有岡 貴行 院長の独自取材記事
有岡歯科医院
(大阪市東淀川区/上新庄駅)
最終更新日:2024/11/01
阪急京都本線の上新庄駅から徒歩約6分、大阪メトロ今里筋線のだいどう豊里駅や瑞光四丁目駅からはいずれも徒歩約10分、内環状線の大隅1丁目交差点のコーナーに立つビル1階にある「有岡歯科医院」は、子どもから高齢者まで幅広い患者が訪れる地域密着型の歯科医院。有岡貴行院長は大学卒業後、同じく地域密着型の歯科医院で、一般歯科診療から歯周病、審美歯科、予防、入れ歯やインプラントまで幅広く研鑽を積み、その経験を地域に還元するべく開業。家族みんなが気軽に来院し、口腔を通した健康をサポートするべく奮闘している。ベテランとなった今もなお、視診や触診も交えた丁寧な診療を続ける有岡院長に同院のポリシーや歯科医師としてのこだわりについて話を聞いた。
(取材日2024年10月17日)
家族みんなのかかりつけ医でありたい
まずは、開業までの経緯を聞かせてください。
大阪大学歯学部を卒業後は、大学の指導教官の同期の先生のところに、足かけ10年勤務しました。門真市の下町にある歯科医院で、赤ちゃんから90代のご高齢の方まで来院されて、治療の内容もインプラント治療も含め本当に多岐にわたっている歯科医院でした。勤め始めた頃はご迷惑をおかけすることも多かったのですが、院長には基本から丁寧に手ほどきいただき、多くの成長をさせていただいたと今も感謝しています。とにかく夢中で過ごした10年間でしたが、その頃にはすでに結婚していたこともあり、自分の年齢や未来を考えた時に開業を決意。自分が培ってきた知識や経験を生かして地域貢献するために、20〜50代の患者さん中心の都心やターミナルの周辺での開業ではなく、住宅街で幅広い年齢の患者さんに関わりたいなとこの場所を選びました。
どのような患者さんがいらしていますか?
開業当時にイメージしていたとおり、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い患者さんに来院いただいています。近隣にお住まいの方がほとんどで、仕事や学校の帰りに来院いただけることも多いですね。また主訴もさまざま。当院は一般歯科診療から歯周病、審美歯科、インプラント、予防と幅広く対応していますので、「虫歯になった」「歯がグラグラする」といった相談はもちろん、「入れ歯を作りたい」「子どもの歯が心配」など、些細な相談も大歓迎です。当院は家族みんなのかかりつけ医でありたいと考えていますので、どんな些細なことでも相談いただけたらと思います。矯正や大学病院などでの本格的なオペが必要な症例に関しては紹介とさせていただいていますが、私にわかる範囲で説明し、安心して紹介先へ移っていただけるようにフォローしたいと思っています。
治療についてのこだわりを聞かせてください。
ベーシックな治療を丁寧に積み重ねていくことを大事にしています。一つのことで120点は取らなくてもいいので、すべて合格点以上をクリアし続けることが大事です。そのため、診断の際は先入観を排して、白紙の状態で対応します。長く診療にあたっていると慣れが生じてくるので、決めつけや勘違いが起こらないように注意することが大事です。問診やエックス線などに加えて、視診、触診などから得られる情報を総合して診断します。また、治療に用いる材料や薬剤ついても、長く使われている信頼できるものを中心にしています。新しい物にも素晴らしい点はあるのですが、ずっと使われてきた物には使われてきたなりの理由があります。それに比べると信頼性は不足していますからね。最近はインターネットが普及して医療情報が簡単に入手できるようになりましたが、中には信頼性の低いものもあり、それを是正し正しい情報を提供するのも私たちの役目です。
高齢者から小児まで幅広く対応
特に注力している治療はありますか?
歯周病に対する取り組みとして、メンテナンスによる予防を大切にしています。歯周病は軽症から重症まですべてを含めれば、成人の多くが感染しているといわれており、早期から予防ケアをスタートさせることが望ましいといえます。40歳を超えたら気をつけるのが定説ですが、できれば20代、さらにいえば子どもの頃からきちんとしたケアを行っていくのが理想です。最近の研究によれば、10代からすでに口の中に歯周病菌がいるともいわれており、若いうちからの予防が本当に大切なんですよ。また、入れ歯に関する治療は得意分野。おかげさまで、入れ歯治療についてもお知り合いのご紹介で受診される方が増えています。
高齢者の認知症やフレイルにも注目しているそうですね。
開業当初から通ってくださっている方々に、通院が難しくなっている人が増えてきました。また認知症の初期症状で、予約を忘れて来院できないケースも増えています。そういった患者さんたちに対して、私たちにできることはなんだろう? と常に考えています。最近では患者さん本人やご家族に予約確認のお電話を差し上げるなどして、定期的な受診を続けてもらえるように工夫もしているんですよ。実は私はケアマネジャーの資格も取得していますし、歯科医師会などの活動を通して地域医療や介護に関する会議やイベントに参加する機会にも恵まれています。こういった活動を通じて得た情報を必要な方に届け、一人でも多くの方が楽しく元気に暮らすためのサポートをしていきたいと思います。
お子さんの治療に関してはいかがですか?
発達段階やこれまでの治療経験に応じて、保護者と協力してケアしていくのが基本です。お子さんの中には、これまでの経験がトラウマのようになっていることもあるので、こまやかな対応が必要ですね。また、例えばお母さんが熱心にケアをされていても、おばあさんが甘いおやつをたくさん与えていて虫歯をつくっているようなこともあり、ご家族ぐるみの取り組みが必要です。子育ての常識は変わっていきますし、情報をアップデートすることも大切です。ご家族で受診していただいている場合には、雑談の一つとしてお伝えすることもできますし、お子さんの付き添いとして一緒に受診いただけるようにお声がけするなどして、皆でお子さんの成長を喜び、見守っていけるようにできればと思っています。
対話を大切に、気軽に通える歯科医院をめざす
患者さんやその家族との対話を大切にされているという印象を受けました。
当院の場合は、女性の歯科衛生士が窓口となって、世間話などをしながら家族の状況や日々の暮らしについて伺ったりしています。診察室で歯科医師と対峙すると緊張されることも多いので、聞いてほしいことがある時は、僕のほうから歯科衛生士に伝えることもあります。聞き取った情報については、毎日ミーティングで共有し、日々の診療に役立てています。何げない会話がきっかけで認知症の兆しに気がつくこともありますし、必要な医療や介護につながることもあります。お子さんが学校での悩みを聞かせてくれることもあり、何げない会話一つでも患者さんの力になることがあるのかなと感じています。忙しい時には十分にとはいかないこともありますが、これからも患者さんの声には耳を傾けていきたいです。
スタッフさんの活躍もクリニックには欠かせない力ですね。
当院は、結婚や育児を理由に休職してもまた戻ってきてくれるスタッフが多く、私の想いを十分に理解して動いてくれるスタッフばかりです。皆が「患者さんのため」を思って行動していますので、例えば予約対応一つでもその方のパーソナリティーに配慮した提案ができるよう工夫しているんですよ。何度も受診しているのに、毎回「はじめまして」のような対応だとがっかりするもの。そもそも多くの方が、できることなら歯科医院には行きたくないと考えておられるわけですから、利用しづらかったり嫌なことがあったりすると足が遠のいてしまいます。そうならない雰囲気をつくるためには、彼女たちの力が欠かせません。
最後に地域の皆さんにメッセージをお願いします。
当院はスタッフ一同が少しでも社会の役に立てることをめざして日々診療にあたっています。エントランスはスロープになっており、院内もベビーカーや車いす、手押し車で楽に移動できるスペースを確保しています。受診にあたって不安なことがある場合には、ご相談いただければ配慮いたしますので、まずは気軽にご相談いただければと思います。歯科医師としても歯を削ったりするよりも、「何も問題ないですね」と言えるほうがうれしいもの。来院いただく皆さんを大切な家族のように迎え、特に悪いところがなくても歯の健康チェックに来ていただけるような歯科医院をめざして、これからも頑張っていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック治療/4万4000円~、インプラント治療/33万円~