小さな予兆も逃さず丁寧に対処
マイクロスコープを用いた歯科治療
富士歯科医院
(川崎市川崎区/川崎新町駅)
最終更新日:2024/02/07
- 保険診療
予防歯科の重要性が叫ばれる昨今、そろそろ定期検診や歯科通院を習慣にしたいと思っている人もいるだろう。マイクロスコープを活用した診療に強みを持つ「富士歯科医院」の金子佳史副院長は、予防歯科で解決すべきなのは虫歯や歯周病そのものにとどまらないと考える。「虫歯や歯周病になりやすいサイクル」を根本から断つのが重要で、何よりも欠かせないのは定期的な通院。このため、同院でも歯科衛生士はもとより、助手、受付を含めたスタッフ全員で患者の状況を共有し、一人ひとりが通いやすい環境づくりに注力している。海外でもマイクロスコープについて研鑽を積んでいる金子先生。マイクロスコープをフル活用した治療とはどのようなものなのか、詳しく話を聞いた。
(取材日2023年5月29日)
目次
マイクロスコープを用いた歯科治療
- Q先生はマイクロスコープについて専門的に学んできたそうですね。
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A
はい、大学卒業後に入職したクリニックは予防歯科とマイクロスコープに特化していました。そのため最初からマイクロスコープについて研鑽を積む機会をいただけたんですね。マイクロスコープを用いることで精度の高い治療を提供するだけでなく、患者さんの不安を取り除くという利点もあります。マイクロスコープを治療だけでなく、予防にもフル活用できたら、患者さんにとってより良い治療環境を提供できるのではと思い、アメリカでもマイクロスコープについて学びました。
- Q「マイクロスコープを用いた治療」について教えてください。
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A
マイクロスコープは歯科医師の目線の位置で照明を当てながら高い倍率で拡大できるので、これまでは見逃されていたようなほんの小さな虫歯の発見にも役立ちます。表面のエナメル質にはほぼ変化がないのに、その下の象牙質がボロボロになっている「隠れ虫歯」の早期発見と治療にもマイクロスコープは非常に有用ですね。一方、歯周病に関しては、口頭で「歯茎が腫れてるので頑張って磨きましょう」と伝えてもピンと来ない方も少なくはありません。そんなときはマイクロスコープで撮影した鮮明な映像で歯茎を見ていただくと、危機感を持っていただけると思います。その結果、歯磨きに積極的になってくださると健康なお口につながっていきます。
- Qどんな人にマイクロスコープの治療がお勧めですか?
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A
僕的にはどんな人もどんな治療もマイクロスコープを用いた治療を受けてほしいですね(笑)。いらっしゃる方の主訴は「他院で抜歯と宣告された」「神経を抜かずに保存したい」などが多いです。従来の方法では発見できなかった問題も、マイクロスコープを用いることで、問題が一目瞭然にわかることがあり、抜歯を免れることにつながる可能性があります。また、ご自分の歯の状態をマイクロスコープの映像によって見ていただくことで、納得した治療をお受けいただけます。ちょっとした不安や悩みをマイクロスコープで軽減することもできるので、気軽に相談してほしいですね。
- Q予防歯科にもマイクロスコープを活用されていると聞きました。
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A
予防歯科は、虫歯や歯周病になりやすいサイクルを断ち、わずかな問題も見逃さず早期発見をしていく流れになります。従来の虫歯治療は口の中を外からのぞきながら行うため、視界確保のため、虫歯がない部分も含めて削らなければいけない場面もあり、歯は削れば削るほど弱くなっていきます。一方、マイクロスコープは、小人が口内に入って歯を治療しているようなもので、悪い部分だけをピンポイントで削ることができるのです。その治療過程を動画を見ることで「せっかくきれいになったからきれいに保とう」と思っていただきたいです。また拡大視野下での治療は、精度にこだわった治療を提供でき、二次虫歯を防ぎやすい状態にすることができます。
- Q治療後の状態を保つためにさまざまな取り組みもされていますね。
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A
とにかく予防の大切さを伝えるようにしています。その上で大事にしていることは、患者さんにご自身に口の中がどうなっているかを見ていただくことです。僕がマイクロスコープで動画を撮影するのはもちろんのこと、歯科衛生士も口腔内カメラで写真を撮ります。映像だけでは情報量が多すぎて、わかりにくくなってしまうケースもありますからね。また予防歯科にはスタッフ全員で取り組んでおり、どうしたら患者さんが継続して通ってくれるかを考え、毎日「帰りの会」を行い、情報共有も徹底しています。歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付がチーム一丸となってオーダーメイドの予防歯科医療を提供していきたいと思っています。