテナンスに通い、口腔内のバイオフィルムを徹底的に破壊・除去するための処置として、スケーリングやPMTCを行うことが大切になります。治療が終わり、しばらく期間が空くと患者さんの口腔ケアへのやる気はどうしても低下していきます。定期的に正しいブラッシング方法をお伝えすることが重要だと思います。またメンテナンス時には、新たな虫歯がないかを確認し、噛み合わせや口腔粘膜や歯肉の状態をチェックすることができます。当院では3ヵ月に一度はメンテナンスに受診することをお勧めしています。