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木内 典裕 院長の独自取材記事

木内整形外科

(世田谷区/明大前駅)

最終更新日:2023/09/05

木内典裕院長 木内整形外科 main

健康だった人がある日突然倒れ、介護が必要と言われたら、どこへ相談すればいいのかすらわからず、ほとんどの場合途方に暮れてしまうのではないだろうか。「困った時は、ここへ来ればなんとかなると思っていただければ」と穏やかな笑顔で語るのは、「木内整形外科」の院長、木内典裕先生。木内先生に、今秋クリニック移転と同時に新設した整形外科とリハビリテーション科の外来や、訪問診療に対する考えなどをじっくり聞いた。

(取材日2021年11月29日/更新日2023年8月31日)

訪問診療から整形外科の外来まで。より幅広い診療を

こちらのクリニックの特徴について教えてください。

木内典裕院長 木内整形外科1

当院は2012年に開院し、当時は訪問診療専門のクリニックでした。退院して自宅療養をされる方や、通院が困難になった患者さんのもとへ定期的に訪問し、内科から整形外科、リハビリテーション科、皮膚科、精神科、ターミナルケアまで幅広く診療する、いわば患者さんの健康管理を行うホームドクターをめざして開院しました。一般的に訪問診療は月に2~3回が基本ですが、当院の場合週1~2回の訪問リハビリテーションを行い、患者さんの様子をほぼリアルタイムで共有しながら、よりきめ細かく患者さんの状態に合わせたケアを提供しています。そしてこの度、整形外科やリハビリテーションの外来を持つ必要性を感じ、移転リニューアルし、整形外科とリハビリテーションの外来の機能を持つクリニックとして、名前も「木内整形外科」と改め開業しました。

クリニックを移転されるまでの経緯やご理由を教えてください。

在宅で患者さんに最善の治療を提供するには、病院や介護施設、ご家族との連携が必要不可欠です。中でも整形外科やリハビリテーションの外来部門をもつことは、より精度の高い検査や治療を提供するためにもぜひ実現したいと思っていました。そのため、長年不動産屋さんにもこの近くに良い土地があれば紹介してほしいとお願いしていたのですがなかなか見つからず困っていたところ、なんと患者さんが3年かけてこの付近をくまなくリサーチしてくださって。これまで開院していた場所から徒歩5分くらいの場所にクリニックを移転できることになりました。

移転したクリニックではどのようなことができるのでしょうか?

木内典裕院長 木内整形外科2

1階が整形外科外来、2階がリハビリテーション科外来、3階が在宅診療の事務所となります。エックス線検査や超音波検査、低周波治療など先進の機器をそろえた他、ウォーターベッドやマッサージ機、平行棒など各種器具も充実しています。さらにリハビリテーション科には専門の理学療法士が入り、日常動作や歩行訓練、筋肉トレーニングなどに個別に対応予定です。また、送迎つきのデイケアも行います。訪問診療では杉並区、渋谷区、世田谷区、目黒区、新宿区、中野区の地域の患者さんと限られていはいますが、明大前駅から徒歩3分というアクセス抜群の立地での外来を通じて、より多くの方のお役に立てればと考えています。

日常生活を豊かにするため、訪問診療にも注力

医師をめざそうと思ったきっかけと開院までの経緯を教えてください。

木内典裕院長 木内整形外科3

私は幼児期から小学生にかけて整形外科で5〜6回の手術を受けました。その時の主治医への憧れから医師になることを決め、群馬大学医学部を卒業後、その医師と同じ東京大学医学部整形外科学教室に入局しました。整形外科、麻酔科、救命救急センターで研鑽を積んだ後、整形外科の医長として手術をはじめ多くの症例に携わりました。転機となったのは回復期リハビリテーション病棟での勤務でした。回復期では術後のリハビリテーションのため理学療法士や作業療法士が適切な機能訓練を行えるよう訓練処方箋を作成するだけでなく、ケアマネジャー、看護師、薬剤師、ホームヘルパーと連携しながら退院後の包括的なケアを考えるためにも医学的な専門知識は欠かせません。整形外科の専門性と、救命救急センターで培った全身を診るスキル、リハビリテーション科での経験を生かし、患者さんにとって最善のケアを提供できるのではないかと思い開院を決意しました。

それで訪問診療でも整形外科も対応されているのですね。

開院当時、訪問診療に携わる医師の多くは内科や消化器系が専門で、整形外科出身の医師はほとんどいませんでした。けれど、実際に訪問診療を必要とする患者さんの多くは高齢者で、糖尿病や高血圧、経管栄養、胃ろう、人工肛門など総合診療のほか、関節痛などの訴えも多く、中には転倒して動けず困っていた人や、知らない間に圧迫骨折をしていた人も少なくありませんでした。また、最近は骨粗しょう症の患者さんも増加傾向にあります。そのような患者さんに対し、関節注射を打ったり、往診用のエックス線撮影でご自宅にいながら骨折の有無を検査したりできるのは整形外科ならではのメリットだと思っています。通院が大変だからと様子見せず、いち早く治療して少しでも今のADL(日常生活動作)を維持できればと考えています。

法人名にある「プライマリーケア」という言葉に込められた想いとはなんですか?

木内典裕院長 木内整形外科4

「プライマリーケア」とは、一般的に「身近な、何でも相談に乗ってくれる総合的な医療」という意味です。私は回復期リハビリテーション病棟での勤務を通じて、退院はしたものの日常生活でお困りの患者さんやご家族の悩みを少しでも軽減できればと在宅医療の道に進むことを決めました。患者さんやご家族の状況とお困りごとをきちんと理解することが治療の一歩。体調やストレス、悩みなどをお聞きしながら、心と体のケアを行っています。訪問させていただいている患者さんの急変時には、24時間体制で往診にも対応します。また、薬を処方するだけでなく、その薬を確実に服薬するためにどのようなサポートが必要かなど、介護や福祉と連携しながら患者さんを見守るホームドクターです。

地域のよりどころとして、より多くの人に安心感を

今後の展望をお聞かせください。

木内典裕院長 木内整形外科5

先端の機器をそろえましたので、エコー下で薬剤を注入し痛みの緩和を図る治療なども積極的に取り入れていきたいですね。また、明大前駅の渋谷寄りに新しい改札ができる計画がありますが、それが実現するとクリニックまで徒歩1分とさらに利便性がよくなります。お子さんから高齢の方まで、幅広い患者さんのお悩みに応えられるよう、多分野にわたる専門スタッフをそろえてお待ちしております。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

木内典裕院長 木内整形外科6

私は杉並区の和泉生まれで、幼少時より明大前駅を最寄り駅として育ちました。たまに「なんでここまでできるの?」と聞かれますが、一言で答えるなら、自分を育ててくれた地元への恩返しのためだと思っています。地域のかかりつけ医として日頃から気軽に立ち寄っていただければ、整形外科をベースに内科をはじめ包括的に全身を診て診断いたします。また、病気や事故、加齢によって通院が困難になった時もスムーズに自宅療法に切り替えることができます。脳卒中や事故などで健康だった方が急に倒れてしまうと、本人はもちろんご家族も驚かれます。治療がうまくいっても、いざ退院となった時、自宅でどのように介護すればいいのか途方に暮れてしまう方も大勢見てきました。地域に根差した訪問診療の実績とネットワークで、一人でも多くの患者さんやそのご家族の力になれるよう精一杯努力させていただきます。困った時は、お気軽にご相談ください。

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