佐野 央 院長の独自取材記事
ベルファミリークリニック
(府中市/分倍河原駅)
最終更新日:2026/03/27
分倍河原駅から徒歩1分の「ベルファミリークリニック」は2014年の開業以来、糖尿病や高血圧症など生活習慣病を中心に、年齢や疾患を限定せず幅広く診療する総合診療を展開してきた。2026年4月に院長に就任する佐野央(さの・ひさし)院長は、高血圧症や甲状腺、下垂体、副腎などの内分泌疾患を専門にする内科の医師でありながら、地域医療には総合診療が欠かせないと2年間大学病院で総合診療の医師として研鑽を積んできた。また、佐野院長は診断に至るまでの検査も重視。病気の原因を追究し、必要な医療につなげられるように、随時、同院でできる検査も増やしていく予定だ。ずっと地域医療に関わることをめざしてきたという佐野院長に、地域のかかりつけ医としての思いや院長としての抱負を聞いた。
(取材日2026年2月24日)
総合診療と検査体制の充実で健康寿命の延伸をめざす
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

当院は年代も疾患も限定せずに幅広く診療する、総合診療という医療を提供しています。一つの臓器や病気に特化しない、強いて言えば、特徴がないのが特徴です。患者さんは地域にお住まいの方が中心ではありますが、京王線とJR南武線の乗換駅である分倍河原駅に近いことから、通勤途中に受診される患者さんもいらっしゃいます。ご相談の内容としては、基本的には来るもの拒まずのスタンスですが、やはり生活習慣病の方が多いですね。僕はこれまで大学病院で勤務をしていましたが、医師になった時から最終的には地域医療に携わりたいと希望してきました。周辺にはCTなど画像診断ができるクリニックや東京都立多摩総合医療センターのような大きな病院もあり、いろいろな検査をして必要な治療につなげることで、質の高い医療を提供していきたいと考えています。
先生がこのクリニックで力を入れていきたいことは何ですか。
病気の診断は、問診だけではわからないこともあるため、超音波検査やエックス線検査といった健康寿命をより延ばすために必要な検査を充実させていきたいです。将来的には、常勤の臨床検査技師を迎えることで、外来診療を止めずに超音波などの検査ができる体制を整え、当院でできる検査を増やしていきたいです。ただ、突然検査、検査と言いすぎると、不安になったりと快く思わなかったりする患者さんもいらっしゃると思います。なぜその検査が必要なのか、その検査をすることで結果的に健康寿命を延ばすことが望めることを、熱量を持って丁寧に伝えていきたいです。最初から熱量全開だと、患者さんもびっくりされると思うので、少しずつ自分の色を出していきたいですね。
先生は総合診療の医師であり、内分泌内科の医師でもありますね。

僕はずっと総合診療一本で来たわけではなく、最初は内科で、血圧と内分泌疾患をメインに診療していました。ただ、将来的にクリニックで診療をするためには、絶対に総合診療が必要だろうと考え、ここ2年間、総合診療の医師としての経験を積んできました。内科の医師と総合診療の医師には大きな違いがあります。内科は初期研修が終わった段階で代謝内科や呼吸器内科など一つの診療科を選び、その後は往々にして専門に特化することになります。そのため、専門外のことについては理解があまり深まりません。その点総合診療では、とにかくなんでも、最低でも内科の領域はすべて診ることができるようになる心構えが必要になるため、まったく違っていますね。
質にこだわった医療で総合病院との格差を小さく
総合診療の幅の広さと内分泌内科の医師としての専門性の両方をお持ちなのですね。

これまでどおり総合診療を引き継ぎ、基本的には何でも診るというスタンスを保ちながらも、高血圧症や甲状腺、下垂体、副腎などの内分泌疾患についての専門性を発揮できればと考えています。特に、甲状腺疾患についてはある程度、専門的な診療をしていきたいです。また、血圧や脂質の異常は、ほかの病気が原因になっていることも多いので、まずはそうした病気が隠れていないかをきちんと見極めたいですね。特に高血圧症には二次性高血圧症が一定数あり、その中で最も多いのが原発性アルドステロン症です。これらに対する負荷試験も当院で実施したいと思っています。
日々の診療ではどのようなことを大切されたいとお考えですか?
総合病院に通院する生活習慣病の患者さんは日常的にいろいろな検査ができるのに対して、クリニックではできる検査が限られている。僕はこのような医療格差をなんとか埋めたいと常々思っていました。開業医として長く地域医療に関わる父には「そんなに甘くはないよ」と言われましたが、できる限り質にこだわった、総合病院と変わらない医療を届けることを理想に、日々の診療を行っていきたいです。同時に、今このクリニックにある優しい雰囲気は崩さず大切にしていきたいです。医学的に正しいことを全面に押し出すのではなく、患者さんの人となりや考え方に合わせて、接したいですね。まだまだ足りない部分はたくさんあるので、しっかり学びたいと思います。
クリニックの運営にはスタッフとの連携も欠かせませんね。

そうですね。看護師も事務スタッフも一人ひとりが大きく活躍できるように、緊密にコミュニケーションを取ることを心がけたいです。あとは、クリニックの1階にある薬局との連携も重視したいです。薬局からクリニックにお薬について確認をしたいけれど、連絡をしにくいという話も聞くことがあるので、そういったことのないように、クリニックのスタッフとのチームワークはもちろんですが、地域の薬剤師さんたちともうまく連携を取っていきたいです。そうすることで、患者さんが快適に医療を受けられるようになればと思います。
地域から頼りにされる優しいクリニックに
ところで、先生が医師をめざしたきっかけは何でしたか。

父が開業医なので、小さい頃は漠然と自分も医師になるのかなと思いながら過ごしていたのですが、反抗期の頃は「医師になんてなってたまるか!」と抗っていました。その後、祖父の体調が悪くなり一人で祖父に会いにいったことがあったのですが、僕が泊まった翌朝に祖父が亡くなったんです。その直後は、自分が泊まりに行ったことで祖父が亡くなってしまったんじゃないかと思い悩んだのですが、時間がたつにつれ、祖父の最期に自分がそばにいた意味は何だったんだろうと考えるようになって。そのことがきっかけで、やっぱり自分は医師にならなくてはいけないんじゃないかと思うようになりました。最初のきっかけとしては父が医師ということがあったのですが、決め手になったのは祖父の死で、そのときの出来事に運命的なものを感じたことでした。
このクリニックを地域にとってどんなクリニックにしていきたいですか。
まずは地域に根づいたクリニックであることが一番の理想であり、高齢者から若い方まで診ることのできるかかりつけ医でありたいと考えています。加えて、クリニックのDXを進め、今まで以上に会話の多いクリニックにしていきたいですね。例えば、受付や会計業務に機械を導入すれば、これまで業務に追われていた受付スタッフに余裕ができ、患者さんと話したりふれあったりする機会を増やすことができます。体調の悪い方がいたら、症状をお聞きしながら血圧検査に促すとか、生活習慣病の方であれば受付のスタッフが体重を測るとか、コミュニケーションを多く取れるクリニックをめざしたいです。
最後に、地域の方へのメッセージをお願いします。

基本的には地域のクリニックの役割は、適切な医療機関に振り分けることだと思っています。当院で完結できる患者さんは当院で診て、当院では治療が難しい患者さんはより高度な医療を行える病院に紹介するというように、患者さんが必要とする医療を届けられるようにすることが大切な役割ですので、病気について何かお悩みがある時や、どの診療科を受診すれば良いかわからない時、医療機関を受診するべきか迷う時は、いつでもご相談ください。現時点でこのクリニックは、地域にお住まいの皆さんにとって間違いなく大切なクリニックだろうと思っています。地域に頼りにされる優しいクリニックを継承しつつ、これまでの経験を生かした医療を展開したいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

